ブログネタ:最近観た映画
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最近観た映画っていうか、何度も観てる映画なんだけどね。
レンタル屋で観る映画に困ると、なんとなく手にとっちゃうんだよな。
デヴィッド・リンチ監督の映画、「マルホランド・ドライブ」!!
俺の一番好きな映画!
実は、ブログに書くのは避けてきたんだよね。
絶対長くなるから(笑)
この映画、万人にオススメできないのが難点なんだけど。。。。
はっきり言って、ワケが分かりません。
はっきり言って、ワケが分かりません。
夢と現実が混ざり合ったような、意味不明のシーンが連続するし
映画の前半と後半、同じ役者が、違う登場人物を演じてたりします。
意味不明のカットが入ってきたり、なんか時系列がおかしくなってたり
普通のシーンと思ってたら、いきなり、まともじゃない感じの事しだしたり。
たんなる意味不明な映画として、「面白くない」って言っちゃう人も多いと思う。
でもね、実はこの映画、ほとんどのシーンに全部意味があるんです。
俺も一回観て、なんだコリャと思って、もう一回観直してたらある瞬間に気づいたの。
「あ!そういうことか!!」って。
それで、最初に戻ってまた観直してみたら、もうね、全部のシーンの意味がよく分かる。
「おぅおぅ、なるほどなるほど」って。
その瞬間の知的興奮ったら、なかなかのもんでね、もうこの映画大好きになっちゃった。
みなさん、是非とも観てみてください。
観て、「全然意味わかんね~よ!」ってなったら、このブログもう一回読んでください。
この下に、完全ネタバレ書いておきます。
まだ観てない人は、是非、観てから読んでね。
以下、ネタバレ注意!!
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もう観た?観てから読んでね。
観てなくて読んだ人も、興味湧いたら観てみてね。
冒頭、マルホランドドライブって名前の道(ハリウッドの側の丘の上にある、実在する道)
車の中でいきなり銃をつきつけられ、殺されそうになる謎の美女。
そこに偶然の衝突事故が起き、彼女は逃げ出します。
彼女は事故のショックで記憶喪失になったようで、丘から降りて、ある留守宅に忍び込み、疲れて寝てしまいます。
その後、明るい感じででてくる、とってもキュートなナオミ・ワッツが主人公。
田舎出身の彼女は、ハリウッドスターを夢みて、夢の都ハリウッドの空港に降り立ちます。
空港で会った老夫婦も、とっても良い人達。もうニッコニコ。
(なんか不気味な、不自然なニコニコさなわけですが)
叔母さんが不在になるとのことで、自分の家を彼女のために提供してくれて、そこに住むことになってます。
管理人のおばちゃんも良い人そうね。
で、その家で、冒頭の記憶喪失の謎の美女カミーラと出会います。
そう。主人公の家に隠れてたんですね。
で、ナオミ・ワッツは、彼女に同情し、カミーラの記憶を取り戻すために協力をすることにします。
その間には、カフェでよく分からない男が怖い夢の話をして、それが現実になったり
ナオミが女優のオーディションで大成功したり、
謎の組織(?)の、ある女優を映画に使えという命令を断った映画監督が、次々にひどい目に会ったり、
殺し屋がすっごいドジで、ドタバタしたりといったシーンが続きます。
もうこの辺で意味がよく分からなくなってくる(笑)
前半の最後の方は、さらに加速していく。
謎の女性カミーラの記憶を探るために行った部屋のベッドで、カミーラの死体を発見。
そう。カミーラとナオミが一緒に発見。もう、わけ分からん。
その後はカミーラがナオミと同じ髪形になり、レズプレイ(笑)
「泣き女」のショーを観て、二人で号泣してから、青いBOXにカギ差し込むところで終わる。
実は、この前半のシーン、現実のナオミ・ワッツの、願望とか罪悪感とか恐怖とかが凝縮された、夢というか幻想の世界というか、一瞬の内に頭の中に巡ってる世界なんだ。
後半は、現実のナオミの世界。
彼女は田舎のダンスコンテストで優勝してハリウッドに出てきた、女優志願の女性。ちなみにオープニングのシーンはこのコンテストのイメージね。
だけど夢はかなわず、ウェイトレスをして生計をたてる冴えない生活。
前半に、殺し屋的な奴らと一緒に娼婦が出てくるシーンがあるけど、恐らくは売春もやってたのかもしれない。
ハリウッドに出てきて唯一の良かったことは、愛する彼女カミーラとの恋愛関係。
しかし、レズ友の彼女は、うまいこと監督に取り入り、主演女優として栄光をつかみとっていく。
そしてパーティーの席で、彼女と監督が結婚することを知る。
しかも、他のレズ友もいた事実も知る。
絶望した彼女は、殺し屋に愛するカミーラの殺害を依頼する。
殺しが成功した時の合図が、例の青いカギ。
カギを見ながらナオミは、愛するカミーラが死んだことを実感する。
カギを見ながらナオミは、愛するカミーラが死んだことを実感する。
全てを失った彼女は、絶望し後悔し、精神に破綻をきたし自殺する。
っていう話。
そう、前半の世界は、現実の世界ではうまく行かなかった女優オーディションで大成功を納めたり、愛するカミーラを奪った監督がひどい目に会ったり、殺しを依頼した殺し屋がすっごいドジで(ドジだからカミーラを殺せないという願望が働いてる)、実際カミーラは殺されずに、しかも過去のことを全部忘れた記憶喪失状態でナオミの元に現れ、彼女を頼り、愛するという、ナオミにとって最高の世界。
現実の世界で殺人を依頼した店は、罪悪感の象徴でもあり、男が怖い夢の話をする店。
この男、現実の世界で殺しを依頼する時、実際に店に居合わせてるシーンがある。彼女の頭に焼き付いてたんだろうね。で、その男が出会う、正体不明の怪物は、「死」とか「罪」の象徴なのかな。よく分かんないけど。
他にも、細かいところがたくさんあって、カミーラのバックから出てくる札束は、殺人を依頼する時の金だし、ナオミが現実世界で女優オーディションに落ちまくってた原因である(と思ってる)ハリウッドの暗黒面として、ギャングみたいな変な奴らが「この女優を使え」と監督に強要してるとか、カットが変わるとテーブルの上にあった食器類が消えてたり(これは夢ですよ~っていうヒントみたいなね)、ナオミ・ワッツが注文するウェイトレスの名札がナオミの名前だったり(現実世界では自分がウエイトレスだからね)する。
ただ実際、自殺し、意識を失う中で描かれる幻想の世界であるけど、「自分の死」というその理想の世界が終わるタイムリミットが迫ってる感覚、「現実の世界=死」に引き戻されるステップ、その象徴として、カーボーイが使われてる。カーボーイが「3回会ったら終わる」という、その3回目っていつなの?って思うかもしれない。それは、カミーラと監督が婚約してることを知る、あのパーティーの席で、後の方を横切るシーンがある。あれが3回目。
つまり、あのパーティーのシーンは現実にあったことではあるけど、ナオミの記憶の再生であって、半分は、死にながらフラッシュバックする幻想世界と溶け合ってるんだよね。後半場面で時系列が混乱してたり、カミーラと他のレズ友がパーティーの場で意味不明のキスシーンを始めたりするところで察することができる。ちなみにこのシーンで監督の母親が出てくるが、彼女は冒頭に出てくる管理人だった人。ナオミが現実世界のハリウッドで唯一出会った、彼女に同情的な態度をとった女性として、幻想世界にも良心的キャラクターで現れてるのかも。
最後、ナオミ・ワッツが自殺する直前に出てくる、奇妙な動きのミニチュア老夫婦。彼らはナオミに叫びながら迫り、ナオミは混乱して自殺するわけだが、あの老夫婦は、冒頭の空港のシーンで意味不明の笑顔で異彩を放ってた2人。彼らは、ナオミにとっての世間の象徴だろうかな。希望に満ち溢れた、素晴らしい世界の象徴として、笑顔でナオミを迎え、自殺直前は、ナオミの罪を激しく糾弾し、批難する。ナオミが精神的に崩壊するクライマックスだ。
結局この映画は、嫉妬で元恋人を殺し、罪の意識や愛する者を失った喪失感などから逃れられずに自殺した、実に悲しい女の物語。
その女の心、悲しさは、前半部と後半部の間、「泣き女」のショーで全開になる。泣き女とはナオミそのものであったというわけだ。
ちなみにリンチは、この映画の解釈は各人に任せると言っている。
他の解釈の仕方があるかもしれないけど、それは人それぞれでOKということ。
「ここはどういう意味?」とか「それはこうじゃないか」って意見あったら、どんどん教えてください。アンド聞いてください。
いろいろ、語り合いたいんだよね~