明日から、部下がフランスに出張します。

畳の文化を世界に広めるために、是非とも頑張って欲しいです。


ところで、日本のインテリア系のメーカーはこぞってフランスで行なわれる展示会に出展します。

なんだか、頭の中が『世界進出=フランスで展示会』になってる人ばかりなのかと思えるくらいです。

もちろん、フランスは日本ブームと言える状態ですし

印象派の絵画なんかからでも分かるように

昔から日本文化に対して深い興味と理解をもっている国です。


しかし、高い費用をかけて展示会に出展した結果は、

大抵の場合は何社かからサンプルを依頼されて終わりとか

そのあたりで話が尻すぼみになっています。

「我社の製品はかなり評判が良かった」などという印象は得るけれど

単発で終わったり、結局たいしたビジネスに繋がらずに終わるのです。


それで、「やはり海外は難しい」という事で

海外進出へのモチベーションが下がってしまうことになります。


これは、いくつかの要因があると思います。

今回はその内の一点だけをとりあげます。

まず、誤解を恐れずに言うなら、『フランス人はお金を遣いません』。

これはケチというんじゃなくて、社会構造的にそうなってるんです。


フランスには1998年に制定された週35時間労働制というのがあります。

土日に働くなんてありえませんし、24時間のコンビニももちろん無し。

日曜に開いているスーパーもありません。

これを守らず働いている人は、厳しく罰せられます。


また、会社の命運をかけた大きなプロジェクトが動いていようが

ヴァカンスの時期には必ず一ヶ月とかのヴァカンスをとります。

もしもやらなければいけない事があったら

「ヴァカンスなのでできません」と言って断ります。

そして相手も「それなら仕方ないな」と諦めるのです。

完全に権利として認知されてるんですね。


何が言いたいかというと、フランスは社会全体が制度的に「怠ける」事を奨励していて、抜け駆けで働くのを禁止しているということなんです。

なんとも羨ましい話です。


つまり、皆そんなに飛びぬけて高収入にはなれない社会でもある上

金はヴァカンス用に貯める必要があるんです。

だから、日本ブームで日本の物が売れるといってもたかがしれてます。

高額な物はなおさら売れません。


断言しても良いのですが、フランスはEUの中でもインテリア商品の消費が少ない国です。

あまり金をかけずに、センス良くまとめるみたいなイメージでいいと思います。

だから、なんとなくカッコイイ的なフランスに対する先入観だけで

進出を目指すインテリア系の日本企業は判をついたように失敗するんです。


え?

そんなこと言ってるお前の会社の人間は明日から出張で行くんだろうって?

フランスは市場としては難しいし、商売の規模も小さくなりがちですが

それも踏まえた上での戦略なら成り立つということ。

だと思います。

・・・多分(笑)。


今後の展開については可能な分はリポートしていきますのでお楽しみに~