Maximum!! -37ページ目

Maximum!!

生きてることを喜ぶことを罪ではないと信じる者たちはロックンロールで悩みを抱えたまま踊る。

STRONG/アレステッド・ディヴェロップメント

¥2,300
Amazon.co.jp

おっさんも時にはヒップホップを聞く。
と、断り書きを入れないといけないのは、ロケンロールとか言ってるおっさんとヒップホップというのはどうも食い合わせが悪い感が(自分でも)あるからなんだけど、おかしなことだ。

ラップっていうのも「おっさんがぶつぶつ言っている」と考えると「ブルース」である。
ほらぐんと距離が縮まった。
「楽器ができない下手クソでも可」→パンクやないか。
もう君の前の敷居はないも同然。
聞いてみて、身体が動く、踊れるなら、他に何が要るだろう。

日本先行発売されたばかりのこのアルバムは3年ぶりということだが、わたくしが聞き始めたのは今年の初めに出た中心人物スピーチのソロアルバムからなのでほとんど予備知識なし。
HMVで見かけて、おお出とると試聴一発15秒で購入決定。

その一曲目は「Hater」っていう曲で、

♪あなたも知ってるはず、他人が輝くのが許せないタイプの人間
 あらゆるビートやライムのアラ探し、まるで・・・
 こっちが何かやろうとすると、速攻で人を非難
 
 どちらにしろ、僕たちは彼らの考え方に適合しないんだ
 彼らはただのヘイター、ヘイター、ヘイター


という詞があれやこれやを思い出して笑ってしまうんだけど、曲も「ただのヘイター」を笑い飛ばす、いやそんなもんはどうでもいい、「だってこっちの方がぜんぜんかっこよくて楽しいんだもん」っていうポップの魔法。Hateって、楽しくはないよね。
「ヒップホップ」っていう名称がよくわからないにしてもひとつおれが特徴だと思うのは、音の置き方。ブロックを積み上げていくように、キャンバスに描き込んでいくように、フレーズ、楽器の選択、音色、この場所で、この音が鳴らなければならないという強い意志。
きっとそれはサンプリングの「自由」に関係しているんじゃないかと思うのだが、このことはアジアのスター周杰倫から教わった。

どのトラックも、実に身体がよく動く。
圧倒的な生への肯定感が背骨になった、解放の踊り。
この感じをおれはよく知っている。

スプリングスティーンのあの詞に乗って運ばれていくドライブ。
マーヴィンの声でとろとろに溶けるエロと愛の祝祭。
ソウルフラワーユニオンのライブ会場を包む、あの感じ。

だからこそアレステッド・ディヴェロップメントは「Bloody」で描くように、この世界に厳然と存在している虐殺や抑圧の事実からも目をそらさない。

抑圧されている者と抑圧してる者たちが仲良くやってるパーティ!
清らかであり続けてる手は誰のもの?
あまりにも多くの手が血に染まっている


だけど、「The World is Changing」世界は変わっていく、変わり得る。
「今様々なことがおこっている」そんな60年代のボブ・ディランのようなことを言いながら、「しっかり目を開け」という呼びかけが、覚醒しながら踊れるビートに乗って歌われる。

そしてちょっとタガが外れてネジもゆるんだ、ぱっぱっぱー ぱっぱらー ってコーラスに導かれて、Changeを起こすためのきわめて「現実」に即した方法論、「The World is a friendly place」がやってくる。

ライナーのメンバーの言葉を借りよう。

アルバム"Strong"収録の曲は、オバマ大統領が少しは崩してくれたアメリカ中心の考え方に異議を唱えている。90年代にデビューして以来世界中を旅してきたADは、海外にいるブラザー・シスターの存在、僕らに共通するヒューマニティや愛が嬉しいんだ。この曲を全世界に発表するのを誇りに思ってます。

ビューティフル!という現実認識のシャウトに続けて歌われるのは、この美しさを損なわないための方法。

誰にも騙されないでくれ
誰にも騙されちゃいけない
目を開けていろ
目をしっかり見開いて


このビートが正しいと思えるならば、「敵味方思考の排外主義者」などの言うことに騙されるわけはない。

うっとこの単なる飲酒観光記事を取り上げていただいた村野瀬玲奈さんの最新記事のように、わたくしも誇りをもってぱっぱっぱー ぱっぱらーと踊っていよう。そこにはアホ、酒鬼、海量、みんながいることだろう。
阪神・赤星が中心性脊髄損傷で現役引退

以下、デイリースポーツより。

阪神・赤星憲広外野手が9日、西宮市内のホテルで会見を行い、現役引退を表明した。直接の原因は9月12日の横浜戦(甲子園)でダイビングキャッチを試みた際、発症した中心性脊髄(せきずい)損傷。負傷後、復帰を目指し懸命なリハビリを続けてきたが、「今度やってしまったら最悪、命にかかわる可能性もある。100%のプレーができないならプロとして身を引くべきと考えた」と苦渋の決断に至った理由を語った。赤星は1年目の01年から5年連続盗塁王に輝くなど活躍。今季は持病の首の痛みなどで91試合の出場にとどまり、打率・263、31盗塁だった。

9月12日のプレイはおれも見てた。
あまりにも突然すぎて。
おれが中国に行った年の新人王。つい最近のように思えて。

03年、中国からネット中継で見てた優勝決定試合のサヨナラヒットは、とらくん者の記憶にいつまでも永く生き続けるでしょう。

わしが言えることではないが、彼もまだ独身。
よい伴侶を見つけてほしい。
ライブ強化週間のトリは神戸varitでのソウルフラワーユニオンである。
今年4回目のライブ参加。
整理番号はあんまり関係なく(ソウルフラワーに来る客はわりと時間についてフレキシビリティが高いので、若い番号の人がそこらにおらず、30人ぐらい抜いて入場)、最前列左端を確保。
魂花ライブのかぶりつき客は、自分の踊りに専念しているのでわやくちゃにされることはないだろうとふつうに喜んだ。

今回のライブにはゲストがあって、長田の青春フォークパンク、ガガガSP。
お隣さんだし、泉ちゃんと共演してたりするにも関わらず、ちゃんと聞いたことがなかった。
しかーし。コザック前田の芸人根性、素直に頭が下がります。

「京子ちゃん」~「神戸駅」メドレーで、ステージ上を駆け回り、金網をよじのぼって行く前田。
金網づたいにスピーカーの天井に登り2.5mの高さからシャウト。
降りられんようになってたが、それがなんだ。
なめぴょんさんは降りてくるのをちょっと手伝いました。

「満月の夕、やらへんの?」中川敬の強い眼ぢからで問い詰められたと言ってはじまったパンク版では、ガガガファンによるポゴダンス&ダイブが中央前列付近で繰り広げられ、

ああはしっこでよかったなと。

かまへん、これもまた、あのときの神戸を伝えていくもののひとつだから。

最終曲では右側金網~スピーカー上から大暴れし、ステージに戻ることをあきらめて金網の向こうに消えていった前田、全力疾走の一時間だった。

「神戸駅」は、ええ歌やね。

楽器搬出入のインターバル約30分をはさみ、ソウルフラワーユニオン登場。

もう今までここでも何度も書いた通り。
生の肯定。肉体と精神の幸福な連動。
決して分かつことのできない、いっしょになって転がっていく存在そのものの歓喜。

中盤のハイライトは、「極東戦線異状なし」~「もののけと遊ぶ庭」だった。
確実にそこにある殺戮と戦争、その混沌を描き出していく不協和音と重いリズム。
しかしその混沌さえも、生の一部として喜びに変えていこう、何物にも生そのものの祝祭を邪魔されることはないのだという強い意志がそこにある。
だから、こんなに踊れる。強い音楽の、歌の力がある。

新曲「アクア・ヴィテ」。9月のライブでも聞いたが、印象が違う。
さらにくっきりと浮かび上がるうたの力。そして、間奏のちょっとふしぎなオルガンのフレーズが奥行きを感じさせて。

ワンマン時よりもMCも控えめに(奥野氏いじりは外せない)たたみかける一時間半。

アンコール前は「神頼みより安上がり」~「月光ファンファーレ」、まじりっけなしの祝祭空間。
動き回るうちにチューニングがずれたか、中川敬の弾くギターはまるでコードにならず、ほとんど弾けない状態だったが、

だいじょうぶだ。おれらがいる。おれらが歌う。

さーて文章書くのもこの辺にして、会場先行発売の「アクア・ヴィテ」を聞こう。
9曲入りマキシ。中川氏曰く「10枚でも売れたら出し続ける」

カップリングは、「ぼくの好きな先生」に、「ヒューマン・ネイチャー」(マイコー!!)だぜ。
ライブ強化週間(6日で3回)第2ステージはクロマニヨンズ。
6月の尼崎から半年ぶり、前回はホールだったが今回はライブハウスだ。
プレオーダーで届いたチケットには「整理番号416」と書いてあるのだが、あんなとこに4~500人も入るのか?と先月ここで泉ちゃん&木村ライブを見ているわたくしは不安。

着いてみると、ん、はじめから前の方はあきらめてるのでこんなもんか。
客層は、今年一番の若さ。出演者よりもわたくしよりも年下の客の比率高し。良いことだ。
黒龍江省で購入したハーフコート(当地では年に2週間ぐらいしか着れる季節がなかったが日本では重宝)をコインロッカーの天板の上に置いて、ちっちゃいおねいさんの前を確保してさあこいヒロトマーシー。

撮影禁止などの前説を述べる兄ちゃんが、2分間のうちに8回ぐらいロッケンロール!と叫んでクロマニヨンズ登場だ。

開始後3分、わしは思う。

後ろでよかった

ヒロト&マーシーのみすぼらしい肉体そのもののようにそぎ落とされたロックンロール。ロックンロールが、ただロックンロールとしてだけ、当たり前のようにそこにあって、目の前で鳴っている。

ロックンロールは、楽しいなあ (c)甲本ヒロト

あの人の思い出は 守ってくれ 鉄カブト

こんな歌詞も、ビートに身体を貫かれながら、踊りながらなら、だいじょうぶだ。

ヒロト&マーシーのことばっかり書いてるが、ドラムス桐田勝治、大名曲「紙飛行機」のキモは、リード・ドラムとも呼べるあのタイコにあるんだと、今日わかったよ。

アンコールはお約束通り、フロント3人貧相な上半身裸(ドラムは見えなんだ)。
ヒロトって乳首小さいのね。

全身濡れねずみのようになって真冬の坂道を下っていく帰り道、おっさん兄ちゃんはまだよいが、女の子はたいへんだろうなあとつくづく思った。
昨夜は、神戸の西にある塩屋旧グッゲンハイム邸という、1909年に建てられて阪神大震災も切り抜けてきた「異人館」での早川義夫X佐久間正英ライブに行ってきた。

早川さんについてはうっとこの3月の記事参照下さい。佐久間さんは日本ロックの名プロデューサーであるギタリスト。我々おっさんにはブルハのプロデュースしてたという思い入れが強い。

なんせ「異人館」っていうめったに体験できない会場である。それも、ちょっと大きめの学校の教室みたいな、「お客さまとしてお呼ばれしました」てなシチュエーション。
また、喫茶軽食コーナーは、多井畑や滝の茶屋とかいうごっついローカルなご近所の酒屋さんやパン屋さんが出張してきてて、さらにライブの実行委員若夫婦が「煮込みごはん」を提供してはる。
でも、親密だけどベタベタじゃない心地よい距離感。
なんかこの、日常の暮らしに密着して当たり前に音楽があるって感じはいいよね。

そんな中行われるライブが悪いわけがない。

早川氏のピアノと歌、佐久間氏のエレキギターを目の前2-3mで聞くという至福。
つくづく感じたのは、ピアノとギター、それぞれの音の違いだった。
ピアノは、特に丁寧にフレーズを弾いて行く時は、「この空間の、あるべき場所に音をひとつひとつ置いていく」「その空間は、目の前の現実と聞いてる者の心とがつながったもの」って感じ。
対してギターは、ストロークは「そんな空間を刻み取ってつくっていく」、リードギターのソロは「溶け込んでいく」っていうのかな。

そして早川氏の歌。
ごくごく個人的に、「嵐のキッス」は、毎度毎度すまんが、自分胸キュン禁止無限ループ地獄にずっぽり落ち込みました。中国にいたときもさんざんこの曲ではやられたんですわー。

同じ屋根の下で
暮らせないのなら
同じ空の下で
求めあいたい

奪うこともできず
捨てることもできず
恋をしていただけ
今も君に

同じ空の下で
もしも会えるならば
君の顔めがけて
嵐のキッス


ん。ほんまに。

今もやし。

「父さんへの手紙」もな。
おれも、1月に亡くした。

ねえ父さん、また母さんと一緒に花火を見ようね

うちの家からは、メリケンパークの花火大会がよく見えたんだ。
両親や、今は亡き叔父さん叔母さん、いとこ夫婦と子供、一族郎党が集まってたあの確かに存在したかけがえのない時間。

なめぴょんさんのだらしない涙線決壊。

それだけじゃないぞ。

大槻ケンヂカバーの「人間のバラード」のエモーション。
「H」「パパ」→親子ほど年の離れた不倫!のどすけべえ。

そして、伝説のジャックス名曲「ラブ・ジェネレーション」での、前のめりに身体をがくんがくん揺らしピアノを叩きまくる早川氏。衝動の投げっぱなしジャーマンスープレックスな佐久間氏のギター。

ロッケンローーーーーーール!!

15分の休憩はさんで2時間半、プレシャスな時間でした。

この異人館では「塩屋音楽祭」と題して定期的にいろんなライブが行われています。
阪神間在住の方はぜひ一度体験を。

次は煮込みごはん食うぞー。

ありがとうウオッカとオウケンブルースリ。
ありがとうルメールと内田博幸。

確かに1番人気と2番人気の組み合わせ、いやいや買い足した押え馬券だ。(オウケン流し)
配当10.2倍で、儲けは6200円だ。
6200円をバカにしてはいけない。外盤が3枚も買えるねんぞ。
なによりも

3年11か月ぶりの当たりです

ぼくはもう大人なので、単勝3万とか5万とかいう世界からは足を洗ったのさ。

問題はこの馬券換金するのにまたウインズに行かなあかんこっちゃな。
Live Acoustic Tour 2006

¥749
Amazon.co.jp

2006年のアコースティックツアーのライブ盤。
アフィリ画像貼ってはみたが、たぶんわしが日本アマゾン在庫の最後の一枚を買ってる。
マリアのギターとピアノのみの演奏に、もう一人の女性コーラスが加わる。尚、ブックレットのおばちゃんふたりの観光写真はテレビ東京(大阪)の旅番組の風情を醸し出してなごみ度が高い。

このライブにも「ザラついてひび割れながらまっすぐに伸びていく声」がたっぷり詰まっている。
MCもけっこう収録されていて、半分もわからんが、とにかく親密な雰囲気はよく伝わってくる。
きゃっきゃとよく笑うマリアはけっこうおきゃんというか、しゃべりだが可愛いらしいおばちゃんである。
ローン・ジャスティスのカントリーロック再演は、昼間にお日様の光をたっぷりすいこんだふとんのような日向の匂い。

最終曲のクレジットが「Backstreets」だったので、もしやと思ったがその通り、まさかのスプリングスティーンカバー。
これがもう、知り合い全員の襟首つかんで「聞け」と叫んで回りたいものすごさ。
間違いなく、これまで数十曲聞いたスプリングスティーントリビュート、カバー曲の中で最高のものである。

あるやわらかい荒れた夏 ぼくとテリーは友達になった
ぼくらが生まれてきた炎の中で 呼吸をしようと無駄な努力を重ねて
郊外をヒッチハイクしながら 固い絆を誓い合い
打ち捨てられた古いビーチハウスで眠り ひどい暑さに消耗していった
裏通りに身を隠し 
裏通りに身を隠し
辛い愛と挫折にさいなまれながら
夜の裏通りでぼくらの生を駆け抜けた

絶望した恋人たちがクルマを駐める
ストックトンズ・ウイングの砂浜の暗闇でスローにダンスし
ぼくらはデューク・ストリート・キングの最後の生き残りたちと座っていた
車の中でひしめきあって身体を丸め
ぼくらのすべてを解き放ってくれるはずの
夜の奥深い中心から鳴り響いてくる鐘の音を待っていた
裏通りを走るために
裏通りを走るために
ぼくらは誓い合った ぼくらはいっしょにこの裏通りで永遠に生きるのだ


鮮烈なイメージと行き場のない感情が爆発していくこの曲を、マリアは含羞と後悔と思いの大切さが入り混じった声で歌っていく。
ザラつく声は取り返しのつかなさを、やさぐれて正しく伝える。
ひび割れていく声の、ひとつひとつのひび割れの隙間に思いが溜まっていく。
ピアノからは、原曲でぐるぐると無限ループし続ける感情をくるんでいた、そこにないはずのハモンドの響きが確かに聞こえてくる。

エンディング、スプリングスティーンと同じように執拗に、何度も何度も繰り返される
Hiding on the backstreets
のシャウト。

この曲の主人公は結局、「裏通りに身を隠す」存在でしかなかったのだとしても、
7分かけて訴えたことがそれだけだったのだとしても、
ロックが人に届けるものの中には、冷徹な自己認識というものがある。
マリアの声を聞いて時に感じるいたたまれなさ、身を切られるような感じの理由はそこにあるのかもしれない。
でも、そんな「一人っきりで立ってる感」は、「他者」をひどく惹きつけるのだ。
なめぴょん史上最も美しい女性ロッケンローラーは誰かというと、年代的なすりこみがあるのは確かだが、

日本代表: パッセンジャーズの大野美樹さん
米国代表: ローン・ジャスティスのマリア・マッキーさん


この二人に決まっているのである。
なお、リアルに接してきた女の子の好みでいうと、ムネ・タイラー(c)みみずさん および ボーイッシュ&ショートカットドキドキ にはげしく限定され、上の二人とは傾向が異なる。

マリアさんは今も現役。
まず85年、21歳の彼女がどれだけ愛らしかったか見ていただこう。



登場してきた頃のローン・ジャスティスは、確かに「アメリカン・ロック」の希望の一つであった。
この曲はトム・ペティの作。ディランがコメントを寄せていたような記憶もある。
ニック・アダムズが川のほとりで朝食の目玉焼きを焼く時の、まっさらなサラダ油が鉄板の上で跳ねまわっているようなイノセンスのほとばしり。
この1stアルバムは今でも思い出したように取り出して聞くのだけど、パンクの性急さとカントリーの詩情が若いマリアの、ザラついてひび割れながらまっすぐに伸びていく声に乗ってみずみずしさを失わない。

2ndでマネージャー、レコ会社サイドは仕掛けを打った。メンバーをほぼ入れ替え、ラジオ受けのする「王道ロック」な音作りを狙ってきたのだが、1stの清冽さは失われ、どこか焦点のあわない大仰で凡庸なロックになっていた。アルバムチャートの100位内にちょっとだけ顔を出して、バンドは解散。マリアはソロへと転向した。

その後のマリアはふっ切ったように自分にとって必要な音だけを鳴らし続けている。
イギリスで突発的にヒットしたこともあるがチャートとは無縁。
でもロック者にとって米のように長く聞き続けられる音楽は、ブランクはあっても07年の最新作まで途切れることなく発表されている。

たぶんたった一度の来日公演は93年か94年だったと思う。
デニス・ホッパーが撮影したジャケットのアルバム後のツアー。
心斎橋のクアトロで見た彼女は、客席の女の子が「可愛い・・・」と息をのむほどの、ほんとうにお人形さんのような美しさだった。
その頃の、ヴァン・モリソンのカバー曲。



96年頃らしい、代表曲「Life is Sweet」



年齢を重ね、体型と容色も変わっていきながら、それでもワンピースでギターをかき鳴らすことはやめない。ただ、やれることをやっていく。
続けていくことの困難さなど、そのうち誰もが気づくのだ。
イノセンスなんていうものも、みんなそれなりに持っていたんだ。それは特権でもなんでもないんだ。
だから形を変えていくものを、そのときの自分が最も必要とするやり方で、どう表していくか。
それができているところに「信頼」があるんだと思う。

2008年、最新の弾き語りライブから。
彼女が18歳の時に書いて、90年代初めにイギリスのフィアガル・シャーキーに提供したNo.1ヒットのセルフカバー。07年の最新作「Late December」での再演も良かった。
顔、だいぶ丸くなったが、まだ続いてる。



マリアのアルバムはアマゾンでも入手困難なものもあるようだけど、自信をもってお勧めします。

Lone Justice

¥789
Amazon.co.jp

Maria McKee

¥686
Amazon.co.jp

You Gotta Sin to Get Saved

¥1,795
Amazon.co.jp

Late December

¥1,146
Amazon.co.jp

さて昨夜神戸ウィンターランドでの木村充輝+泉谷しげるライブについて書こうと思うのだが、その後のばいちゅうで脳細胞が粉々に破壊されており、順を追ったレポートは不可能になっているので思い出せる限りの断片をバラバラと。

●木村氏は開始後2曲目から酒をやり出し、途中泉谷に取り上げられるシーンもあったが、おっちゃんがいったんステージを降りると再び飲みだしてそれは最後まで続いた。

●歌ってない時の木村氏はまじりっけなしの「あたたかく見守られる保護対象」「みんなからおにぎりをもらって生きていく人」なのであるが、ギターが鳴って声が出た瞬間に小屋の空気と色が一変する。
それは「天然」とかいうある種上から目線な言い方とはまるで違う、「芸」の力である。
カッティングの中から確かに弦やオルガンの響きが聞こえるギター、限りなく音楽の完成形に近づきながら、デカさ、塊り感で踏み外していくMAXIMUMを持った声、これがただの天然などであるはずがない。

●木村氏はエレキギター一本。泉谷もエレアコ持って、盟友藤沼伸一のリードギターが加わるという編成。
 木村ソロ、共演(お互いの曲をそれぞれやる)、泉谷ソロ、共演、木村ソロ、アンコール共演っていう構成だったと思う。尚、アンコールは「いったん下がるのもめんどくせえ」という理由により、客を代弁して泉谷自身が舞台上から宣言することにより開始された。

●泉谷+藤沼のギター2本のみによる演奏が素晴らしかった。
コードを押えておいて、右こぶしで弦の根元をどついていく泉谷。エレアコで増幅され、ベース+ドラムをまとめて表現するビートが打ち出されていく。
そこに加わっていくストローク、藤沼のリード。

アコギだけだけど、演奏の背骨にロックンロールのビートがしっかりとある。
いや、ハナっからロックンロール以外のものを演るつもりがないのだ。

「春のからっ風」の、♪誰が呼ぶ声にから表情とビートを変えて刻まれていくストローク、ぞくぞくする。

●最後は3人そろっての「野性のバラッド」、客を煽り立たせ、コール&レスポンスを強制しやり直しをさせ(泉谷さん、おれはちゃんと歌えてましたよ!)、ペットボトルの水を口から噴射しまき散らすというやりたい放題だった。まちがいなくなめぴょんライブ参加史上最高齢の客層にモッシュまでさせていた。

できてなかったけど。

木村氏も、ふわっと飛んでいた。


終演後の撮影会。

Maximum!!

Maximum!!
ハンター坂のウィンターランドで元憂歌団木村充輝+泉谷しげるちゃんというものごっつい豪華だけどよくわからないジョイントライブを2時間半観たあとに、とうとう12年にわたるお勤めを終えて日本に戻ってきた前ボスの慰労会の二次会at元町の中国人カラオケなめぴょんさんはママの初恋の人そっくりらしいのだけどなぜか外大生のロシアむすめバイトつきに参加し、焼酎水割りをチェイサーにして50度のばいちゅうのむというハードな一日だった。

しんどいので詳細は、記憶が失われてなければ明日に。