私が最近惹かれている人は、戸籍上は女性です。

でもその人が向かうお手洗いは男性用です。


私の兄はFTM(トランスジェンダー)で

身体も戸籍も女性から男性へ変えました。

わたしの惹かれるその彼は男性ホルモン注射のみで、

手術はしてないので戸籍は女性のままです。

今のところ手術をする気は無いそうです。

FTMの人で全てを終えた人、

その予定の人にしか会ったことがない私には新鮮でした。

何のカタチにも当てはまらない、ひとりの人間、

彼という生き方に興味を持つ以外なかったのです。


私は生まれてからずっとノンケ(ストレート)です。

ただ精神的に少し男性を見下しがちです。

けれどもちんぽが大好きです。

私の部屋には沢山のちんぽオブジェに包まれています。

快楽としては勿論のこと造形としても心から愛でています。


兄の影響もあり人一倍、性差別に

嫌悪感を抱いて生きて来たつもりです。

けれども私の性嗜好で彼らを傷つけかねない事は、

うすうす感じてはいました。

1番の味方でいたいのに、私が1番の敵なんじゃないのかと。

だからなんだか怖かった。


私にとって男ってなんだろう?

ちんぽってなんだろう?

愛ってなんだろう?

私はまんこを愛せるんだろうか?

ここ数日はずっとそんな疑問で頭がいっぱいでした。

でもね、ちんこまんこじゃなく、

ひとりの人間として彼を受け止めたいとも思いました。


夜が訪れました。

身体がどうの関係なく、

私は彼を気持ち良くさせたいと思えました。

と言っても経験不足で自己満足でしか無かったですけどね。

年中砂漠女の私とは正反対の彼の身体は

とっても可愛かったです。

それと同時にやっぱりちんぽって大好きだなあ~とも思いました。


この話にゴールはまだありません。

私自身、何を選択するのかはまだ分かりません。

決断するには時間が短過ぎるから。

ただ私は彼らを知らずうちに弱者と決めつけていました。

きちんと自分の性とセックススタイルに向き合って

誇りを持っている人達です。

もしかしたらノンケの私達よりもずっと。

それを身をもって感じました。

だから私も自分の好きなものは好きだと

胸を張って伝えるべきなんだよね。

私だって軽い気持ちでちんぽを愛でてきた訳じゃない。

傷つけるかも知れない、

という考え自体が相手を軽視していたように思います。

真面目に向き合ってきた人から、目を逸らすのは違う。

心からの敬意を持って、誠実に、正直でありたいです。

そして目の前の彼を少しずつ知っていきたいです。


多くの人が各々の望む性のカタチで満たされますように。

この世には色んなカタチがある事を認め合えますように。

互いにリスペクトできる社会でありますように。



photo by Derek Ridgers