遺伝子組換えアルファルファ、ダイズ及びトウモロコシの第一種使用等に関する審査結果についての意見・情報の募集(パブリックコメント)について
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/120706_1.html
(農林水産省 平成24年7月6日)
農林水産省は、遺伝子組換え農作物の隔離ほ場での栽培や一般使用に関する承認申請(アルファルファ1件、ダイズ1件及びトウモロコシ3件)を受け、生物多様性影響評価を行いました。学識経験者からは、生物多様性への影響がある可能性はないとの意見を得ました。これらの結果に基づいて生物多様性影響が生ずるおそれはないと判断しました。
これらの審査結果について、国民の皆様からのご意見をいただくため、本日から平成24年8月4日(土曜日)までの間、パブリックコメントを実施します。
1.背景
(1)遺伝子組換え農作物の安全性評価
遺伝子組換え農作物は、食品としての安全性(厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課が担当)、飼料としての安全性(農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課が担当)、栽培等を行う場合の環境への影響(生物多様性への影響、農林水産省消費・安全局農産安全管理課、農林水産技術会議事務局技術政策課及び環境省自然環境局野生生物課が担当)に関し、それぞれ法律に基づき科学的に評価を行っています。
(2)遺伝子組換え農作物の生物多様性に対する影響評価
遺伝子組換え農作物の栽培等に当たっては、我が国の野生動植物に影響を与えないよう、「カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号))」に基づき評価を行っています。
野外で栽培等を行う「第一種使用等」については、農作物の場合、(ア)試験的に使用する「隔離ほ場での栽培」、(イ)食用・飼料用としての輸入、流通、使用、栽培などの「一般使用」、に大別されます。こうした第一種使用等を行う者はその使用等に関する規程(第一種使用規程)を定め、これを農林水産省及び環境省に申請し、承認を受ける必要があります。
(3)審査及び審査報告書
農林水産省は、遺伝子組換え農作物の審査・管理の能力や透明性及び科学的一貫性を向上させるため、審査・管理の標準的な手順をまとめた「遺伝子組換え農作物のカルタヘナ法に基づく審査・管理に係る標準手順書」(平成22年8月31日公表。以下「標準手順書」といいます。)を公表しました。
(標準手順書) http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/c_data/sop/index.html
遺伝子組換え農作物の第一種使用規程の承認申請の審査の結果等については、標準手順書に基づき、審査の結論、審査の概要等から成る、より分かりやすく科学的な審査報告書としてまとめます。
(4)今回の申請
今回、下表の作物について、カルタヘナ法に基づき第一種使用規程の承認を受けるための申請がありました。
(ア)隔離ほ場での栽培についての申請
作物名
新たに付与された形質
開発者による識別記号(区別のための名称)
申請者
アルファルファ■※1
低リグニン
KK179
日本モンサント株式会社
ダイズ
除草剤メソトリオン耐性
除草剤グルホシネート耐性
SYHT0H2
シンジェンタジャパン株式会社
(イ)一般使用についての申請
作物名
新たに付与された形質
開発者による識別記号(区別のための名称)
申請者
トウモロコシ
乾燥耐性
チョウ目害虫抵抗性
コウチュウ目害虫抵抗性
除草剤グリホサート耐性
MON87460×MON89034×MON88017
日本モンサント株式会社
トウモロコシ
乾燥耐性
チョウ目害虫抵抗性
除草剤グリホサート耐性
MON87460×MON89034×NK603
日本モンサント株式会社
トウモロコシ
乾燥耐性
除草剤グリホサート耐性
MON87460×NK603
日本モンサント株式会社
(5)本件に関する審査
これらの審査に当たっては、カルタヘナ法、標準手順書等に基づき、生物多様性影響評価を行いました。学識経験者からは、承認申請のあった第一種使用規程に従って使用した場合に、生物多様性への影響がある可能性はないとの意見を得ました。■※2
生物多様性影響評価検討会総合検討会の議事録等については、こちらからご覧ください。
平成24年4月24日開催
http://www.s.affrc.go.jp/docs/commitee/diversity/120424/sidai_120424.htm
これらの結果に基づいて生物多様性影響が生ずるおそれはないと判断しました(資料1~3)。
これらの資料については、ホームページ上(電子政府の総合窓口(e-Gov))にて掲載しております。こちらからご覧ください。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550001587&Mode=0
また、これらの資料は、農林水産省 消費・安全局 農産安全管理課においても配布しております。
2.意見・情報の募集
これらの遺伝子組換え農作物の第一種使用等に関する審査結果について、生物多様性影響に関して国民の皆様からご意見を募集します。
(1)期限
平成24年8月4日(土曜日)(郵便の場合は当日までに必着のこと)
(2)提出方法
次の(ア)から(ウ)までのいずれかの方法でお願いします。
(ア)インターネットによる提出の場合
以下のアドレス(電子政府の総合窓口(e-Gov))に掲載しております「意見公募要領」のPDFファイルより送信可能です。 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550001587&Mode=0
(イ)郵便による提出の場合
宛先:〒100-8950 東京都 千代田区 霞が関1-2-1
農林水産省 消費・安全局 農産安全管理課 組換え体企画班 河野 宛て
(ウ)ファクシミリによる提出の場合
宛先の番号:03-3580-8592
(3)提出に当たっての留意事項
提出の意見・情報は、日本語に限ります。また、個人は住所・氏名・性別・年令・職業を、法人は法人名・所在地を記載してください。なお、提出いただいた個人情報については、お問い合わせの回答や確認のご連絡に利用しますが、個人や法人を特定できる情報を除き、公表する場合もありますのでご了承願います。
郵送の場合には、封筒表面に「遺伝子組換えアルファルファ、ダイズ及びトウモロコシの第一種使用等に関する審査結果についての意見・情報の募集」と朱書きいただきますよう、また、ファクシミリでお送りいただく場合は、表題を同じくしていただきますようお願いします。
なお、電話での意見・情報はお受けしませんのでご了承願います。また、いただいたご意見に対する個別の回答はいたしかねますので、その旨ご了承願います。
意見・情報の募集は、環境省においても同時に実施されております。意見・情報は農林水産省又は環境省のいずれかに提出いただければ、両省において考慮されることとなりますので、同じ意見を両省に提出していただく必要はありません。
3.今後の対応
農林水産省及び環境省では、今後、ご提出いただいた意見・情報を考慮した上で、本件の承認を判断することとしております。
参考
(1)カルタヘナ法に基づく第一種使用規程が承認された遺伝子組換え農作物一覧(作物別、承認順)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/c_list/pdf/list02_20120529.pdf
(PDF:71KB)
(2)学識経験者名簿
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/c_data/pdf/12049-1.pdf
(PDF:143KB)
(3)遺伝子組換え農作物の使用等に関連する制度
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/c_data/pdf/other_insti_tution.pdf
(PDF:11KB)
― お問い合わせ先 ―
消費・安全局農産安全管理課
担当者:高島、河野
代表:03-3502-8111(内線4510)
ダイヤルイン:03-6744-2102
FAX:03-3580-8592
■参考
※1 アルファルファとは、和名ムラサキウマゴヤシ(紫馬肥やし)というマメ科の植物で、食用にすると健康食品にもなるらしい。日本の土壌では生産に適さず、アメリカでは生産されているとのこと。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1
※2 詳しくは次の記事を参照願いたいが、簡単に言うと、グリホサート除草剤という強く薬剤を散布しても大丈夫なように、耐薬品性の高い大豆を遺伝子組み換えによって作る。これが、いわゆるGMO(Genetically Modified Organisms)大豆である。これを、グリホサート除草剤を散布しながら育てると、大豆以外の雑草の除去に手間のかからない方法で、大豆を栽培することができる、という仕組みのようだ。
グリホサート除草剤の毒性分類は、その経済的な利点が考慮されてのことなのか、実験で確認された毒性よりも、故意に低い毒性として分類されている、とのこと。
■遺伝子組み換え/クローン食品 南米を襲う遺伝子組み換え大豆と枯れ葉剤
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201101060905584
(日刊ベリタ 2011年01月06日09時05分)
アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルにわたって遺伝子組み換え大豆の栽培によりすさまじい事態が起きている。モンサント社の除草剤によってベトナム戦争で多数生み出された出生障害に類似したケースが続出している。実態調査を発表しようとしたら、組織的な暴力団に暴行を加えられ、アムネスティ・インターナショナルが真相究明を要求する事態に。遺伝子組み換え大豆は何をもたらすのか、国際的な科学者のチームが共同で調査を発表した。これはその紹介である。(日刊ベリタ編集部)
報告書『持続可能? 責任ある? GM(遺伝子組み換え)大豆』
翻訳: 金克美(KIM Keukmi)/TUP
国際的な科学者のグループは、遺伝子組み換えラウンドアップレディー大豆(訳注、除草剤ラウンドアップに耐える大豆)の栽培とグリホサート除草剤の使用による健康と環境への危険を詳述した報告書を発表した。
報告書『 持続可能? 責任ある? GM大豆』[1]は、アルゼンチン政府の科学者、アンドレス・カラスコ教授[2]による新しい研究に注目した。彼はグリホサートが農業散布で使われるよりもかなり少ない投与でカエルとニワトリ胚の奇形の原因になることを発見している。
「実験室での実験で、妊娠中にグリホサートにさらされた幼児の奇形のケースと一致するデータが得られた」とカラスコ氏は述べた。
ブエノスアイレス医科大学分子発生学研究室のディレクターであり、アルゼンチンの科学技術研究所(CONICET)国民評議会の主任研究員であるカラスコ氏は新しい報告の共著者である。この報告書はGM大豆の栽培によって生活が根本的に破壊されているアルゼンチン村民の証言と共に発表される[3]。
アルゼンチンとパラグアイでは、GM大豆の産地に住んでいる医師や住民がグリホサートの散布により、不妊、死産、流産、癌のみならず、高い出生異常を含む深刻な健康への影響を訴えている。新しいレポートで集められた科学的研究によって、グリホサートに曝されることと、早産、流産、癌、DNAおよび生殖器官の細胞にダメージを与えることとが関連していることが確認された。
アルゼンチンの大豆生産地の住民は、GMラウンドアップレディー大豆の最初の本格的収穫から2年後の2002年から問題を報告し始めたと、カラスコ教授はいう。「私はグリホサートの毒性分類が低すぎることを疑い、……いくつかのケースでは、これは強力な毒になると思われる」と述べた。
住民はまた農作物への被害や小川に散らばる死んだ魚など、グリホサートによる環境被害のケースを報告している。これらの事象はグリホサートが環境に有害であることを示すこの報告書の研究によって裏付けされている。
アルゼンチンのGM大豆農業モデルに反対する科学者や人びとは検閲や嫌がらせ受けている。アムネスティ・インターナショナルは、2010年8月に農村ラ・レオネサで彼の研究の話を聞きに集まった人々を襲った組織的暴力団による暴力的攻撃についての調査を要求している。
「責任ある」大豆?
報告書『 持続可能? 責任ある? GM大豆』は、GM大豆栽培が持続可能であり、除草剤グリホサートが安全だという企業側の主張に挑戦する。「責任ある大豆の円卓会議(RTRS: the Round Table on Responsible Soy)という大豆に関わる他分野の関係者(ステークホルダー)による大豆栽培についてのフォーラムが 2011年に開かれるが、同会議は大豆が人びとと環境に考慮して生産されていると良心的大豆流通業者や消費者を安心させる「責任ある」大豆ラベルを自主的に開始する[4]。つまり、グリフォサート散布した遺伝子組み換え大豆を「責任ある大豆」としてラベル表示するというのだ[5]。
RTRSメンバーにはADM、ブンゲ、カーギル、モンサント、シンジェンタ、シェル、BP社などの多国籍企業と、WWFとSolidaridadなどのNGOが含まれる。
遺伝子組換え食品と作物に反対する運動をしているグループ、GMWatchのクレア・ロビンソンは「グリホサート農業モデルで作られたGM大豆を持続可能で責任のあると呼ぶことは悲惨な茶番劇である」と述べる。
「RTRS基準は、新レポートに示されている遺伝子組み換え大豆とグリホサートの健康への危険から人々を守ることができない脆弱なものです[6][7]。」
「RTRSはまた、GM大豆の単一栽培(モノカルチャー)による深刻な社会問題を無視しています。以前は人びとの食糧を栽培していた土地が、有毒なGM大豆の単一栽培に明け渡され、暮らしと食糧安全保障は失われました。」
「200を超える市民社会組織は、企業のグリーンウォッシュ[訳注:環境保護に配慮するふりをすること]だとしてRTRS基準を非難しています[8]。いまやRTRSの責任あるメンバーがこの信用を失ったRTRS基準を放棄する時です」
ヨーロッパには年間に3800万トンの大豆が動物の飼料として輸入されている[9]。 GMを給餌された動物から作った食品でも、GM食品のラベルをつける必要はない。
EUで大豆に許容されるグリホサートの最大残留基準値は20 mg/kgである。カラスコ教授はその約10倍低い2.03 mg/kgのグリホサートを注入した胚に奇形を発見した[10]。大豆には17mg/kgまでの濃度でグリホサートが残留していることが判明している[11]。
オリジナル英文:
http://www.gmwatch.org/component/content/article/12479-reports-reports
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この報告書は英語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語、中国語で読むことができる。上記のページからたどることができる。
出典・注
1. Antoniou, M., Brack, P., Carrasco, A., Fagan, J., Habib, M., Kageyama, P., Leifert, C., Nodari, R., Pengue, W. 2010. GM Soy: Sustainable? Responsible? GLS Gemeinschaftsbank and ARGE Gentechnik-frei. Download from: http://bit.ly/9D9J2k
2. Paganelli, A., Gnazzo, V., Acosta, H., Lopez, S.L., Carrasco, A.E. 2010. Glyphosate-based herbicides produce teratogenic effects on vertebrates by impairing retinoic acid signalling. Chem. Res. Toxicol., August 9. http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/tx1001749
3. Interviews in English and Spanish and photographs available here: http://bit.ly/cLCZpD
4. Marks & Spencer. Tackling deforestation. http://plana.marksandspencer.com/we-are-doing/sustainable-raw-materials/stories/86/
5. The RTRS Standard can be downloaded from the RTRS website, http://www.responsiblesoy.org/
.
GM soy is treated the same as non-GM ? see p.i.
6. La Soja Mata (Soy Kills). Against “Responsible” GM soy: reply to Solidaridad, WWF. http://www.lasojamata.net/en/node/289
.
7. GM Freeze. Thirteen Reasons Why the Roundtable On Responsible Soy Will Not Provide Responsible or Sustainable Soya Bean Production. May 2010. http://www.gmfreeze.org/uploads/13_reasons_rtrs_final.pdf
8. La Soja Mata (Soy Kills). Statements against the 3rd RoundTable on Responsible Soy. http://lasojamata.iskra.net/node/110
9. Cert ID. Cert ID Certified ‘Non-GMO’ Soy Meal and Other Soy Products: Volumes Available from South America. Porto Alegre, Brazil, July 14, 2008.
10. FAO. Pesticide residues in food ? 1997: Report. Report of the Joint Meeting of the FAO Panel of Experts on Pesticide Residues in Food and the Environment and the WHO Core Assessment Group on Pesticide Residues. Lyons, France, 22 September ? 1 October 1997.
11. FAO. 2005. Pesticide residues in food ? 2005. Report of the Joint Meeting of the FAO Panel of Experts on Pesticide Residues in Food and the Environment and the WHO Core Assessment Group on Pesticide Residues, Geneva, Switzerland, 20?29 September. FAO Plant Production and Protection Paper 183, 7.
About the authors and publishers of GM Soy: Sustainable? Responsible?
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オリジナル(英文):
http://www.gmwatch.org/component/content/article/12479-reports-reports
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GMWatchは英国を本拠にした遺伝子組み換え問題に取り組むNGO