膵頭がんステージ2B。
ステージ2でも、
手術できない方もいるらしい。
母の場合は、手術可。
しかし、門脈にガン腫瘍が絡んでいたらしく、
そこの外科手術の難易度が上がるのか、
若い外科医はしきりに、
「なんとか剥がしますから、任せてください。」と、
笑みを浮かべて、少し興奮気味だった。
難易度コースを前に、アドレナリンが放出された、
何かの挑戦者かのように。
「手術しなければ、半年持ちません!」の次は、
これなのか。
姉も、私も、手術には躊躇していた。
主要臓器を取り除いてしまったら、
運動不足、筋力不足の母の身体は、
結局衰弱していくのではないか。
なんとか、手術せずに、
がんを小さくしていく方法はないのか。
代替療法も、試し続けていたものの、
結局、効くのかどうかもわからないまま、
それを信じて治療を続けていくには、
患者本人が、自分で選び、覚悟をしなければ、
返ってストレスとなり、身体的なしんどさが
増すだけなのかもしれない。
外科医の興奮を前に、
切除して、がんの不安がなくなることに
希望を見出してしまうことも、
仕方のないことなのかもしれない。
癌が見つかった本人にしか、その不安や恐怖は
わからないのだ。
手術を選んだ母。
西洋医学を半ば目の敵にしていた姉。
娘の重度の食物アレルギーを経て、
薬に頼らない生活を目指してきた私には、
姉の意見も十分理解できた。
それでも、やっぱり、これは、母の人生なのだ。
手術を選んだ母をただ支えていこうと、
心に決めたのだった。