福島原発から空気中に放出されている放射線量が落ち着きを見せている一方で、海に垂れ流されている放射能汚染物質や、農地やその他の土壌、植物などに、蓄積されている放射能汚染物質が、大きな問題としてクローズアップされてきました。海では海藻、貝類、魚類などが確実に汚染されてきています。

福島原発から海への放射能汚染物質垂れ流しは、止めることができていませんから、今もまだどんどん海は汚されつつあります。

海水中に放出された放射能汚染物質は、食物連鎖によって、海藻や移動量が少ない植物プランクトンに吸収・濃縮され、次にこれを食べる貝類や甲殻類(エビ・カニ)、さらにこれらを食する小型魚類、最後に大型魚類へと、次々に捕食され、そのたびに身体に蓄積され、どんどん放射能汚染物質の濃度が濃くなっていきます。

そして、最後にそれを食するのが、私たち人間であり、海産物に目がない日本人なのです。

政府は広い範囲での海洋調査をほとんど行なっていません。その理由はこれまでの動きを見ていれば明らかなように、国民のパニックを恐れているのです。

事故から早くも3か月が経とうとしていますから、関東以北の太平洋側の魚介類の身体には、かなりの放射能汚染物質が蓄積されつつあると考えたほうがいいでしょう。

陸上と同じように、海にもホットスポット的に、一部の魚種あるいは特定の海域の魚介類で、特に蓄積量が多くなったりすることが予想されます。

これらを「安全だ」と言い切るには、出荷するすべての魚介類を検査するしかありませんが、それははっきり言って無理です。

政府の定めた暫定基準も、根拠がはっきりしていないので、安全かどうかもわかりません。

こうなると、身を守るには、こういう食品を口にしないということしかりません。

以前から何回か申し上げてきていますが、老人がこれらの食品を食べても、ほとんど影響が出ません。問題になるのは、これから子供を作ろうという人たちや、妊婦、子供たちです。

大震災直後、福島原発で2回にわたって水素爆発が起こった時点で、関東を含めた広い範囲に大量の放射性物質が降り注ぎ、そこにいるすべての人たちがかなりの量を体内に取り込んでしまっています。

その上さらに、今後、毎日のように
飲食物を通して、放射性物質を身体に蓄積していくことは、自殺行為にほかなりません。


それでは、わが身やわが子を守るためには、どうしたらいいのでしょうか。西日本へ疎開するのがいちばんですが、それができない場合の対処法です。

まず、口に入るものは、なるべく外国からの輸入品に変えます。

ミネラル・ウオーターを初め、肉類や冷凍野菜は外国産のものが比較的入手しやすいと思います。

ミネラル・ウオーターについては、硬水のものはお腹をこわすことがあるので、なるべく軟水にしましょう。

問題は卵や牛乳ですが、これは西日本産のものをネット通販などで入手するようにしましょう。魚介類も今なら、西日本産のものでも大丈夫です。

野菜は一部のものを除くと、近場から来ているのが普通です。葉物やイモ類は、極力東日本産のものは避けましょう。お米は今年の秋からは、西日本産のものが入手できるように、農家のネット直販など、ルート作りをしておくのがいいです。

今後、塩、醤油、味噌などの調味料類も西日本産がいいでしょう。

問題の魚介類は、今のところ、関東以北の太平洋側の海藻や貝類、それに丸ごと食べられる小魚類は、絶対に避けましょう。

今後汚染海域が拡がってくると、関東以南の太平洋岸や日本海側でも問題が出てくることでしょう。

輸入物なら大西洋に面した国々のものですが、それほど多くは流通していません。一部の干物やマグロぐらいでしょうか。タコはアフリカ産が多いようです。

寂しい限りですが、日本の食卓から、ゆくゆくは水産物が激減しそうな気配です。

ただし、「若くない」みなさんは、若者の分まで、大いに東日本の肉や野菜、牛乳、卵、それに魚介類をたらふく召し上がってください!

相変わらず、「何ミリシーベルト以下なら問題ない」、「低ければ低いほどよい」などと、いわゆる専門家の意見は割れています。一般的に「東京大学」の先生方は「問題ない」派が圧倒的に多いようです。

いったい、誰の言うことを信じればいいのでしょうか。これまでの議論を見る限りでは、誰にも正解はわかっていないのでしょう。

というのも、症例があまりに少ないからです。日本では2回原爆が落とされ、数十万人もの人々が死傷しているわけですが、そのときはあくまでも核爆弾であり、今回のケースとは余りに異なっていますし、チェルノブイリの時には、ソ連という鉄のカーテンの内側でもあり、事実は闇の中で、はっきりしていないことが多いからです。

さらに症状が遅れて現れるために、どこまでが放射性物質の影響か見極めることが大変難しいということも、大いに関係していると思います。

ほとんどの専門家が主張しているのは、放射性物質による影響は、ほとんどの人に共通して現れるのではなく、「確率的に現れる」、つまり、白血病などの病気になる人もいれば、ならない人もいて、その確率は放射線の強さによって違ってくるということです。

言い方を変えれば、楽観的な専門家の主張は「1万発入るピストル」で、厳しい見方をする専門家の主張は「1000発入るピストル」で、20年後、30年後に住民全員でロシアン・ルーレットするようなものなのです。

実際にはこのピストルが100万発入りか10発入りか、いつみんなで自分の頭に向けて引き金を引いていくのか、それすらわかりませんが・・・

「じゃあ、どうすればいいのか!?」

政府や自治体の指示に従っていればいいのか。自分で判断して行動を起こせばいいのか。

結論から言うと、あなた自身が決めるしかないと思います。

例えば、あなたが80歳以上であれば、飲食物に神経質になったり、慌てて避難したりする必要はないでしょうが、生まれたばかりのお子さんがいらっしゃる場合、じっくり検討する必要があるでしょう。

たいして気にせず、これまで通りに生活するか。日々の生活に最大限の注意を払うことにするか。子供だけでも遠くに疎開させるか。家族みんなで疎開するか。

家に蓄えが全くなく、突然家族全員で遠方に疎開したところで、生活していけませんから、あらゆる要素を考慮して、どういう行動を取るべきなのか。

ひとつお勧めするのは、すべて紙に書いて考えるということです。

様々な専門家の意見、わが家の状況、仕事や経済面での問題、家族全員の考え方、などなど、考えられるすべてのことを大きな紙の上に書いていき、それらに点数をつけて合計してみるのもいいでしょう。図で表してもいいでしょう。それを見て総合判断するのです。

どのような結論を出したにせよ、その紙は捨てないで保管しておきましょう。次の機会に同じような検討をするとき、大きな助けになるはずです。

どこかのドラマでよく聞く台詞に、「神は、乗り越えられない試練はお与えにならない」というのがあります。思いもよらなかったこの緊急事態。この台詞を忘れないようにしましょう。

それから、最近は忘れられがちですが、さらなる大地震への備えもお忘れなく!

中国・東北地方というと、戦前戦中の言い方を用いれば旧満州です。イメージからいくと極寒の地ではないでしょうか?

確かに寒いです!

ハルビンなどロシア国境に近いところでは、マイナス30度近くまで下がります。北海道の内陸部とほぼ同じくらいですが、昼間でも気温があまり上がらず、北海道以上に寒いところもあります。

私が選んだ最終避難地は、東北地方でも最も南の方に位置し、海からも遠くないので、厳冬期の最低気温はせいぜいマイナス15度程度です。

「充分寒いじゃないか!」

とおっしゃるかたも少なくないことでしょう。

市街地の住宅では、毎年11月頃から3月頃まで、一斉に地域暖房が入ります。ほぼすべてがスチーム暖房で、家の中は玄関からトイレまで、半袖でも充分なほどの室温に上がります。もちろん暑過ぎれば、自分で調整ができます。

極寒の中でも、露天の市場は開かれており、そういうところに買物に出かけるときは、さすがに寒いですが、タクシーが安いので移動に利用すれば、そんなに寒さを感じることはなく、私は東京の家に戻ってきたときのほうが、ずっと寒く感じるほどです。

いま、日本では安くて高機能の冬用下着もありますから、これを身につけていれば、東京の人でも充分に外出に耐えられます。帽子やマフラー、手袋は冬の必需品です。

問題は地域暖房が入る直前と、切れた直後のしばらくの間です。この時のために、エアコンや電気ストーブなどの用意が必要となってきます。正直、この時はかなり寒いです。

なお、毎年暖房が入る前には、部屋の面積にあわせて暖房費が徴収されます。賃貸住宅では普通家賃に含まれているので、最初の契約時に確認する必要があります。


夏、クーラーがほしくなるのは、せいぜい2~3週間です。昼間は暑くても、夜になると涼しい風が吹きぬけ、熱帯夜も年間数日しかありません。


中国では夕食後の散歩を日課としている家庭が実に多く、春から秋の8時頃になると、多数の家族連れが三々五々出てきて。楽しくおしゃべりしたり、ちょっとした買物をしたりと、日本の昔の風景を想い出させてくれます。

また、一年中、早朝の公園などには、暗いうちから老人たちが繰り出し、日本でもお馴染みの太極拳や、社交ダンスの輪ができたり、ペットの小鳥を自慢しあう姿がよく見られ、こちらもほのぼのとした雰囲気を醸し出しています。

四季を身近に感じられる人間らしい生活は、中国のほうに残っているのかもしれません。