憂鬱なことは世の中にはたくさんある。

小さいものから大きなものまで(ヤンマーのCMみたいだ)。

本作は九つのちょっと憂鬱なものについて、謎解きをする。

のだが。

果たしてこれはミステリーと言っていいものかどうか。

もしかしたらそういうこともあるかもしれないが、スッキリお悩み解決、ではない。

かえって謎が深まってしまった。

 

勤め人の私にとっては、「保存しないままファイルを閉じる」の回は面白かった。

思い出したのは産休に入るわずか10日ばかり前。

パソコンがピーとかプーとか鳴って、ブルースクリーンになり、全く起動しなくなったこと。

システム担当部署に確認したら、「あー……」「寿命です」「クラウドに上げていないデスクトップのデータは救えません」とのこと。

これもきっと、憂鬱の原因となる何らかの現象と関わりがあるに違いない。

これで納得した…とはならないが。

 

「ジャンケンでいつも負ける」も憂鬱だ。

藤子・F・不二雄の短編集に出てきそうな話だった。

 

くだらない憂鬱さといえばまあそうなのだが、本人にとってはやる気を削ぐ原因となることがたくさんある。

本書で考え方を変えるもよし、ぐずぐず悩むのもまた楽し。

さて、個人的にもう一つ解決して欲しいことが二つある。

なぜ朝のニュースの占いは天秤座がいつも下位なのか、そして仮に上位の時に限って憂鬱なことが起きるのか。

水瓶座とか、牡羊座とか優遇してない?!