図書館では子供向けとして棚に並んでいたが、大人が読んでも知らないことも多く、非常に面白い本だ。

本書の「はじめに」でも書かれていたが、現代では「暗号」を使うことで個人情報を守っている。

例えばクレジットカード情報などは暗号化して送られている。

現代の社会活動に欠かせない「暗号」を知ることで、暗号の面白さと難しさ、そして大切さを学ぶことができる。

 

本書は暗号の歴史、近現代の戦争と暗号、さまざまな暗号、暗号の作り方の四つのパートに分かれている。

ヒエログリフ、この文字は、世界史で登場するロゼッタストーンや解読者であるシャンポリオンと共に超有名な文字である。

実は日本語と同じように右から左、左から右、縦書きもできてしまうそうだ。

今はあまり見なくなってしまったが、右から左という書き方は少し前の日本では当たり前の記載だった。

現代では「ターャジス」トラックに残っていたが、最近は「スジャータ」記載に変わってしまったらしい。

ヒエログリフに話を戻すと、いろいろな書き方ができることで、その言語を知らない人にとっては暗号とも言える。

確かに海外の旅行先ではその国の言語がわからないと全く何を言っているのかわからない・・・

 

戦時中のエニグマ暗号、旧日本軍の暗号などはもっと詳しくしると新しい発見があるだろう。

しかしネットの情報を鵜呑みにすると、すぐ「真実」という名の嘘や陰謀論に騙されてしまうので、よく確認を。

 

点字や手話、ギャル文字などコミュニケーションの道具を「暗号」としたことについては賛否あるかも知れないが、

著者はそれらを揶揄しているのではない。

言語であるが、そうした使い方もできてしまう、あるいは使われた過去があることを踏まえての紹介であるので、

本書をきっかけとしてコミュニケーションのあり方を模索したり興味を持ったりすることは決して悪いことではないように思う。

言葉から生まれた「暗号」。

とても身近で、興味深い。