『怖い絵』と比べてしまうと、こちらに軍配は挙げられない。

というのも、私は絵画を語る本において、カラー図版を本当に楽しみにしているからだ。

本書は残念ながら全てモノクロ。

表紙の「オフィーリア」だけが唯一のカラー。

ネットで調べれば、図書館に行けば、カラーズ半なんてゴロゴロあるだろう。

美術館に行けば本物にだって出会えるだろう。

でも......そこまでの手間をかけずに、解説と絵画を同時に楽しみたくて本を手に取るんじゃないか、と言いたい。

 

さて、内容に移ろう。

「明日の神話」の類い稀なる遍歴に様々なことを思う。

本作を語る中で、アート集団Chim↑Pomが登場する。

個人的には彼らのアートを私は好まないしが、岡本太郎の志は姿を変え、世代を超えて受け継がれていくのだろうと思えた。

 

「ホロフェルネスの首を斬るユディット」は男性への復讐だと著者は述べる。

それほどまでの情念が込められている、と。

そうだろうか。

体力的にも、地位的にも、男性より下位に見られ、そう扱われてきた恨みは首を斬るぐらいではすまないと思うが。

著者はこの絵画を見て、「男ならぞっとするだろう」というが、女なら、すっとするかも。

ワケありな名画 ワケありな名画
1,295円
Amazon