信じるものは救われるか
こんなとき、あんな本

 悩む力 姜 尚中

 宗教とは「個人が属している共同体が信じているもの」だった。
共同体の生き方そのものですから、そこに生きる人にとって疑問の
余地のない説得力を持っています。
ゆえに「私はなにを信じたらいいのか」という問い自体が生まれて
きません。

 現代は「何をするにも、何を信じるのも自由」である。
が、これがつらい状態をつくっている。人生とは、自分がどうすべき
なのか選択さざるをえない瞬間の集積であり、それを乗り越えていく
ためには、何かを信じて答えを見つけなければなりません。

 自分を信じるしかない、
「一人宗教」的に自分の知性を信じるしかない。
そのために、自分でこれだと確認できるものが得られるまで悩み
つづけることだ。

 何のために働くか、私とは何か、人間の知性とは本来どうあるべきか、
等など、人は人生のテーマを、それぞれに悩み(考え)続けることだと
姜さんは言っています。