わかりやすい文章を書く
事実を伝える文章(その2)

 事実を伝える文章とは、状況報告書、結果報告書や議事録などです。
このような報告書や議事録では、簡潔で的確な情報をタイムリーに提供
することがねらいとなります。
それには、事実を5W2Hで書くことです。いつ、誰が、何を、どこで、
なぜ、どのように、いくらで、が抜けてないか確認することです。

 これを踏まえ、報告書作成のポイントをまとめると。

 ①報告書の書式があるときは、それに従う
  主題・宛先・日時・文書番号・発行者名/所属・報告事項
  文章量はA4 1枚がベスト、長くても1.5枚
 ②報告相手にとって重要な点から先に書く
 ③客観的事実をありのまま簡潔に書く
  (聞きたいのは事実、君の意見ではない)
 ④自分の意見(推測・判断)を述べるときは、客観的事実と区別して、
  別項目に書く
 ⑤引用した資料の出典など、情報の出所を明らかにする
 ⑥本文の理解を補助資料は、必要に応じ添付書類とする
 ⑦長文の報告書の場合は、要約を冒頭につける
 ⑧必ず、読み返す(数値の確認、誤字・脱字のチェック)

 ③の補足:ここに自分の意見(推測・判断)を交えない
     客観的事実だけを相手に伝えることを第一義とする。

 同様に、議事録作成のポイントをまとめると。
 ①議事録の書式に従い書く
  会議名、日時、場所、出席者、議事内容
  (a.主要な内容、b.決定事項、c.検討事項/AI)、次回予定)
 ②議事録は速やかに書く
 ③作成した議事録は出席者に送付し、議事内容に確認する
 ④確認後、出席者と関係者に送付する

 ①の補足:議事内容のb、cが大切、何を、誰が、何時までに、
  を明確に書く。(AI:Action Items 次回までやるべきこと)

 会議の種類と本文の記述事項の整理して置きます。
議事録を書かないようなものは、会議と呼びません。

 ①決定するための会議:
  案件に対し意見交換して意見を一致させ、決定する会議
  →決定したこととその理由及び主要な意見を書く

 ②伝達のための会議:
  情報伝達を目的で提供した情報への質疑応答が主となる会議
  →伝達事項と主要な質疑応答を書く

 ③課題や課題の答えを検討・求める会議:
  出席者が意見交換し、より良い答えを見つける会議
  →検討した内容と理由

 ④進捗報告会議:
  進捗の計画/実績の差異を示し、差異の要因と回復策を報告する会議
  →主要な差異、要因、回復策

 報告書や議事録は、書式があれば、それに従って書くのがわかりやすい
文章構成となります。
それは、どこに何が書かれているかを読み手が知っているからです。
また、書式には、過去のノウハウが集約されています。

 ビジネス文書の場合、宛先・日時・タイトル・文書番号・発行者名・所属
は必須と心得てください。
このどれが欠けていてもダメです。

 責任の所在を明記した文書を書く、これがビジネスパーソンの責務です。

推薦図書&参考文献:
心を伝える技術 國分 康孝