わかりやすい文章を書く
書く前に(その1)

 文章を書くのは苦手だ。
上手い方法はないかと思っている人いませんか。

 実は、私も苦労しました。
それで、書きかたのテクニックを学ぶべく、
「日本語の作文技術」本多 勝一、
「文章読本」 丸谷 才一、「日本語練習帳」 大野 晋、
「私家版 日本語文法」 井上 ひさし、
「考える技術・書く技術 Pyramid principle」 バーバラ・ミント
 川崎 康司訳などなど読みました。

 でも、ある時、テクニックを学ぶ前にもっと大切なことがあることに
気が付きました。
それは、伝えたいことは何か、読み手が誰か、を明確にすることでした。
 
 ここでは、そんな視点を入れて、わかりやすい文章の書きかたを述べて
いきます。

 前半は、書きかたの心掛け、後半は、書きかたのテクニックです。
「心を伝える技術」 國分 康孝 を基に進めていきます。

 國分さんは、人間がこの世界で生きていくためにはお互いに助けたり
助けられたりという協力の姿勢が必要だ。
そのためには、気持ちをやりとりするスキルを持つことだ。それが
コミュニケーションである。

 コミュニケーションとは、気持ちをやりとりする(=自分の心を他人に
伝える)こと。
心を伝えるとは、「事実」、「感情」、「思考」を伝えること。
文章表現は、コミュニケーションをとる一つの手段である。

 従って、読み手にとって分かりやすい文章とは、「事実」、「感情」、
「思考」を、曖昧さをなくして表現することだということです。

 よくある「文章の書きかた云々」の本とは違った視点での文章の書きかた
のヒントが示されています。

 ここからが始まりです。

 書く前に
これから書こうとする文章のねらいを意識する

 文章を書くときには、自分は何を伝えようとしているのか。
そのねらいを意識し、そのねらいを達成するためにはどうすれば良いかを
考える。

 文章のねらいとは、何か。
事実を伝える文章なのか、説明してわかってもらう文章なのか、
説得する文章なのか、感情を伝える文章なのかを意識することです。
文章のねらいを明確にしたら、そのねらいを達成する書きかたをすればよい
のです。

文章のねらいと達成要素は、以下のようになります。
・事実を伝える文章を書きたいなら、事実を具体的に書くために5W1Hで書く
・説明してわかってもらう文章を書きたいなら、具体例を入れて書く
・説得する文章を書きたいなら、事実と論理の2つを踏まえた文章を書く
・感情を伝える文章を書きたいなら、自己開示をして書く


推薦図書&参考文献:
心を伝える技術 國分 康孝