俳句旅行のこつのこつ

俳句旅行のすすめ 江國 滋
 旅に出たときの俳句の作りかたが解説されている。
国内外旅行時のエピソードと句が記されている。
ふむふむ、なるほどねと、分かりやすく参考になります。

 紀行文に俳句を織り込む「おくのほそ道形式」とでもいう
表しかたは、俳句独学法の有力なものではないかと思う。
その時の情景や感じたことを文にすることは、その諸々を
第三者にも分かるように脳内の情報を出力することになる。
書くことによって断片化したままの情報が整理編集される。
そうして、整理編集したものを脳へ再入力し、また出力する。
この繰り返しで、作品が洗練されていく。

 さて、著者は“俳句旅行こつのこつ”と題し、ノウハウを
公開してくれています。これは、そのままいただきましょう。

1. あらかじめ作ってでかける(予習)
2. あらかじめ季語と単語を抜粋、蒐集しておく(予習)
3. 移動ごとに一句というノルマを自分に課す
4. 不愉快な目にあったら「しめた」と思え
5. 退屈をどう詠むか(パック・ツアー時の移動・待ち時間を句作りに)
6. 一語が宝と心得よ(ひらめいた一語は捨てない)
7. 帰国後、日をおいてから改めて詠む(復習)
8. カメラを捨てよ(カメラに頼らない、カメラは補助的に使う)

どうやら、こつのこつは予習(上記1と2)、復習(同7)と
実践(同3)のようです。

「俳句旅行のすすめ」も絶版です、古本で手に入れてください。