琵琶湖のおもいで19
ザリガニガシャガシャ

 さてさて、琵琶湖の魚のエッセーもそろそろネタが尽きてお終いかな。
今まで書いてきた魚以外で、獲ったり見たりした魚を思い出し書き出して
みるとニゴイ、ヒガイ、ウグイ、ワタカ、縞ドジョウ、ヤツメウナギ、
ドンコ(かじか)、メダカなどがある。
しかし、文にするほど記憶に残っていることがない。
お魚さん、ごめんなさい。

これからは、お魚さんに限らず、諸々の琵琶湖のそばで暮らした記憶に
残る事柄を書いてみようと思う。

ザリガニガシャガシャ

 私の子供のころは、まだ日本ザリガニも少しいた。
薄い黄土色をして、ハサミも貧弱だった。

 釣りの対象はアメリカ・ザリガニで、これは赤黒く大きなハサミを持つ。
餌はスルメの足か、カエルの足。
竿は竹か小枝で、先に糸をつけ、糸の反対側に餌を縛る。

これをガリガニの目の前に落とす。ザリガニはハサミで餌をはさみ、
口へ持っていく。このとき、そっと竿を上げて釣り上げる。

ザリガニ釣りのときは、魚籠の代わりにブリキのバケツを持って行った。
釣ったザリガニはバケツに入れておく。そのうちに数が増えてくると、
はさみがバケツに触れる音がガシャガシャと聞こえてくる。
十分な釣果だと嬉しくなった。

 釣ったザリガニは、カルシウム補給にもなる鶏の餌になった。
小さいのは、釣果を確認して帰りに放していた。