琵琶湖のおもいで17
褐色のビワコオオナマズ

 舞子の浜で地引網をしていたのは小学校低学年頃まで
だったろうか、子供も手伝いか見に行った。網には、
多くの魚が入っていた。
大人も子供も、わいわいと賑やかな雰囲気だった。
ただ指揮をする漁師は大きな声を出し支持をしていて、
怖い人だと思った。
でも、手伝った人には魚を分けてくれてもいた。

 網本の大きなコンクリートの生け簀の中にいる
琵琶湖大鯰を見た記憶がある。隅に横たわる体長は長く、
色は褐色に近く、斑点模様もあったように記憶しているが
定かではない。

 地引網漁と同じようにほのぼのとした記憶にあるのが、
アユの追い持ち漁(追いさで漁)である。

 初夏の琵琶湖湖畔、大きな漁船、長い竹竿で作られた網を
持ちアユを待ち受ける漁師、長い竹竿の先に黒い羽根を
ぶらさげアユの巻を追い込む漁師が二人、遠目に見えてくる。
アイの追い持ち漁である。

 二人の漁師が巻を待ち受けている網へとアユの巻を徐々に
追い込む、追い込むや待ち受けた漁師は長い網をゆるやかに
上げる。網の中にはキラキラと輝くアユ。
そのアユを漁船の漁師がタモですくい、漁船の生け簀へ入れる。

 移動しながら、それを繰り返して進んでいく、緩やかな陽炎
の中の穏やかで華麗な漁の風景であった。

 浜辺で遊ぶ子供たちは、「追い持ちがきよったでぇ。」といって、
漁の邪魔をしないように、遠巻きに漁を眺めていた。