Self-helpしませんか
天は自ら助くる者を助く(その1)

 人生八十有余年(85年)、一般的なサラリーマンが仕事に没頭する期間を24~60歳
(37年間)と仮定します。総仕事時間は、74,000時間(2,000H/年 × 37年)
で、85年の総時間744,600時間の10%程度なのです。されど、この10%は人生の
ゴールデンアワーともいえる期間です。働き盛りの、この10%の総仕事時間を充実したものに
すると人生豊かになります。

 自己啓発、動機付けの第一歩には、「自助論」 サミエル・スマイルズ 竹内 均訳がよい
でしょう。原書-Self-help-は大英帝国の最盛期の1858年に啓蒙書として発行されました。
日本でも明治維新後間もない1871年(明治4年)に「西国立志編」として日本語訳版が
出版されました。

<天は自ら助くる者を助く> 以下引用
 自助の精神は、人間が真の成長を遂げるための礎である。自助の精神が多くの人々の生活に
根づくなら、それは活力あふれた強い国家を築く原動力ともなるだろう。(略)
 自助の精神はエネルギッシュに活動する人間に見られる特徴だが、それはまた常にわれわれ
イギリス人の優れた国民性でもあった。自助の精神がその国民全体の特質となっているかどうかが、
一国の力を見るときの正しい尺度となる。

 上記に続き、<自助の精神><忍耐><好機、再び来らず><仕事><意志と活力>
<時間の知恵><金の知恵><自己修養><素晴らしい出会い><人間の器量>の各テーマに
ついて、西洋史に名を残した多様な人物の努力のエピソードやことばを交え、自助の努力が
大切なことを述べています。
これこれの人物が、これこれの努力をして今の大英帝国の繁栄があると。

 この本は明治維新後、どのような国づくりをしようとする若者の心を捉え、「学問のすすめ」
とともに当時のベストセラーとなりました。有意の人たちの必読書だったのです。明治に活躍した
人たちの心を奮わせたのです。
その後も、列強の侵略から国を守ろうと政治・経済・科学・化学・医学・工業など各分野で学び、
国力増強を志す若者たちに読まれ、その心に火を灯し続けました。

さて、定年後の25年間、睡眠時間(8時間)と食事など必須時間(4時間)を除くと
109,500時間(15%)の余暇の時間があります。ゴールデンアワーの後には1.5倍
の時間が待っているのです。この時間を悠々自適、趣味や社会奉仕に使う「プラチナアワー」
とするためにも、今のSelf-helpが大切なのです。

以上の人生の時間配分の考え方と「ゴールデンアワー」、「プラチナアワー」のことばは、
昔の上司に教えられ、考えさせられました。

推薦図書&参考文献:
「自助論」 サミエル・スマイルズ 竹内 均 訳