わたしの10冊
あなたは、狼派でしたか・糞ころがし派でしたか

本を読んでいますか。最近読んだ本で心に響いた本はありますか。
今まで読んできた中でこれは良かった、感動したという本があると思います。
私はこのような本を「私の10冊」と位置づけてリストにしています。
理不尽さにぶつかったときや心がめげそうになったときに「この10冊リスト」は
力を与えてくれます。10冊リストの本のタイトルを思い浮かべると感動した場面や
言葉がよみがえり、心が明るくなります。

現時点での「私の10冊」を紹介します。

1. 天平の甍(井上 靖)
2. 問いかける青春(淀川 長治)
3. 唯脳論(養老 孟司)
4. 墨汁一滴(正岡 子規)
5. ピープルウェア(トム・デマルコ)
6. 田辺聖子の百人一首(田辺 聖子)
7. カウンセリングマインド(國分 康孝)
8. 坂の上の雲(司馬 遼太郎)
9. 運の研究(米長 邦雄)
10. ローマ人の物語(塩野 七生)

「天平の甍」は、中学生のときに始めて読みました。
鑑真は、55歳のときに戒律を与える導師として日本への将来を依頼されます。
以来、渡海を試みますが5回も風雨や難事に遭い失敗します。66歳6回目の航海で
渡日しますが、そのときは失明されていました。渡日後、律宗の戒壇を設け、戒を
さずけ多く仏弟子を輩出し、77歳で入滅します。

 招来の依頼を受けたとき、鑑真和上は4万人の仏弟子を持つ高僧でした。大唐帝国
から海の果ての未開の日本に行くことを弟子の誰もが尻込みします。そのとき、
「我なんど命惜しからん」といって日本で仏教が発展するためと自ら渡日を決断します。
他にも劇的な場面はありますが、この場面を想像するだけで勇気が湧いてきます。
明るく前向きに生きていくには、心が挫けそうなとき、いかに早く立ち直ることかなと
思っています。心に残る場面やことば-感動-は、立ち直りの良い薬になります。

ところであなたの少年・少女時代は、狼派でしたか、糞ころがし派でしたか。
私は断然、狼派。シートン動物記にワクワクしました。田舎育ちの少年にトンボや
クワガタならいざ知らず、逆立ちして糞を転がしていく虫の話(ファーブル昆虫記)
には興味をそそられませんでした。