iPod classic が無くなっていた | 今日も定時ダッシュ

iPod classic が無くなっていた

 今使っているiPod classicがヘタレてきたので、そろそろ買い替え時だろうか、今だと容量も増えて薄くなってバッテリーももっと長持ちして・・・などと考えておりましたら、iPod classic自体が無くなっていたという。

 今使っている奴は確か初代のipod touchと迷ってclassicを選んだので、wikiで照らしてみると2008年ごろ買ったんじゃないかと思う。その当時すら「classicという名前からすると・・・Appleってばこの型のiPodを無くす気マンマン」と思っていたのだが、いざ無くなってしまうと悲しい・・などという感情的な問題ではなく具体的に困る。

 今となっては自慢しようにも誰にも理解してもらえないのだが、ワタクシは初代のiPodを購入するほどのアーリーアダプターだったのだ。これは確か9.11のテロの影響で、直後のAppleのイベントが中止されたために発表の場が無くなってしまい、プレスリリースにて発表という不運な船出だった記憶がある。IT系のwebニュースでは「今更MP3プレーヤーなんて、アップルってダセェ」みたいな意見が多かったが、しかしワタクシはiPodの価値を正確に見抜いていた。

 音楽フリークとして音質が素晴らしいとか、Appleのオシャレな携帯機器を持ってる俺カッケー!とか、そんなもんはとてもどうでも良かったのだが、ただその「全ての音楽を持ち運ぶ」という一点のみ、ワタクシは「これはどえらい時代になったもんだ」と色めき立ち即購入を決意したのでありました。たったの5ギガで弁当箱みたいな厚さがあって(←現在の形と比較して)5万円もしたのだが、しかしそれでも「全部の音楽が持ち運べる」というコンセプトは魅力的だった。

 ウォークマン以降、カセットテープがMDになったりしましたが、iPod以前の旧人類はお出かけの際に「多分自分はこういう曲が聞きたくなるだろう」と当て推量で選んだアルバムごとのメディアを複数持ち歩いて、違うアルバムを聞きたくなったらいちいちメディアを入れ替えていたのだ。

 iPod以前にもMP3プレーヤーは出ていたのだが、USBスティックの32メガという感じで、メディアを持ち運ぶ労は無くとも、MP3プレーヤーに入っていない曲を入れ替えるのは、予めパソコンに接続してデータを入れ替えるという、ともすると複数メディア持ち以上の面倒を強いる作業ではないか。

 そういう作業が、予め自分のコレクションの中から吟味して明日の通勤ではコレを聞こうと色々考えるような作業が大好きな人もいるのだろうが、自分はそいういう手間を果てしなく面倒に思ってしまうタイプだった。しかも「明日の出勤で聞きたい曲」なんて心底どうでもいい、というか事前の計画を立てるというのが何にせよ苦手な性分なので、電車の中の暇つぶしごときに只でさえキャパシティの狭いアタマを使いたくない。

 そんなズボラ者にAppleがもたらした福音。「家にあるCD全部入れて聞きたい時に選んで聞ける」というコンセプトの素晴らしさよ。それこそウォークマン以降で初めて起こったパラダイムシフトだと思うのだが、それがなぜ「Appleが今更MP3プレーヤー ww」と受け取られてしまうのか。

 洗練されたインターフェイスで鳴らすAppleだけあって、沢山の曲を選んでアクセスする前提で設計されたホイールとボタンも過不足なく素晴らしい。初代のiPodはあのホイールがホントにクルクル回ってたんよ。数曲のスキップ程度ならポケットに突っ込んだiPodを手探りで操作できて、ホントに理に適った操作性だと今でも思う。

 しかしそういったiPodが切り開いたライフスタイルも過去のものになってしまった様で。今でも便利で使っているこちとらとしては勝手に過去にすんな!という思いもあるのだが、古いと認定したブツを切り捨てること風の如しもまたアップルならでは。iPod touchでもいいのだが、値段が上がってホイール無しの操作性悪し(あくまで音楽プレーヤーとして)、些細な操作で画面を見る必要があるのは個人的には改悪に見える。
  
 そういえばスマホ全盛のご時世、電車でイヤホン付けて音楽を聞いている人というのはめっきり減ったように思う。これは結局、iPhoneの機能にはあっても音楽を聞くことは不便になっているからだと思う。iPhoneはiPodどころではない暮らしぶりの変化をもたらしたが、音楽にしろゲームにしろ、バッテリーの持ちから月々の料金から、全てがそれまでに有る製品に比べて少しずつ使いにくかったり質が悪かったりと、器用貧乏の粋になっているように見える。しかし皆特にガマンしている様子もなく使ってるのだから、やっぱり自分は古いのだということを再認識してしまった次第。