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2011. 3.11

 

あの日、私は大学5年生。

ちょうど3ヶ月間の病院実習の最中でした。

 

「そのとき」が来たのはグループワークのために

高層階の一室に集合していたタイミングでした。

 

 

通学していた都内の大学の附属病院での実習だったので、 実習仲間も先生も身内の人間で、

 

しかも耐震設計が十分な真新しい病院にいたことは、本当に幸運だったと思います。

 

 

何事か、と思っているうちに避難の指示があり、

外に出ると学生達がわんさか。

 

みんな同じように訳もわからないといった様子で、

オロオロとしていました。

 

そのまま一斉帰宅となり、私も早々に

一人暮らしの部屋に帰りました。

 

 

昼夜問わず何度も

枕元の携帯からあの嫌な警報が鳴り、

 

一体いつ終わるのだろう‥と

不安な日々を過ごしました。

 

実習はもちろん再開されることなく、

終了となりました。

 

 

 

岩手県、宮城県、福島県‥

三陸地方の被害や現場の混乱、絶望は、

 

その日、都内で学生をしていた私には

想像が及ばないほど、

甚大だったのだろうと思います。

 

後に見たニュースで伝えられたのは

あまりに悲しい現実ばかりでした。

 

 

 

 

災害なんて二度と起きて欲しくないと

心から願うけれど、

 

そこから学んでいかなくてはならないことが、

たくさんあるんですよね。

 

未来へ命をつなぐ為に。

 

 

 

D先生が書かれた記事に、

改めて色々考えさせられました。

 

 

 

今もなお大きく残る爪痕と、

 

亡くなられた方々の悔しさ、

残された家族の悲しみに、

 

今宵は改めて手を合わせ、祈りたいと思います。

 

 

 

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さて。

 

本編へ戻ります。

 

 

 

 

丸々1ヵ月かけてトライした、今回の採卵。

 

8個見えていた卵胞から、

獲得できたのは、11分割の初期胚1個

 

 

 

受精結果の報告を受けて1週間。

 

採卵後診察へ行ってまいりましたヒヨコ

 

 

 

 

 

 

まずは、培養士さんとのお話。

 

 

前回は女性培養士さんでしたが、

今回は物腰柔らかな男性培養士さん、Mさん。

 

どうにか胚獲得できたからか、

前回のような重たい空気はありません。

 

 

Mさんは穏やかな口調で、

今回の結果について、とても丁寧に

一つずつ説明してくださいました。

 

 

3個採れた卵子のうち、2個はM1期。

成熟を待ったけれど変化が見られなかったため断念。

 

 

 

残り1個は最初からM2期の成熟卵

 

Polscope下(オプションで+3万円)での顕微授精を行い、

前核の確認は出来なかったものの、

 

その後分割が見られ、

3日目の昼頃に11cell グレード3にて凍結

 

という経過でした。

 

 

 

奇数である11分割での凍結

私的には良い印象ではなかったのですが、

 

胚の写真を見るとひとつ大きめの細胞があり、

それがまもなく分裂して

12分割になるところだったろうから、

まったく問題ない、とのお話でした。

 

 

 

グレードに関しても、フラグメントもそれほど

多いわけではないから、心配しなくて大丈夫と。

 

 

 

そして、前回10月の異常受精の反省をふまえて、

オプションで行ったPolscope

 

特別な顕微鏡で紡錘体を目視できるようにする事で、

紡錘体を傷つけないよう位置を調整して

顕微授精が出来るといったものです。

 

 

通常、紡錘体は第一極体のすぐ下にあることが多いため、

第一極体を12時の位置にあわせ、

3時の位置から針を刺すそうなのですが、

 

今回の私の受精卵はまさに、

2~3時の位置に紡錘体があったそうです。。

 

なので、Polscopeは大当たりでしたダーツキラキラ

 

何この図ったような展開、すごい。。

 

 

 

 

ちなみに、こういったことは

何度も続いたりするのか聞いてみましたが、

やはりそういったタイプもいるそうで、、

 

毎回問題なく顕微授精で成功できているなら

必要ないけれど、

 

 

私のように採れる個数も限られていて、

これまで顕微での異常受精があったりした場合には、

やはり毎回付けておいた方が良い、とのことでした。

 

 

 

 

 

全体的な評価としては、

 

 

『正常受精かどうかは確認出来なかったが、

 

その後も良いスピードで分割が見られたこと、

特に、培養3日目の朝に7分割だったものが、

昼には11分割まで進んでいたことは

評価できる結果であり、

 

正常受精の可能性が高いと思っています』

 

とのことでした。

 

 

 

※顕微授精の刺激によって異常受精であっても分割が進むことがあるので言い切れないそうですが、そういった場合は分割が遅く、2分割、3分割くらいで止まってしまうことが多いそうです。

 

 

 

 

 

ちなみに、Mさん曰く、

 

正常受精が確認出来なかったものは、

あえて胚盤胞を目指し、

 

そこまでいったら「あ、大丈夫そうだね」

といった判断にすることもあるそうなのですが、

 

 

Mさんが今回、

D先生にどうするか相談をしたところ‥

 

 

 

「凍結で!」って、

 

もう即 凍結で!」 って、言われました(笑)

 

なままさん、けっこう苦労してるから!」 って。

 

 

といったやり取りがあったことを

教えてくださいました。

 

 

 

なにそれ、Dせんせい、

めっちゃ好き…(ノД`)・゜♡

 

って、なりますよね、、

そんなの聞いてしまったら。笑

 

 

 

 

 

 

というわけで‥

 

 

M培養士さんと、D先生が守り抜いてくれた、

 

大事な大事な 1個 です。

 

 

もうそれだけで胸がいっぱいになりました(/_;)桜

 

 

 

 

Mさん、本当に良い方でして、

 

その他にも細かくツッコんだ質問一つひとつに対して

何度も画像を開いたり、メモに絵を描いたりと、

親切に解説してくださって。

 

 

「過去のクリニックでもこういった経緯で、未熟卵ばかりで、前核も確認できないことのほうが多くて…」

 

といった苦労話もしてしまったのですが、

 

うんうん、と我が事のように気持ちに寄り添って聞いてくださり、、本当に心が救われました。

 

 

 

 

私が30mmまで卵胞を育て採卵したことについては、この時に初めて知ったようで、

 

「こういった例はあまり見たことが無かったので驚きました!!」

と、リアルに驚かれていました( *´艸`)

 

 

 

そして、

 

「刺激方法もすごくカスタマイズしてもらっているようですし、先生も色々考えて下さっているんですね^ ^」と。

 

 

そうなんです、

だからD先生から離れられないんですよー…笑

 

 

 

 

 

結局、30分くらい、

たんまりとお時間を頂いてしまいました(´  `*)汗

 

 

「1個凍結できただけでも私にとっては凄い事です。

本当にこの度はありがとうございます。」

 

と、面と向かって感謝をお伝えできたので、良かったです。

 

 

 

 

培養士さんあってこその、生殖医療。

 

 

365日休まることなく、プレッシャーも大きくて

さぞ大変な役割だと思うけれど‥

 

尊い仕事ですクローバー心から尊敬しています。

 

 

 

またMさんにお会い出来るといいな。

 

リプロの良さをまた一つ知った機会となりました♪

 

 

 

 

 

 

 

さて。

 

そこから少し待ち、次は診察室へ。

 

 

いつも通りご指名させていただき、

待ちに待った、D先生とのお話です。

 

 

 

 

D先生、髪がさっぱりしてました(*´ω`*)イイカンジ♪

 

 

 

先生はまず、今回の胚について、

 

培養士さんが仰っていたのと同じように

順を追って説明をしてくださいました。

 

 

「11cell G3だけど、この大きいのが分裂すれば、12cell G2になるから心配いらないよ」とのこと。

 

 

0PNについては、

 

「ここまで早いスピードで進んでいるからそんなに心配する必要はないし、syngamyだから。」

 

と仰られました。

 

 

『syngamy』、あとで調べたら『融合』といった意味合い。

精子と卵子の核が融合した状態、のことを指すようです。

 

要するに前核2つが見えるタイミングとは

確認のタイミングがずれてしまっただけ、

 

という意味合いだと受け取りました。

 

 

 

私、薬剤師のくせに高校生物を途中までしか履修していないので、この受精や遺伝子のあたりホント苦手なんです…すいません。。

(理系進学組は物理&化学専攻が必須でした。物理もひどい有様で常に青点だったけど…笑)

 

 

 

 

 

ひと通り説明をしていただき、

 

「というわけですが、次は…移植にしますか?」

と聞かれたので、

 

 

「2個同時移植もやってみたいな、と思ってるのですが…」と答えたところ、

 

 

「まだ頑張れるなら採卵。」 

 

と、きっぱり仰られた先生。

 

 

 

先生にじーっと顔色を伺われている感がすごかったけど、、笑

 

「採卵でいきます!」とお返事しました。

 

 

 

いや、別に言わされたわけじゃないですよ(-ω- )

 

お金の心配さえなければ、気持ちとしては

あと何十回だって採卵できます、本当に。

 

 

採卵はまったく怖くない。

 

 

怖いのは頑張りが無駄に終わること、

 

ただそれだけですから。

 

 

 

 

 

 

 

先生に、今回の刺激スケジュールの総括をしてもらいたくて、聞いてみました。

 

 

 

先生は浮かない表情でしたが、

 

 

「今回は成熟卵が採れて胚が1個凍結できたから、72点くらいかな。

 

でも1個採れて良かったね、ということでもあるけれど、もうちょっと狙えたんじゃないかなと思う部分もあるから、総括するにも難しいところ‥

 

結局、過熟になっても卵子が採れなくなっちゃうから、もう1日早く採卵という手もあったのかもしれない。

 

 

でも、精一杯、とは言いたくないけれど、、

 

その絶妙なギリギリのラインで臨んだ結果としては、

まぁ良かったんじゃないかなと思います。」

 

といったように仰ってくださいました。

 

 

 

 

 

次の採卵スケジュールがどうなるかについては、

 

「あんまり方法を変えすぎても、また上手くいかなくなることもあるからね…」と。

 

 

 

いつもハッキリキッパリと意見を述べられる先生が言葉を濁されると、

 

自分がいかに難しい条件の中でやってもらっているのかを痛感しますね‥(;´∀`)

 

 

でもそれだけ丁寧に私の状況と向き合ってくださっているのだと、

 

ちょっとジーンとくる部分もあります。

 

 

 

 

 

今回、後半に卵胞がポコポコ増えてきていたので、

 

(ランダムスタート法で刺激開始のタイミングを後ろにずらしたら、もっと大きさ揃えられて上手くいくのでは‥?) との考えに辿り着いた私は、

 

 

 

「ランダムスタートで開始を遅らせつつ、

黄体フィードバック法というのは出来ますか?」

 

と聞いたのですが、先生は、

 

 

「出来るけど…

 

ランダムスタートといっても、

要するに排卵後に開始ってことだからね。

 

そうすると排卵させた卵が、単純に勿体ないよね。」

 

と。

 

 

 

 

たしかに…

低AMHにはもったいないガーン

 

 

そうなると排卵前と、排卵後で

2回採卵したら良いのでは?ってことになるけど、

 

それは前にも先生が仰っていたように、

あまり良い結果とならないし、

オススメ出来ないとのことでした。

 

 

 

 

 

変更するとしたら、

 

最初から強い刺激を入れるか…どうか。

 

最初に強い刺激をして、そこから減らしていくパターンもあるそうです。

 

 

 

でも私は過去クリニックで、最初からゴナール使った時は、採卵に行くまでの間に卵胞の成長が止まってしまいキャンセルとなった経緯がありました。

 

 

なので今回は、

 

もしかしたら徐々に刺激を強めていく方法が合っていたのかもしれないね、といった意見に、

 

先生も私もひとまず落ち着きました。

 

 

 

 

 

 

「でも、薬もなかなか高いの使ってるからね…」

 

と先生。

 

 

 

いやいやホントそうなんですよ、

苦しいんです先生、助けてください…(^ ^;もやもや

 

 

 

 

セトロタイドもゴナールもふぉりるもんも…

どんどん量は増えていくし、期間も長い。

おまけに顕微一択で、オプション付き。

 

 

 

あまりの費用対効果の悪さに、

 

領収書見るたびに

目ん玉飛び出てます…チーンガーン 笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、やっぱり。

 

 

思いました。

 

 

 

 

 

 

リプロで、結果を出したい。

 

 

 

 

 

 

 

こんなに前向きな気持ちで通院出来るクリニック、

なかなか出会えないです。

 

 

 

お世話になるスタッフさん、みんな本当に優しくて、

 

ずっと孤独だった治療が、

チームでの治療になった気がします。

 

 

 

精神面で支えてもらえることが

本当に大きな力になるのだと、

 

リプロに来てから

何度も、何度も、実感してきました。

 

 

 

治療費は高いけれど、

それに見合っただけの満足度は得られる。

 

少なくとも、私には。

 

 

 

 

私自身が納得のいく結末を迎えるためにも、

 

今、リプロで頑張ることは、

 

今後の人生に影響するほどに

大きな意味になると思う。

 

 

 

 

 

頑張って稼ごう。それしかない!!笑

 

 

 

 

 

 

 

 

D先生、最後に 「がんばってね」 

仰ってくださいました。

 

 

 

最近、なんとなく分かってきたんです。

 

 


 

あの一言は、

 

何々を頑張りなさい、って意味じゃない。

 

 

 


先生が、色んな想いをぎゅっと凝縮させた、

 

エールのかたまり。

 

 

そう。カメハメ波みたいな感じ、きっと!炎

 

↑ちがうかっ笑い泣き

 

 

 

 

 


 

でもほんと、そう感じるんです。

 

D先生から頂く一言は毎回、

波のように余韻となって心に残ります。

 

 

大切にしなくちゃなと思うんです(*´ `*)クローバー

 

 

 

 

 

今の時間を、今の気持ちを大切にしていけば、

 

 

どんだけくじけたって、

 

また何度でも、

 

立ち上がることができる。

 

 

 

 

 

 

心の真ん中に

 

帆を一本、しっかり立てたら、

 

 

強風だって、荒波だって越えてゆける。

 

 

 

そんな強さを、

 

私はD先生から頂いた気がしています。

 

 

 

 

 

 

 

先生の書く文章、力強くて、頼もしくて、

 

本当に素敵ですよね。

 

 

 

もっともっと評価されていいと

私は思うのですが‥ 如何でしょう真顔キラキラ

 

 

 

 

これからも、応援しています日本国旗

 

松林先生を超える日も

そう遠くないのでは…( *´艸`)!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リセットしたら、また採卵周期で受診します。

 

 

 

 

そのまま周期に入れるかは分かりませんが、

 

 

 

また一歩ずつゴールに向けて

 

 

心に風を受けながら

 

進んでいきたいと思います。