※以下、ネタバレを含んでいる場合があります。
さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ
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「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」著者:永田カビ
【あらすじ】
著者は、鬱病や摂食障害、自傷、円形脱毛症などを患っている。
アルバイトをしてもそのせいで長くは続かず、自分の居場所を見つけられないでいた。
親の存在を気にするあまり、性的対象や自分の気持ちをつかめずにいた著者は、誰かに抱きしめられたいという欲求を抱き、自分の壁を壊すためレズビアン風俗へ。
初のキスや性行為を女性と行い、予想していなかったコミュニケーションとしての性行為の難しさに驚く。
その後、自分が読みたい本は、人の秘密が書いてある本だ、ということを思い立ち、自分がレズビアン風俗へ行った体験を漫画にすることを決意する。
インターネット上で漫画を発表していくうちに、自分が何によって満たされるのか、ということに気づき、今まで心の大部分を占めていた、親の存在と決別する。
【感想】
一言で感想を言うと、正直なところ、「読むと鬱になる漫画」でした。
著者の実体験のため、体験が一つ一つリアルで、いわゆる”出来合いの”漫画のように人間同士のコミュニケーションがスムーズに進みません。
自分が傷ついた記憶、傷つけられた記憶をそのまま描いていて、まるで、過去の自分を癒やすために漫画を書きながら、今の自分と両親に復讐を果たしている、そんな漫画だと思いました。
勿論、そんな漫画を読んだ読み手も無傷では済みません。
自分の嫌な記憶が呼び出されてくるのか、それとも著者に感情移入しすぎているのかはわかりませんが、とにかく読みながら鬱になります。
しかし、読み終わったあと、最後の一章の後日譚が他の章に比べて明るく、終わり方が爽快なため、不思議と嫌いになれない一冊、という感じがしました。
一番、興味を引かれた部分は、「ラブホテルに入る時って女性同士でも店員さんに止められたりしないんだ」というところでした。
変なところに食いついてごめんなさい。