「生きたくない」いつもの口癖いつ死んでいいと思っていた。どれだけ頑張っても死んだら意味がないし、何よりやりたいこともなかった。学生時代に「先生なんで人は生きているんですか?」そう尋ねても先生は困った顔をしただけで何も答えはくれなかった。なんだかんだ死ぬ理由もないから死んでこなかったけどもういいやと自室で考えている毎日。気分転換に海に行った山にも言ったあらかた全部やったでもなんにも満たされない。その日は少し雲が多くて涼しく気分が上がっていた。「いいから自由にさせてください」そう叫ぶ女の人の声がいきなり柵から聞こえた。見ると清楚な感じの女性が三人ぐらいに囲まれている。「私は早くここから出たいんです!出して!」叫んでも意味がないのにと思いながら柄にもなく関わってしまった「どうしたんですか?」そう聞くと「君には関係ないから大丈夫だよ。ごめんね。」と囲んでいるうちの一人が申し訳なさそうに言った。「お願いします私を助けてください、、」そう懇願する女性に対してなぜか綺麗だなと思ってしまった。容姿的に綺麗という意味ではなく生物としてと言ったほうがよいのかわからないがなにか不思議なものを感じとってしまった。だけど私にはどうすることもできないし会社にも行かなければならなかったのでその日は特に何もしなかった。ただ休憩や家に帰ってからはたびたびそのことを思い出していた。次の日柵の向こう側を見ても誰もいかった。「やはりそうだよな私にはなんにも起こらない」そう口に出した瞬間だった「じゃあ私を助けてくれればよかったのに」驚いて見上げると柵の上に昨日の女性が柵に絡み付いていた。女性はそのあと恥ずかしそうに「今も助けてください、、降りれなくなってしまって、、」と言うもんだからすぐに建物の入り口に行き今の状況を説明した。しばらくすると女性が付き添いの人とやってきて「ありがとう」とただ一言言われた。付き添いの人に見えないようにそっとメッセージアプリのidを渡してきた。そこからは毎日が楽しかった。女性とのやり取りで年齢は二つ下で病気の関係で外で自由に遊べなかったらしい。だがもうすぐ退院になる時に外に行きたい気持ちが抑えられなくなってしてしまったのだという。彼女はとても探究心が強く私に色々なことを聞いてきた学校はどうだったか会社は?スポーツは?旅行は?となんでも聞かれた。次第に私は彼女に少しずつ意識していた。私は自分が与えれる人間必要とされている人間になれたことで幸福を感じれたのかもしれない。そしてそれができるのは私だけなのだとその傲慢さがよくなかった。彼女が退院してすぐはよく遊びにつれってていた。しかし彼女は持ち前の容姿や知識欲のおかげで人が多く集まるようになっていた。私と彼女は疎遠になっていった。自分の存在意義が失われたようなきがした。私じゃない誰でもそれができるのかと思った瞬間世界が前よりも一層どうでもよく見えていたことに気が付いた。果たして私は彼女に恋をしていたのか依存をしていたのかどちらだったのだろう。このさいどちらでも構わない私はようやく死ぬ理由が見つかったのだから。

はたしてこれは恋なのか依存なのか