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にしむら先生受験指導専門家
【中学受験塾比較】四谷大塚・早稲アカ・日能研・SAPIX(34分01秒)
こちらは2021年11月17日公開の動画です。
中学受験に必須。
ただ塾によって志望方針もカリキュラムも目指す学校も大きく違います。
「じゃあどの塾にするのか?」となった時にどの塾を選べば良いのか。
そんな塾選びの悩みを解決して中学受験を成功させるための動画です。
ご紹介したいことがいっぱいだったので6回に分けて、しっかりと紹介していきたいと思います。
第1回 2/21(月)特急まとめ編
とにかく急いで各塾の特徴をしりたいという方向けの超ざっくりまとめです。
第2回 2/22(火)四谷大塚
第3回 2/23(水)早稲田アカデミー
第4回 2/24(木)日能研
第5回 2/25(金)SAPIX
第6回 2/26(土)全部のせ編今日はここ
第2回~第5回までの記事を一気に載せます!長いです!
という感じでいきたいと思います。
塾選び、大事です
今回は全部のせです。
月曜日から金曜日にわたって紹介してきた内容を一気に紹介します。
なので、塾をお考えの方はここを読めば一気に4大塾+αが分かるという仕組みです。
それでは全部のせ編です
***
多くの学習塾はだいたい同じような歴史をたどります。
まず、多くの塾の中から頭一つ抜きんでた存在の塾が現れます。
これが第一段階。
つぎに、その塾が他の塾を圧倒する勢いで人気が出て、生徒が集まってきます。
そうすると教室が満席になってもまだ生徒が集まってくるので、校舎を増やしていきます。
そうなると力量のある講師が各校舎に分散していきます。
急いで採用した講師はもとからいた講師よりも指導力が劣ります。集まる生徒の学力層も広くなっていきます。
これが第二段階。
塾のブランド力が低下して、その他大勢の塾との差がなくなっていきます。
そうなると、そんな状態にたまりかねた元からいた指導力のある講師たちは、「自分たちで最高の塾を作ろう!」と独立するんです。
これが最終段階。
そうして独立した塾が多くの塾の中から頭角を表して人気が出て、校舎拡大展開になって‥‥というようにまた第1段階に戻る、という繰り返しなんです。
四谷大塚は、昔は最高峰の塾でしたが、その後急拡大して、入塾希望者の2人にひとりは入塾できる間口の広い塾になりました。四谷大塚は準拠塾も多いです。
そうして、かつての絶対王者の塾の座は、今や今回後で紹介するSAPIXに移っています。
ところがですね、そんな状況を四谷大塚は今年(2021年)から打開して巻き返しを図ろうとしているんです。
■四谷大塚
1954年設立の老舗中の老舗。
都内に住んでいる親世代には一番なじみのある中学受験塾ではないでしょうか。
コースは、
Sコース
Cコース
Bコース
Aコース
αコース
の全5コース制。
最大の特徴は完成度最強のテキストです!
最強のテキスト「予習シリーズ」は中学受験のバイブルと言われています。
「予習シリーズ」はその名前のとおり、予習として子どもがひとりで読んでも分かりやすいように解説が詳しいんです。
この「予習シリーズ」にもとづいて、テキストの学習カリキュラムと連動した「週例テスト」と約5週間に1回の「公開組分けテスト」の仕組みが非常によくできています。
※ちなみに四谷大塚が開催する6年生からの「合不合判定テスト」(通称「合判」)は、難関校から中堅校まで受験校選定の指標として信頼性が高いです。
この最強のテキスト「予習シリーズ」は改訂のたびに扱いづらくなっている…
多くのベテラン塾講師たちも口々に「前の方が良かった…」と言っています。
そしてさらに2021年小4のテキストから大幅に改訂、難関校向けに舵を切りました。
「改悪」という声が多いです。
20年前から最近までの四谷大塚のイメージを持たれている方は、四谷大塚は30年前の学力上位層向けの塾に変わろう、いや戻ろうとしているので、認識を改めた方が良いかもしれません。
四谷大塚は、予習をきちんとやってきて授業に臨む子とそうでない子の差が付きやすい面があります。
ここまでテキストを中心にお伝えしてきましたが、それは授業や講師にあまり特徴がないからでもあるんです。
穏やかな講師が中心の印象です。
2021年からAI(人工知能)を使ったタブレットやスマホを使った問題演習を開始して、後者によってはこれをかなり推しているようです。
AIが搭載されている学習プログラムなので、問題の正解・不正解の結果にふさわしい次の問題が表示されるというもの。
●●四谷大塚の特徴まとめ●●
目標校レベル:幅広い→難関校
授業スタイル:ややひらめき重視
保護者サポート:少ない
★にしむら的補足(独断と偏見入り)
四谷大塚を車に例えるなら…カローラ!
いや、これまでカローラだったんですけれども、大衆車からスポーツカーへというイメージですかね。
服に例えるなら、これまではユニクロだったんですけど、これからはグッチやプラダのハイブランド路線、といった感じでしょうか。
食べ物だったら、オリジン弁当、ほっともっとからデパ地下弁当へ。
動物だったら羊…の皮をかぶった狼になっていくといったところでしょうか。
★四谷大塚はどんな子におすすめか
SAPIX・早稲田アカデミーの雰囲気になじめそうもないけど、難関校は目指したい!
そんな子におすすめです。
以上「予習シリーズ」は受験生のバイブル!
老舗の四谷大塚の紹介でした。
■早稲田アカデミー
私が新卒で入社したのが早稲田アカデミーです。
1975年に早稲田大学大学院を修了した早稲アカの初代社長が作った「早稲田大学院生塾」から始まったなかなかの老舗です。これが「早稲田アカデミー」の「早稲田」の由来です。
20年以上連続して総計付属高校合格NO.1をとり続けているので、早稲田の附属や系列への進学に強いのは間違いありませんが、早稲田大学とも地名の早稲田とも直接の関係はありません。
開成高校の合格者も15年近く連続して全国NO.1なので、高校受験塾のイメージが強い方もいるかもしれませんが、中学受験合格実績も高くて、SAPIXに次ぐ位置につけています。
早稲アカは四谷大塚最大の準拠塾でもあります。
だから、メイン教材は四谷大塚の「予習シリーズ」を使っています。
カリキュラムも「予習シリーズ」に基づいた、テキストの学習カリキュラムと連動した「週例テスト」と約5週間に1回の「公開組分けテスト」の仕組みは四谷大塚と一緒です。
では、早稲アカは四谷大塚と何が違うのか?
それは、企業文化、講師の指導スタイルです。
よく早稲アカは「体育会系」ノリだと言われます。
でも新卒で入社して、社員研修からどっぷり早稲アカに浸かった私からしたら、「体育会系」ノリというのは訂正したいですね。
私の主観では、早稲アカは「体育会系」ノリではなくて、体育会系そのものです!
入社したその日の研修で「100m先に人がいると思って、その人にあいさつをし続けてください」と言われて、「おはようございます!」と声がかれるまで、いや、かれても叫び続けたのはいまだに忘れられない思い出です。
早稲アカ社員の行動4原則も指示されたら瞬時に答えられるように特訓されて今でも反射的に出てきちゃいます。
早稲アカの教育理念は「本気でやる子を育てる」です。
この本気でやる子というのは、講師が本気になってやる子を育てるのか、それとも、「本気でやる子」を講師が育てるのか、どちらの意味かは私も分かっていませんが、きっと両方の意味なんでしょうね。
本気でやる子には向いているけど、本気でやらない子には向いていない。
好き嫌いがはっきり分かれる塾だと思います。
早稲アカのEWBサイトの教育理念のページには、とにかく「力」という文字がたくさんでてきます。
「本気」とか「生き抜く力」とか「力」とか「全力」とか、そういうパワーワードが大好きな塾です。
早稲アカのあとに紹介する日能研を象徴するのが「Nバック」だとしたら、早稲アカを象徴するのは「必勝ハチマキ」ですね。
夏期講習や早稲アカ名物日本最大規模の夏期合宿、正月特訓、入試前の激励会で早稲アカ講師と塾生はハチマキをしめて、「絶対に合格するぞーーーー!!!!」って叫びます。
めっちゃ体育会系じゃないですか?
この「体育会系」というのが早稲アカを表す言葉で、それは指導法にも表れています。
宿題は生徒たちがやってこられそうな量の1.2倍くらいの量を出す感覚です。
「本気の本気を出せば、やってやれないこともない」といった感じです。
できる子もできない子も、徹底反復によって学習内容を定着させます。
反復トレーニングによって体に覚え込ませる感じですね。
ただ、演習量を増やして学習内容を定着させるという指導方針は程度の差こそあれ、大手チェーン塾の全体的な傾向ではあります。
校舎数の多い大手塾は、それだけ講師の人数も大勢必要になりますよね。
社会人だけでは手が足りないし人件費もかさむので、大学生アルバイトも戦力化する必要があります。
だから、演習量ではなくて、類稀な指導、教えての個性的な指導によって生徒のひらめきを重視するような指導ができる講師を育てるのは手間暇がかかってなかなかむずかしいんです。
そこで、大手塾では初めて塾講師をする人でも即戦力になるように指導マニュアルをシンプルにして、講師の指導力を平均的に底上げすることを優先せざるを得ないという事情があるんです。
まあ、そんな大手塾の中でも早稲アカには指導力の高い講師がいて、その講師の模擬授業を研修として受ける機会もあって、私の受験指導の基礎は早稲アカで学びました。
同時に早稲アカ流熱血指導が早稲アカ退職後、駿台シンガポール校の講師や香港校の教室長講師になった後も5年くらい抜けないで、今は勉強しない生徒に対して「そうだよね~、わかる~」とか言ってる私も、当時は宿題やらない生徒をめちゃくちゃ怒鳴りつけていましたからね。
早稲アカには怒鳴る講師、多いんですよね。本人は怒鳴っているつもりはないんでしょうけど。
「それがお前の本気か?そんなんじゃないだろう!」
「お前はもっとやれるよ。ほら、やれる!って言ってみろよ。
「一緒に言ってやるからさ、ほら、やれる!やれる!やれる!」
こんな感じで宿題をやってこない生徒や、確認テストの点数が合格点に満たなかった生徒を鼓舞して、授業後に半強制的に自習室に移動させて面倒をみる、といったようなこともします。
だから、親が家庭学習の管理をしないと授業についていけなくなるという可能性は比較的低いです。
小6になると、選抜試験によってえらばれた「NNクラス」という難関校突破のための講座が設けられているのも特徴です。
このNNクラスは各志望校別コースが主催する模試の成績がいいと参加資格を得られます。
NNクラスは早稲アカの看板講師が担当しています。早稲アカの中でも指導力の高い講師の授業が受けられるので、他塾からの参加生も多いです。
ちなみにこの「NN」というのは「なにがなんでも」の略で、このあたりのネーミングセンスもいかにも早稲アカらしいですね。
月謝についても触れておきましょう。
早稲アカの月謝は高額な小6私国立中学受験コースで45,210円、これはSAPIX小6の月謝59,950円よりも約1万5,000円も低いですよね。
でも、そんなふうに思っていると、あとで大変なことになりかねません。
ここからさらに、
テキスト代
テスト代
講習代
特別講習代
夏期合宿代
正月特訓代
など、どんどん乗っかってきますからね。トータルではSAPIXの費用を上回ります。
●●早稲田アカデミーの特徴まとめ●●
目標校レベル: 幅広い
授業スタイル: 量重視
保護者サポート: 少ない
★にしむら的補足(独断と偏見入り)
車に例えるなら…ダンプカー、ブルドーザー、装甲車!
大排気量、パワフルな車です。
服に例えるなら、特攻服。
特攻服のイメージが湧かない方は東京卍會、略してトーマン。あの人たちが着ている服を調べてみてください。気合で相手に突っ込んでいくイメージです。
食べ物に例えるなら、ラーメン二郎、かつ丼、特盛牛丼。
動物に例えるなら、競走馬、イノシシ、トリケラトプス、といった感じですかね。猪突猛進!
★早稲田アカデミーはどんな子におすすめか
体育会系のノリが好き。
お尻をたたかれないとがんばれないが、叩かれればがんばれる子。
がんばるのが好き。
がんばる集団でがんばって勉強するのが好き。
松岡修造が好き。
がんばるのが好き。
がんばるのがとても好き。
がんばるのがめちゃめちゃ好きな子、でしょうかね。
以上、四谷大塚最大の準拠塾、「本気でやる子を育てる」早稲田アカデミーの紹介でした。
■日能研
1973年設立。
規模は関西にも進出していますから、4大塾中最大です。
ちなみに関西系日能研は関東系と経営と方針も異なるので、今回は関東系日能研について紹介していきます。
日能研といえば、私、大学生の就職活動の時に、入社試験を受けに行ったんですね。
そして選考を進んでいったら、最終面接が社長の前で10分間何でもいいから話す、というものでした。
10分間社長は表情をまったく変えずに私の目を見続けるんですね。
そこで私は「子どもの関心を引き出す教え方TOP5」というテーマで即興プレゼンをしました。
ちょうど10分間でしたし、思い返すとあれが今私が配信しているYouTube動画の原点だったかもしれませんね。
で、もその時は余裕もないし、社長さんもにこりともしないので「あ、こりゃ落ちたな…」と思って、帰りに近くの新横浜ラーメン博物館にリクルートスーツのまま入って、今はなき六角家のラーメンを食べて気持ちを持ち返したのを思い出しました。
その後、日能研からは内定の通知を頂いて迷いに迷って「高校受験指導もある」という理由からすでに内定をもらっていた早稲アカに入社しました。
皆さんの日能研のイメージは、塾生が背負っている銀色のNマークが光るリュック、通称「Nかばん」、そして電車内の「シカクいアタマをマルくする」というユニークな中学受験問題を取り上げた広告ではないでしょうか。
日能研は現在は4大塾中最も間口の広い塾で、学力中下位層まで広く受け入れています。
逆に言えば、学力上位の子はSAPIXへ行きます。
日能研が四谷大塚や早稲アカと大きく異なるのは主に2点です。
ひとつは予習に対しての考え方。
日能研は予習を推奨しません。
宿題も四谷大塚、早稲アカに比べると少ないです。
宿題が少ないうえに、演習の繰り返しは多いのでカリキュラム進度は他の4大塾に比較するとゆっくりです。
1クラスの人数は多い方です。
でも日能研は、校舎ごとの運営方法の違いが4大塾の中でも大きいんです。
早稲アカも校長のカラーによって校舎の雰囲気に違いがあるんですけど、日能研はさらに校舎ごとの違いが大きいんじゃないですかね。
1クラス20人ぐらいの校舎や35人以上の校舎などまちまちです。
毎週1回、4年生は2週間の学習範囲の「カリキュラムテスト」、通称「カリテ」というテストがあるのは四谷大塚、早稲アカの終礼テストと同じですけれど、そのテストの結果によってクラスの前から成績の良い子がすわる席順が入れ替わるのが、日能研の伝統的な特徴です。
カリキュラムの進度は穏やかですけど、このテストの結果によって前から後ろに席が決められるという点は、競争心がある生徒向けかもしれません。
とはいっても、座席も校舎によって運用ルールが異なるので、一律に決まっているわけではありません。
日能研の四谷大塚、早稲アカとの大きく異なる点の2つめは、使用テキストです。
四谷大塚の「予習シリーズ」は見栄えのする配色、レイアウト、親切な解説が売りですが、日能研のテキストは黒一色で、面白みが感じられない形式的な説明なんですよね。
はっきりいって見にくいです。
生徒、保護者、講師からも否定的な意見が多くて、2020年から随時改訂、親しみやすさが増してはいるものの、理科・社会は特に予習シリーズに比べちゃうと残念な感じで独学はキツいものがあります。
日能研はWEBサイトも「20年目にタイムリープ?」と思えるような設計とデザインですからね。
あまり見た目に力をいれていないんでしょうかね。
書かれている考えは、4大塾のなかでいちばん教育的に思えて個人的には好きなんですけどね。
一方で、日能研の市販教材である、算数国語の「ベストチェック」と理科社会の「メモリーチェック」は古いんですけど出来がいいという塾講師からの声も多いです。
教える講師は他塾と比べて、わりと年配の講師が多い印象で穏やかな授業をするイメージですかね。
教室に監視カメラがついていて、本部にチェックされている教室も多いので、どこかの塾みたく怒鳴ったりできないんですかね。
また、進路指導をするスタッフが授業担当と別にいるのも特徴です。
私が早稲アカで指導していたときは「うちでは生徒を直接指導していてお子さんのことを良く分かっている講師が進学指導をします」と説明会で言うことで、日能研との差別化を図っていました。
日能研の授業料は、4大塾中最安値です。
学習のフォローもしてもらえるので、他塾や家庭教師と併用する塾生は今回紹介するSAPIXと比べるとかなり少ないようです。
●●日能研の特徴まとめ●●
目標校レベル: 難関校手前
授業スタイル: ひらめき重視
保護者サポート: やや多い
★にしむら的補足(独断と偏見入り)
車に例えるなら…ファミリーカー!
服に例えるならGUですかね。あ、いい意味でGUって言ってます。
食べ物に例えるなら、庶民でも入りやすい敷居の低さ、店舗によってメニューが異なる餃子の王将。
動物に例えるなら、親しみやすいワンちゃんやニャンコですかね、ペットの。
★日能研はどんな子におすすめか
中堅校を目指したい。じっくり考えたい。
少しでも塾代を押さえたい家庭です。
以上「Nカバン」が印象的、「シカクいアタマをマルくする」日能研の紹介でした。
■SAPIX
最後に紹介するのは、他塾を圧倒する合格実績を誇るSAPIX小学部です。
SAPIXは元TAP進学教室のトップクラスの講師が独立して作った塾で、1990年代以降、首都圏の学習塾で圧倒的な合格実績を出している「超難関校の登竜門」的な塾です。
TAP進学教室出身の講師たちが作ったので、TAPのS1~S6クラスがSAPIXのα1~α6クラスなどの名称や、小冊子タイプのテキストとして受け継がれています。
ところで、中学受験って私が子どもの頃は、小5の春から準備を始めるのが一般的だったんですよね。
それが今は小4の春から始めるのが一般的です。
それはSAPIXが小4スタートのカリキュラムにして中学受験勉強向きの子を早くから入塾させるようにしたのがきっかけなんですよね。SAPIXが急成長したきっかけでもあります。
そんなこともあって、現在でもSAPIXは当該学年よりもかなり先取のカリキュラムになっています。入塾前に予習をしておくことが望ましいです。
SAPIXのイメージをつかむのにわかりやすいのは、SAPIXを運営している株式会社ジーニアスエデュケーションの社名じゃないですかね。
ジーニアスは「天才」、エデュケーションは「教育」ですから、「天才教育」です。
ここで注意したいのは、天才「に」育てるのではなく、天才「を」育てる指導方針だということです。
私はSAPIXを「できる子」をさらにできるようにさせるエリート養成塾のように見ています。
授業は成績上位の生徒に合わせて進められているので、授業についていけない子が多く発生しているからです。
SAPIX最初の校舎であり最大の東京校なんて、1学年あたり15~20クラス、小6は30クラスもありますからね。
それでいて、そんなクラス数がありながらも、クラスにかかわらず使用テキストとカリキュラムは同じなんです。
だから授業では、学力上位クラスと下位クラスで扱う問題を変えます。
ただ、そうすると下位の生徒が塾の授業だけで上位クラスになるのは至難の業なんですよね。
クラスは「マンスリーテスト」や「組分けテスト」の成績をもとに入れ替えのタイミングがあります。
なんとかしてクラスを上げていきたいという意思の強い子には向いていると思いますし、そんなこと思わなくても授業を楽しんで受けているうちに自然とクラスが上がっていく子はもっとSAPIXに向いていると思います。
まあ、それくらい余裕がある子でないと、SAPIXが目指す御三家レベルにはなかなか到達できないんですけどね。
SAPIXも予習は推奨されていません。
というか物理的に予習できないんですよね。
テキストといっていいのかといった感じなんですけど、教材の「デイリーSAPIX」と「デイリーサポート」という単元別の小冊子が授業当日に1冊ずつ配布されるので予習できないんです。
この冊子の整理・ファイリングをしてくれるサービスをする業者もいますが、基本的に保護者の役割になります。
子どもにこの冊子の管理は無理があります。
そして、この冊子なんですけど、解説が少ないんですね。
2019年に5年生の改定はされて解説が少し詳しくなったものの、小6は改訂はされていません。
算数は解説が少ないどころか、まったくありません。
そしてSAPIXは「宿題」が出ないのも特徴です。
SAPIXでは宿題と言わないで「家庭学習」といいます。だから宿題はでません。
でも「家庭学習」ようとして渡されるプリントは膨大です。
あくまで「家庭学習」ようなのでやらなくても怒られることはありません。
ただ、家庭学習用プリントをやらないと、一部の天才以外は授業でならったことが身につきません。
プリントをやっていなかったからといって、早稲アカや日能研のように授業後に講師が付き添ってやりきらせるようなフォローもしません。
そうなると、いわゆる成績の伸びを期待されない、塾の売上に貢献するだけの「お客さん」状態になってしまうんですよね。
早稲アカだったら保護者が講師に電話して、「うちの子、家では自分から勉強しないので、塾で勉強するように言ってください」だなんて言おうものなら、すぐに講師が動いてその子のフォローに入りますが、SAPIXでは講師に相談しづらい雰囲気があると多くの保護者が言っています。
そもそも、クラス替えが頻繁に行われて担任も替わるので、生徒の顔と名前が一致しない講師も少なくないそうです。
という感じなので、SAPIXは中学受験に向いている子が、御三家をはじめとする最難関校を受験するための塾と言っていいと思います。
教材が教材なので、親のサポートも膨大です。
いや、親がサポートしようと思って教材をみても、解説は十分ではないので、教えるのが困難なんですよね。
講師がどのように授業をしているのかをみることも出来ません。
「防犯上の理由」ということから、授業見学NGなんですよね。
自宅でのオンライン対応授業の映像も親が見るのを禁じているということなので、防犯以外の理由がありそうですけどね。
そこで結局、SAPIXの個別指導部門のプリバートや、その他の個別指導塾、家庭教師にSAPIXの授業の復習を見てもらうというケースが珍しくありません。
SAPIXにお子さんを通わせるのであれば、小6の月謝59,950円を最低限だと認識して、その1.5倍から倍以上はかかることも覚悟しておいた方が良いと思います。
※正確な費用は公式WEBサイトなどでご確認ください。
●●SAPIXの特徴まとめ●●
目標校レベル: 難関校(御三家)
授業スタイル: ややひらめき重視
保護者サポート: 非常に多い
★にしむら的補足(独断と偏見入り)
車に例えるなら…スポーツカーやレーシングカー!
乗りこなせれば最速ですが、公道を走るだけなら持て余してしまうスピード。
服に例えるなら、タキシードやドレス。
着ているだけでリッチな印象を周囲に与えます。
食べ物に例えるなら、これはもう懐石料理。高級感!
動物だったら、チーターが鷲ですね。
走れば誰も追いつかない、誰よりも高く空を舞う孤高の存在です。
★SAPIXはどんな子におすすめか
SAPIX内で成績上位2割に入れる学力がある。
御三家、あるいは御三家に次ぐ難関校を目指している。
思考スピードが早い。
親に教材管理、勉強のサポートをしてもらえる、もしくは個別指導塾を併用できる経済的余裕のある家庭です。
以上、圧倒的な合格実績を出している「超難関校の登竜門」SAPIXの紹介でした。
【最後にちょこっと紹介したい塾】
Gnobleという塾です。
SAPIXは元TAP進学教室のトップクラスの講師が独立して作った塾と言いました。
圧倒的な地位を確立したSAPIXから創設メンバーが、その他のSAPIXの講師も引き連れて立ち上げたのがGnobleです。
指導方針も志望校レベルもカリキュラムも受験指導も月謝もSAPIXとほぼ同じです。
大きく異なるのは規模です。
Gnobleの塾生数はSAPIX製の10分の1程度です。
Gnobleの難関校への合格者数もSAPIXの10分の1程度です。
ということは、塾生数に対する難関校合格者数の割合は、同じぐらいだということです。
GnobleはSAPIXよりもまだ小規模なので、その分講師との距離感もやや近いですし、クラス数も限られているので、担当講師が変わる頻度も高くないです。
ただし、学力トップ層の中で勉強したい!というのであればSAPIXでしょう。
Gnobleは東京7校、神奈川3校、千葉1校なので通える人が限られているというのが一番のネックかもしれないですね。
以上、中学受験の首都圏4大塾について紹介しました。
***
ここからは感想です。
ほぼ1週間にわたって紹介してきました今回の動画。
濃い情報満載でしたよね。
動画の公開日が2021年11月17日と少し古いのでご注意ください。
また、講座内容や費用などは各塾のWEBサイトなどで各自ご確認くださいね。
塾選び大事と書きましたが、我が家はノリと勢いだけで「えいやっ
」で早稲田アカデミーに入塾しちゃったクチです
そもそもの入塾動機が「仲の良い友達と一緒につるみたい!」ですからね
チビオが「なぜ塾に入ってしまったのか・・・」と気づいたのは5年生になってからだったようです。なんで2年もかかった・・・
想定よりも遅い目覚めでした・・・
私としてはやはりお世話になった早稲アカのところが神回ですね
もう、そのとおりとしか言いようがないですわ
この動画を観たうえで、改めてどの塾が良かったのかと考えてみましたが、チビオには早稲アカが最適だったように思います。
あの体育会系のノリ・・・チビオは嫌いではないです
あと、講師の方々は男子の扱い方を良く存じておられるなあと。
男の子は単純です(褒め言葉ですよ)。
なので、挑発なんかガンガン乗ってきます。
競争、大好きです
チビオは中学1年生の今でも「5、4、3、2、1・・・ゼロ~」というカウントダウンに弱いです。
少なくとも我が家が関わった早稲アカの講師陣は、男子の扱い方は玄人でした。
同級生のお母さんと話しをしても、やはりあの体育会系のノリについていけずに転塾したという子もいたようです。
お子さんの性格によるとは思いますが、とくに女の子の場合は向き不向きをきちんと見極めたほうが良いと思います。塾友が出来てからの転塾はやはり悲しいでしょうからね。
西村先生の話はとても面白いので、塾選び中の方はぜひお時間を作って、この動画を観ていただいた方が良いかと思います。
ぜひぜひ今回の動画を観ていただきたく思います。
このほかの動画もとても面白いし勉強になりますので、ぜひ観てみてください
本日紹介した動画はこちら