わたくし、最近ルポタージュにハマっています。
引き続きステイホームが原則ですし、そんな時こそ読書、いいですよ~
そんな中、すごい本を読んだので、記録がてらこちらに書かせていただきます。
小学生の夏休みの読書感想文の本としてはまったくおススメできないのでご了承ください。
以下は私が最近読んだルポタージュです。
が、ジャンルが特異なので、はっきり言って万人におススメは出来ません。
ご興味を引かれた方はご参考にどうぞ。
読後感はスッキリはしませんので悪しからず・・・
少し前に読了した本。
北海道の三毛別(さんけべつと読みます)で起きたヒグマによる襲撃事件。
文春文庫 木村 盛武著 『慟哭の谷 北海道三毛別・市場最悪のヒグマ襲撃事件』
すさまじい、の一言です。
元林務官の著者が生存者たちへの取材を行い、貴重な証言をもとに描いたノンフィクションです。
三毛別以外の熊に関する事件も紹介されています。
林務官時代の熊遭遇事件も書かれており、林務官って命がけなんだなとこれを読んで初めて知りました。
知らない世界のことを知ることができるのって、ノンフィクションの醍醐味のひとつですよね。
三毛別のヒグマ襲撃事件はすさまじい。
ヒグマ、怖いわあ。恐ろしいわあ・・・
っていう思いももちろん残ったけど、
それよりも、人間の無力さ、弱さをまざまざと見せられたって感じですかね。
なんとも弱いな、人間・・・って私は思いました。
この事件を基に書かれた小説もあります。
新潮文庫 吉村昭 著 『羆嵐』
これもすさまじいです。
北海道の開拓の歴史は社会科でさらりと流した程度の知識しかありませんでしたが、
昔の人は熊に襲われたり、大変な苦労だったんだろうな~と思いながら読んでいましたが、
・・・いやいや、大変な苦労なんてもんじゃないやーーーんっっっ
もはやホラーです。スプラッターです。
しかもそれが事実に基づいた物語ですよ・・・
黄色の熊はこの仲間なのですね。
夢の国が一気にスプラッター・・・・・・
・・・この妄想はやめた方がいいですね。
どちらも取り扱い注意な一品です。
今読んでいるのは、
幻冬舎新書 鈴木伸元著 『加害者家族』 。
まだ67ページまでしか読んでないのですが、すでにすさまじいです。
以下はまだ67ページしか読んでいない状態で書いたものになります。
手に取ったきっかけは正直、好奇心、です。
45年間も社会生活を送ってきていると経験上、加害者家族が辛い日々を送っているだろうということは何となく想像していました。
実際はどんなものなんだろう、というのぞき見的好奇心・・・
ごめんさない。すみませんでした。
軽い気持ちでのぞき見しようとして申し訳ありませんでした、って感じです
そこに書かれていた実際の生活は想像以上の辛さでした。
・・・これ、中学生か高校生の必読書にすればいいと思う。
成人するまでの必読書ですよ、これ。
いや、人間やっていく上での必読書、です。
これを読んでなお、重大事件を起こそうと思う人はいないんじゃないかと。
残された家族がどんな目に合うのか、これを読めば怖くなると思う。
たとえそういう状況に追い詰められたとしても思いとどまるんじゃないかと。
ただ、扱っている内容が内容だけに取り扱いに注意は必要かも。
精神的に大人な子は大丈夫かもしれないけど、まだまだ子どもだと厳しいかな。
でも進めてみる価値はあるかなと。
私もチビオに時機が来たら読むように勧めたいと思う。
その“時機”がいつなのかわかりませんが・・・
犯罪を犯した自分が罪を贖うために辛い生活を送るのは当然だとしても、
家族ときには親族にまで影響が及ぶ様は恐ろしい。
むしろ、加害者本人は刑務所という特殊な空間で守られている、と言えるが、
加害者家族は世間の追求や誹謗中傷の嵐の中に突然放り出されることになる。
加害者の家族は、罪を犯した本人以上に苦しむことがあるのだ
このセリフが目に焼き付きました。
近所に重大事件を犯した犯人の家族がいる。
その事実は確かに恐怖を感じるだろうなと思います。
が、この本を読むと(67ページまでですが)、加害者と加害者家族はまったく別の存在である、ということが理解できます。
行き過ぎた誹謗中傷は害しかないです。
ある程度の反省を加害者家族に求めることは必要かもしれません。
が、行き過ぎた批判は必要ないのではと思いました。
もちろん被害者家族にはその権利はあると思います。
が、外部の人たちが行き過ぎた誹謗中傷行為をやる権利はないのではないかと。
でも、犯罪への恐怖心からくる嫌悪はぬぐいがたい、というもの分かる・・・
難しいです・・・
自分がその原因にならないためにも、
自分の大切な人達をその状況に巻き込まないためにも、
人生において一度、考えてみるのはいいのではないかと思います。