昔々あるところに、一人の非道な男がいました。

男は愛する妻との間に可愛い女の子を授かり、幸せな生活を送っていました。


しかし、男には秘密がありました。


妻以外に、別の愛する女性がいたのです。

そしてその女性のお腹の中にも男の子の命が宿っていました。



生涯出会うことの無い血を分けた二人の子供に、何らかの繋がりを残したいと考えた男は・・・自分の好きな戯曲から名をとり、娘に「朱里奈」。息子には「比呂美」と名付けました。

もちろん、彼の子を授かった女たちは、その由来を知る由もありません。


やがて、月日は経ち子供たちはすくすくと成長しました。
お互いの存在を知ることも無く。





比呂美が高校に入学し、朱里奈が高校2年に進学した年のことです。

男は癌で、この世を去りました。



彼の死は、止まっていた歯車を大きく動かすきっかけとなりました。



これは、非道な男によって、人生を振り回される、何の罪も無く、残された者たちの悲しい悲しいお話です。


ペタしてね

俺の名前は野田陽介(26)。
社会人4年目の高校教師。
今年の春に、ずっと憧れをいだいていた女子高に晴れて移動が決まった。
前の学校もそこそこ楽しかったが、やっぱり男たるもの、女子高に行かずしてどうする!
と常々思っていたので、26歳にして夢が叶った俺はなんとラッキーなことか!


で、これは登校初日のことだ。

俺の胸はすこぶる高鳴っていた。


「女子高・・・か。」

男子校出身の俺は、制服の女子と会話をしたことが無かった。

大学生の時、JKバーという所に行ったが、まぎれもなく奴らは現役では無かったし、大学の時に初めて出来た彼女にも、まさか制服着てデートさせて☆、なんて変態チックなお願いを出来る勇気も無く・・・。

とにかく俺は、旬まっさかりの油がのった女子高生と触れ合える(授業を教えられる)喜びに胸を高鳴らせていたのだ。


が、しかし、すぐに俺を落胆させる出来事が起きた。


教室のドアを開けるとそこには、一人一人の見分けがつかない程、同じような髪形と顔をした少女たちがズラリ。まあ、失礼な話・・・クラス全員昔の学級委員長・・・そんな感じ。


ちょっと待て!

確かにここは進学校だ。そりゃギャルはいないだろうし、化粧や染髪をしてる子も少ないとは思ってた。100歩譲って、スカートの長さも。

だがこれはあまりにもひどくないか!?


下手したら全員、わき毛ボーボーなんじゃねえの?


いや、いかん。俺は教師だ。
もっと生徒の内面を見なくては。例え皆の顔面偏差値が低くても、おかめちゃんにしか見えなくても・・・気を確かに持つんだ。

だって彼女らはまだ発展途上の未開拓地なのだから!!!!


ただならぬ空気に圧倒されながらも、黒板にチョークで名前を書く。

カッカッ

俺は小学生の頃から、このチョークの音が好きだった。

「えーっと、野田洋平です。ノッティって呼んでね」


静まり返る教室。
やべ・・・

「野田先生、担当教科は何ですか?」

眉毛がもう少しで繋がりそうな、一番前の席のおかめちゃんが質問する。


「数学です。あ、ノッティで良いからね」
「野田先生」
「はい」

今度は窓際の席の女の子。前髪で顔がよくわからん。

「授業、はやく初めてください」
「・・・はい」


うん・・・これは・・・何と言うか・・・
不純な考えしか無かった俺に天罰を下すかの様なスタートになっちまった。。。


つづく
ペタしてね