エッセイ2 車内販売(再掲載) | なまでこの鉄道写真館

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 関西と東海地方は曇りの天気ですが、気温は平年より高いようです。

 

 さて平成10年頃、石川県和倉温泉からの旅行帰りの事です。ちょっとした出来事ですがお話聞いて頂けますか。

 

第二章    車内販売

 「間もなく羽咋に到着いたします、お降りの方は・・・」
和倉温泉を出発したサンダーバード42号は羽咋駅に停車した。
車窓からは夕暮れ時ふさわしく赤く染まった夕日が射し込んでいる。
私たちがいる3号車は途中七尾駅で八割方埋まっていたが、此処でも数人の乗客が乗車してきた。
今回は妻と久々の温泉旅行のをした帰りで、途中京都へ行く用事があったので以前から是非乗りたかったこのサンダーバード号の指定券を発売1ヶ月前に手に入れたのである。
 私は缶ビールのロング缶を一人でゆっくりつまみを食べながら列車の旅を楽しんでいた。妻は横で雑誌を読みふけっていた。
 私のビールが丁度なくなってきた頃列車は金沢駅に到着していた。辺りはすっかり暗くなっていた。此処で10人くらいの乗客の入れ替わりがあったもの指定席は満席となっていた。
 処で、車内販売がこの金沢駅を過ぎてからだと思いビールやつまみをしっかり和倉温泉駅の売店で仕入れていた。しかし、七尾駅を過ぎた頃まず弁当とお茶の車内販売があった。
あまり商売気がないのか売り子の女性は足早に通路を通過していった。
 金沢駅を過ぎると今度はコーヒーやビール・つまみなどの車内販売が始まった。今度の売り子さんは先ほどの売り子と対照的にゆっくりと歩きながら販売を促していた。
 列車が福井駅へ着く頃になると再び車内販売がやってきた、先程コーヒーやつまみなどを販売していた売り子の後ろから研修生と名札を付けた女性と一緒にやって来た。車内販売用のワゴンの後ろを付いて歩いていた。どうやら先輩の販売の様子を見ながら研修をしているのだ、この新人の情景を見て春がやって来たんだと実感した。
 列車は敦賀駅を定時に出発した、ループ線付近を走行している時再び車内販売がやってきた。今度の売り子さんは先ほど研修バッチを付けて先輩の後ろを歩いていた女性であった。私の席はデッキよりであったため先ほど指導していた女性がデッキの陰で少し身を引くように研修生の様子を伺っていた、少し笑みがこぼれているようにも見えた。
 私はその研修生に売り上げを少しでも貢献しようかとビールの注文を考えた。研修生の販売を促進する声が列車の騒音にかき消されるくらいの小さな声であったためか、私はビールを買うのを躊躇してしまってそのままやり過ごした。私の後ろの方で客が研修生を呼び止める声がした、暫くして客の注文に困っていた様子をデッキで見ていた先輩が、見かねて少し早歩きで客の所へやって来た。
私は、その研修生に「がんばれー」とエールを送らずにはいられなかった。
丁度そのころサンダーバード42号は湖西線を在来線の最高速度で京都へ向かっていた。

 

この写真は、本文とは関係ありません、念のため。

JR京都(東海道本)線、京都府と大阪府の府境にある山崎駅付近で撮影しました。

 

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