とある民間救急ドライバーの憂鬱
こんにちは!生チョコぽん酢です。
先日、往診をしているクリニックの看護師さんから、入院搬送の依頼がありました。
依頼としては、往診に入っている先の患者さんが緩和ケアに入院することになった点、
ストレッチャーで依頼したいけれど自宅では歩行ができるので1名搬送で大丈夫だという点(念のため移動は横になりたい的な)、
だいたいこんな内容で受けました。
さっそく向かうわけですが、自宅で横になっている患者さんをみると、臨月の妊婦さんほど腹水が溜まっている状態。
体格も良く腹水を加味すると80キロくらいはありそうです。
自宅にいらっしゃる家族に確認をします。
「歩けるのですよね?」
「分かりません、往診の先生からは血圧下がってしまうから駄目だと言われています」
は?
その後、一応本人の体を触ったり補助して動いてもらったり、簡易的な身体機能の確認をします。
うん、寝たきりの方。
1名搬送で大丈夫って言ったのは何だったのだろう。
まぁ仕方ありません、アレですよね。
私も素人ではありませんで、あの手この手でリスクをおかしながらも、外にあるストレッチャーに無事乗せて出発します。
全く割に合わない仕事です。
しかしこの時点でも私の気持ちはまだ晴れません。
何故なら搬送先がT病院だからです。
先日、往診をしているクリニックの看護師さんから、入院搬送の依頼がありました。
依頼としては、往診に入っている先の患者さんが緩和ケアに入院することになった点、
ストレッチャーで依頼したいけれど自宅では歩行ができるので1名搬送で大丈夫だという点(念のため移動は横になりたい的な)、
だいたいこんな内容で受けました。
さっそく向かうわけですが、自宅で横になっている患者さんをみると、臨月の妊婦さんほど腹水が溜まっている状態。
体格も良く腹水を加味すると80キロくらいはありそうです。
自宅にいらっしゃる家族に確認をします。
「歩けるのですよね?」
「分かりません、往診の先生からは血圧下がってしまうから駄目だと言われています」
は?
その後、一応本人の体を触ったり補助して動いてもらったり、簡易的な身体機能の確認をします。
うん、寝たきりの方。
1名搬送で大丈夫って言ったのは何だったのだろう。
まぁ仕方ありません、アレですよね。
私も素人ではありませんで、あの手この手でリスクをおかしながらも、外にあるストレッチャーに無事乗せて出発します。
全く割に合わない仕事です。
しかしこの時点でも私の気持ちはまだ晴れません。
何故なら搬送先がT病院だからです。
T病院は面白過ぎる病院なのでぜひ他記事もどうぞ。
マジで気が重い。
T病院に到着したので、家族だけを降ろして次のように伝えます。
「患者さんをここで降ろしていいか受付で確認してきてください」
これはどういうことかというと、ここのT病院も依頼者も、最近は頭がちょっとアレなので、
例えば発熱があるのに我々には秘密にして運ばせるケースだと、
到着した時点でこちらは知らないからそのまま降ろして病院の中に入るわけですが、
後からT病院側からクレームが入るのです(T病院の場合、発熱患者は別の搬入ルートがある)。
本来クレームを言いたいのはこっちの方なのですけどね。
今に始まった事では無いのですが、発熱やコロナ患者って最近は前にも増して隠して依頼してくるので困ります。
今月だけで2回はありました。
なので先に家族に確認してきてもらっている感じです。
私は患者さんの容態もあるので見守る必要がある為車内で待ちました。
家族と若い女性の事務員が話しているのが見えます。
新入社員の事務員さんですね。
家族が戻ってきました。
「なんか、外来で診てから入院する流れみたいです。ここじゃないみたい」
病院側には救急外来があるのですが、通常の外来で降ろせ、ということみたいです。
私は深いため息をつきつつ外来に向かいます。
緩和ケアに入院するのにクリニックってどういうことだよ、
早く休ませてやれよって感じです。
ストレッチャーは狭いので満足に体交もできず本人も苦しそう。
ここのT病院は入院ができる病院側と、外来専門のクリニックとに建物が分かれているので、再び車を走らせクリニック側に着けました。
ここのクリニック側もまぁトラブルの温床で(詳しくは上記過去記事をご覧ください)、
私は速やかに患者さんを降ろし、家族に受付の場所を案内し、
すぐさま車に戻り他の車の邪魔にならない場所を見繕い、また急いでクリニックの患者さんのところに戻り、大忙し。
2名搬送にしろよマジデ。
そしてクリニックの受付は長蛇の列。
しばらく待った後、家族が戻ってきてこう言いました。
「やっぱり向う側みたいです。皆言ってること違う、あり得ない」
と穏やかそうな家族もさすがにイライラしてきている様子。
私も深いため息を吐きつつ、再び車に乗せるのが困難な状況だったので(ここのクリニックのせい)、
すぐさま車に戻り他の車の邪魔にならない場所を見繕い、また急いでクリニックの患者さんのところに戻り、大忙し。
2名搬送にしろよマジデ。
そしてクリニックの受付は長蛇の列。
しばらく待った後、家族が戻ってきてこう言いました。
「やっぱり向う側みたいです。皆言ってること違う、あり得ない」
と穏やかそうな家族もさすがにイライラしてきている様子。
私も深いため息を吐きつつ、再び車に乗せるのが困難な状況だったので(ここのクリニックのせい)、
そのまま病院側まで外をストレッチャーで押していきくことになります。
80kgちかい人をストレッチャーで、一人で、外を押すのって、すごく大変なのですよ。
余計な手間のせいで汗をかきながら再び病院側に戻ってきました。
腹は立ってますが最近は随分アレにも慣れて来て、気が長くなっています。
80kgちかい人をストレッチャーで、一人で、外を押すのって、すごく大変なのですよ。
余計な手間のせいで汗をかきながら再び病院側に戻ってきました。
腹は立ってますが最近は随分アレにも慣れて来て、気が長くなっています。
クレームを言っても仕方ないのです、アレは病気ですからね。
でもこれだけは伝えなければいけませんので、緊張しながらこういいました。
「あの、こちらは介護タクシーのストレッチャーで来ていますので乗り換えが必要です」
再びあの事務員は言います。
「外来で受診してからの入院になるので」
でもこれだけは伝えなければいけませんので、緊張しながらこういいました。
「あの、こちらは介護タクシーのストレッチャーで来ていますので乗り換えが必要です」
再びあの事務員は言います。
「外来で受診してからの入院になるので」
案の定会話になりません。
全然違う回答がきます。
でもちょっと待てよ、え?
「は?またこの後外来に行かせるんですか?」
「いいえ、緩和用の外来があります」
「それどこにあるんですか?」
「後で案内します」
「救急外来のところですよね?」
「いいえ違います」
私は別に緩和用外来があるのかどうかで議論しているのではなく、場所を聞きたいだけなのです。
「いいえ、緩和用の外来があります」
「それどこにあるんですか?」
「後で案内します」
「救急外来のところですよね?」
「いいえ違います」
私は別に緩和用外来があるのかどうかで議論しているのではなく、場所を聞きたいだけなのです。
救急外来(病院側)か、通常の外来(クリニック側)か。
本当に会話が難しい。
クリニックに行かせてしまった事で多少の罪悪感があるけれど、自分は間違っていないと言い張りたい様子に見えてしまいます。
間違えているのはそっちなのに逆ギレされると多少なりともストレスを感じますよね。
まぁ別にいいです、言われた通りにしましょう。
数分後案内されました。
救急外来の処置室に。
やっともうすぐ終わる、疲れる、あとトランスをするだけ。
でもここはT病院です。
まだまだ終わらせてくれません。
病院のベッドにトランスをする準備をしていると、キャシャな看護師が一人手伝ってくれています。
それは有難いのですが、一応聞きました。
「トランスは2人でやりますか?」
「あなたは手伝ってくれますか?」
どう返せばいいのか、私は一瞬思考停止に陥ります。
トランスの準備をしているのは私で、そこに手伝いに来たのがあなた。
ここには今、私とあなた、2人しかいません。
私と、あなたでやりますか?という質問なのですが、本当に会話が難しい。
一から十まで説明した方が丁寧なんてこともないじゃないですか、だって
>私は民間救急という仕事をしている〇〇と申しまして、自宅の中からここまで運び出してきた業者のもので、そういうことを生業としています。今私は私のストレッチャーからこれから入院となるお宅のベッドにトランスの準備をさせて頂いておりますが、お手伝い頂いている方は貴女1人です。このままだとあと30秒後にトランスが始まりますが、ここにいる私に加えて、貴女、つまり2人でトランスをしますか?この方は体格が良い上に腹水がかなり溜まっており恐らく80キロくらいはあるかと思われます。私は1人分の仕事をできますが、女性であるあなたにも同じ負担の作業ができるのか、私は心配です。お怪我をされてしまうことを避けたいと願っておりお伺いを立てておりますが、いかんせん貴女が実はものすごく鍛えている方なのかどうかはお洋服を脱いで頂かない事には私には分かりませんので、あくまで貴女の判断にゆだねられている部分でございます。貴女がYESならこのまま進みますし、NOなら人員を補充した方がいいのではないのかという話なのですがいかがでしょうか?
多分、アレな人は言葉を理解できないので、最初の10文字くらいでキレ始めて終わりです。
どうしろって感じですよ。
なので簡潔にこう答えました。
「それが仕事ですので私は手伝えますが」
「下に敷いているのはスライダーですか?」
下には担架が敷いてあります。
素材、形状を見ればそれがスライダーではないのは明白です。
どう返せばいいのか、私は一瞬思考停止に陥りますが、落ち着いてこう答えました。
「トランスで使えるものですがスライダーという名称ではございません」
看護師はその場を去っていき、しばらくしてもう1人の看護師とスライダーを持ってきました。
それで、こちらの担架の上からスライダーを挟み込みます。
担架の意味・・・
今ベッドとストレッチャーを並べて置いてあり、私のストレッチャー側に患者さんが寝ている状態ですが、
2人の看護師はそろってベッド側に向かわれますので、
私は一人で患者さんの肩から足まで押してその場を後にするのでした。
わざわざひと手間かけて敷いて来てあげたのに、それを使われず、更に返って大変な思いをしたとなると・・・少しだけ傷つきます。
仕事だからいいんですけどね。
毎日本当に面白いです。
おわり