10月9日に室蘭で催される日本舞踊の仲間の会を応援するために、遅めの夏休みを兼ねてその前後に初めての北海道を旅して参りました。函館1泊から室蘭で2泊で踊りの会を手伝い、最終日の行先は未定。帰路の航空便は夕方という3泊4日の旅。
10月7日、出発のその日は東京で朝降っていた雨も昼前には止み曇天の羽田空港。雨雲を追いかけるように北へ。
午後2時過ぎ到着時の函館は雨でした。リムジンバスでとりあえず市内のホテルへ向かい3時に到着。
先の長い旅ですから、初日に函館ならではの海産物を買って自宅や実家に送ってしまおうと、ホテル近くの自由市場へ。観光名所の函館朝市より地元の人向けのこじんまりとした市場ですが、少しお安いとのこと。しかもこの自由市場は夕方5時で閉まり、翌日曜日はやっていないんですもの。
というわけで、ホテルに荷物を置いてそそくさと歩いて市場へ。
さっそく商店の売り子のおばさまに捕まる。500円のホタテの乾きものを若干強引に勧められる。素人が一人で来るものではないか…なんか怖い。
しかしどこを見ても鮮魚の一つ一つが大きいこと!そして目についたのが、売っているイクラの容器にすべて「新物」というシールが貼っているんですね。考えれば分かるのですが、認識したことがなかった。鮭が遡上してくるこの時期に取り出すイクラは今が新物の季節なんだそうです。新鮮な新物イクラを食べた感想は後程。結局自分用には銀鱈の味噌漬け、実家の母には根ホッケとハラスとイクラを購入。その場で母に送りました。自分用のは帰宅した時に到着するように。帰宅後、その銀鱈の味噌漬けを焼いて食べました。もの凄ーーく脂が乗っていて美味しいことと言ったら!!感激の美味でした。お値段も東京で買ったら一切れ700円くらいはしそうな大きさのものが、400円程度で。ま、送料も含めると変わらないのかもしれませんが、この脂の乗った新鮮さは何物にも代えがたいのであります。
この銀鱈の味噌漬けは、自由市場内、有限会社米塚商店さん。ほんと、美味しかったです。ネットで注文もできるので、また購入しよっと。
さて。自由市場での買い物を終え、午後4時過ぎホテル近くのお寿司屋さん「函館大門福寿し」さんへ。カニやらイクラやらがどかんと乗った海鮮丼を食べるより、握り寿司で少しずつ色んな種類が食べたかったんですな。
清潔感のある素敵な店内で、女性一人でも居心地のよい空間です。
若い大将に初北海道で函館に来たこと、滅多に来れないであろうことを説明した上で「函館を満喫するには何を注文したら良い?」と質問。寿司懐石を薦めて下さいました。
「イクラは今朝さばきたてですよ」とのこと。旬のお味はサラッとしているんですねぇ、イクラって。あと、ミル貝は柔らかくて甘くてシャクシャクとした歯触りで初めての感触。エビも美味でしたぁ。
こちらはウニの柳川鍋。たっぷりのゴボウのささがきにウニが絡んだ温かいお鍋です。
先客で一人いらした男性とお店の方とお喋りしながらいただいていると、若大将が「旅の思い出にどうぞ」と懐石のメニューには入っていないニシンの握りを一貫、そっと出してくださいました~~~。ウホッ。なんて粋な計らい。
こちらも脂が乗って本当に美味しかった。
福寿しさん、とても素敵な思い出になりました。ご馳走様でした!!
食事を終えて夕方5時。
雨もやんだ外はまだ明るく、夜も長い。
ということで、あまり興味がなくて行くつもりがなかった函館山の夜景を見に行くことに。
函館山のふもとからケーブルカーで山頂まで行きます。
しかしながら、そのケーブルカーにたどり着くまでの坂道がまぁぁ厳しいこと!
連休初日の土曜の夜、さらに中国も連休と聞いたような…とにかく人が多い多い。5分置きに出るケーブルカーに乗るまでに30分待ちといった状況でした。そして周囲から聞こえるお喋りの声、8割方外国語。
それでも雨上がりの函館の夜景はとっても綺麗でした。
写真からは左に見切れた湾内では、イカ釣り船と思しき船の明かりがうごめいて、少し幻想的でした。
さて。
函館山を下りたところでまだ夜7時過ぎだったので、古い教会や洋館が立ち並ぶ元町で夜の散歩をしてみることにしました。ちょうど山を下りた辺りが元町なんですね。
雨に濡れた石畳が夜の街灯にわずかに反射し、緩やかな坂道に浮かび上がる古い教会。人通りも少なく、異世界に迷い込んだような気分でした。
この元町教会とは、その始まりが江戸時代の安政時代にさかのぼるほど、日本の中でも歴史のある教会なんだそうです。
さらに歩いて人気のないレンガ倉庫をぶらり。
翌日も朝から元町を散策して知ったことなのですが、函館はペリー来航により下田横浜と並んで最初に開港された港町ということで、明治時代から西洋文化が街に溶け込んだ「ハイカラ
文化」が生まれたそうです。
明治大正期の古い洋館や、外国人墓地、レンガ倉庫。どこか、素朴な横浜とでもいうような風情の町という印象でした。
散々歩いて疲れたところで、夜も遅くまでやっている素敵なカフェでブレイク。
一人旅初日を堪能したのでありました。
翌日は、朝から再び元町へ…。
続く。
前述のいくらの新物シールだよ。