天国と地獄 | Don't think twice, it's all right  ~NALYDBOBのブログ~

天国と地獄

この漫画自体を取り上げたいところだが....

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この中の回想シーンで、主人公が映像系に進学希望ということを知った塾の講師が黒澤映画について熱く語っているのだが、

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についても取り上げている。
この講師曰く、
犯人は身代金を入れるカバンのサイズを指定し、
新幹線に乗るように指示をするんだよ。
そして、新幹線にある唯一の窓からカバンを投げ落とすように指示するんだ。
その窓のサイズとカバンのサイズが....」
 
やっぱり、あれは新幹線に見えるのか~。見えるよな~。
 
でも、実際は特急こだまなんだよね。
 
この作品が公開されたのは1963年。
一方新幹線が開業したのは、その翌年の1964年だから、絶対に無理である。
 
この講師が知ったかぶりという設定で、わざと間違えて書いた、ということも考えられないこともないが、話の前後を見た限り、その線は薄そうである。
しかも、身代金の額も間違えてるし...
 
作者も編集者もこういう細かいところまでチェックしなかったんだろうな~。
何か寂しいな。
 
数年前、本作品がテレビドラマでリメイクされた時、舞台を新幹線が走っていないということで、わざわざ北海道にしたというのに(映画の舞台は横浜)。
 
 
と、この話はここでおしまい。

私にとっては、本作品は現代劇としては

黒澤映画の最高傑作である。

 

この作品はについては、有名な撮影時のエピソードがある。

新幹線ではなく(≡^∇^≡)特急こだまに乗った身代金を持った主人公や刑事に、誘拐した運転手の息子を犯人が鉄橋のたもとで確認させるシーン。

当然運転席からのショットが必要なのだが、1軒の家屋の2階(屋根だったけ?)が邪魔になる。

そこで、その家の人に頼んで、撮影のために2階を取り壊したのである。

しかも、撮影が終わった後、2階を元に戻したのは、映画スタッフということだから驚きだ。

このエピソードに尾ひれが付いて「黒澤監督は映画を撮るため民家を壊したことがある」という都市伝説が生まれたことを付け加えとこう。

でも、助監督時代、独断で、ある民家に映画撮影のため家を壊せさせて欲しいと頼み込んだらしいけどね。ホントかどうかは知らん。

 

この映画の原作は、

キングの身代金 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-11)/エド・マクベイン
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ということになっているが、オリジナル作品と言ってもよい。

私は、たまたま、映画の原作であることを知らずにこの本を読んで、後で映画を見たのだが、

共通しているのは、犯人が誘拐する子供を間違えたことと、

主人公が会社の重役で、自社の株を買い占めるための資金を用意していて、その金を身代金として使ったら逆に会社から追放されて破滅するというところぐらいだ。

 

この映画は基本モノクロなのだが、あるシーンにのみカラーが使われている。

そのためモノクロではなくパートカラーと表記されることがあるが、詐欺だよなo(^▽^)o

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もモノクロ作品で、あるシーンのみカラーを使っているのだが、これは「天国と地獄」へのオマージュか?と言われているけど、さてどうだろう。
 
ラストシーンは好きだな。
「天国と地獄」ならぬ「静と動」。
犯人である若き山崎努の名演技!
 
 
あえてストーリーについてあまり触れなかったけど、これは是非見て欲しいからです。
面白いですよ。