みなさんこんにちはないりっくんストーリー第21話更新したのですが、HPソフトがこわれてきていて・・・表示されず、ここにも紹介できずにいました。ですが、やっと表示できたのでここでも紹介します
今回のお話しは妖精は出てきません
シンプルに、PRの原点に戻って作ってみました。内陸線を知らない子にもわかるように描いてみました。ぜひ 読んでみてください
みなさんは「秋田内陸線」という鉄道を知っていますか?
秋田県の真ん中を 縦にまっすぐ走る、カタン コトンすてきな列車です。
今日は一人の女の子が お母さんと一緒に、この内陸線に乗りに来ていますよ。
それでは紙芝居の始まりです。
①ある晴れた秋の日の ここは秋田内陸線阿仁合(あにあい)駅のホームです。もうすぐお客さんを乗せて走るないりっくんの窓を、一人のおじさんが一生懸命ふいていました。
「おじさん、いつもありがとう。」
うれしそうにお礼を言うないりっくんに、おじさんは
「いいんだよ。窓がきれいだったら、内陸線のきれいな景色が もっとよく見えるだろう?」と、にっこり笑って言いました。
②そこへ、一人の女の子がやってきました。
「あっ、ないりっくんだー」
かわいい女の子の姿に、おじさんもないりっくんもにっこり。
「ねえねえ おじさん。おじさんは、内陸線はどの季節に来るのが1番いいか 知っていますか?」女の子が言いました。おじさんは
「うーん・・・・・・・・。」と、答えにこまってしまいました。
③「おじさんは1年中 毎日毎日内陸線を見ているけれど、どの季節もいいんだよなぁ。そうだ、写真を見てみる?おじさんは内陸線の自然が大好きで、いつも写真にとっているんだよ。」
おじさんはそう言うと、ポケットから小さなカメラを出して 女の子に見せました。
「ねえ おじさん。内陸線の列車って、色々な色があるんだね。」と 女の子が言いました。
「そうだよ。内陸線は車両ごとに色が違うんだ。虹色の仲間たちが走っているんだよ。」おじさんがそう言うと、
「わぁ~、わたしが持ってるクレヨンの色みたいだね。内陸線の列車って。」女の子はうれしそうに笑いました。
⑧「さあ 次は夏の内陸線。おじさんは、この赤い鉄の橋が大好きなんだ。青い空、白い雲に真っ赤な鉄の橋。エメラルド色の川も、まぶしい太陽の光も、山の緑も・・・。どう?いいでしょう?」
おじさんの言葉に、女の子はじっと写真を見つめて「わたしも見てみたいなぁ」と言いました。
⑨「次は今の季節の紅葉(こうよう)・・・だね?内陸線の紅葉は、日本の鉄道の中でも有名なんだよ。全国からたくさんの人が、この紅葉を見に 内陸線に来るんだ。」おじさんは、得意そうに言いました。女の子は
「山があったかいたき火になったみたい。今日内陸線に乗ったら見れるね。楽しみだなぁ。」と、うれしそうに笑って言いました。
⑩「これはサンタ列車の中だよ。クリスマスの時期になると走る、特別列車だよ。列車の中はクリスマスのかざりでいっぱいでね。これは おじさんが乗った時にとったんだけど、とっても楽しかったよ。」
女の子は
「お父さんとお母さんと乗りに行きたいなぁ・・・。とっても楽しそう。」と、ピョンピョンはねながら言いました。
⑪「さぁ・・・これは冬の夜の内陸線。山の中を走っているから あかりは少ないけれど、雪あかりでぼうっと明るいんだよ。空の青と雪の白が混ざって、ちょっと夢の中を走っているみたいだよね。」
女の子は
「本当・・・。かわいい妖精が住んでいそうだね。わぁ・・・。冬の夜も乗ってみたいなぁ。」と言いました。
⑫「これが最後。冬の終わりの内陸線。春が近くなってくると、北へ帰る準備をしている白鳥たちに会えるかもしれないよ。この白鳥たちは ないりっくんたちと仲良しなんだ。近くを走っても逃げないからね。」
おじさんは白鳥を、写真の上からそっとやさしくなでました。
女の子は ほうっと息をはきました。
⑬「さて、どの季節が1番よかったかな?」おじさんが女の子に聞きました。
「おじさんの言った通りだった。どの季節が1番いいかなんて選べないね。だって、どの季節もとってもきれいだったから。みんな乗りたくなっちゃった。」と言いました。おじさんとないりっくんは、思わず顔を見合わせて にっこり笑顔になりました。
⑭おじさんはやさしい声で女の子に言いました。
「内陸線は 新しさや速さより、きれいな自然の中を走ることが自慢なんだ。それをお客さんに喜んでもらうことが1番うれしいんだよ。いつでもおいで。待っているよ。」おじさんが言うと、
「はーい おじさん、ありがとう。じゃあないりっくん、またあとで。」女の子はにっこり手をふって、ないりっくんに乗りこみました。
⑮「うれしいなぁ・・・あんなふうに言ってくれて。」ないりっくんが、おじさんににっこり笑って言いました。
「おじさんもうれしいよ。さあ ないりっくん。時間だよ?ゆっくり ゆったり走って、自慢の景色を見せてあげよう。」おじさんはそう言って、ないりっくんの体をポンとたたきました。
ないりっくんは
「よーし。」そう言うと、きれいな空気をスーッと吸いこみました。
⑯「みなさん出発しまーす。」
カタンコトン カタンコトン・・・。ないりっくんは今日も たくさんのお客さんを乗せて、きれいな自然の中を走っていきます。
「わぁ~見て。山が夕焼けみたいよ?」「すごくきれい。ママ、写真とろうよ。」お客さんたちは、きれいな景色に大喜びです。そして・・・
「ないりっくんありがとう。内陸線に乗れてとってもうれしい。」あの女の子の声が聞こえてきました。
カタンコトン カタンコトン・・・。ないりっくんはとってもうれしくて、にこにこしながら走りました。