さて畑も一息ついたし、昼飯でも食って、秋の気まぐれな風に誘われて、一つ散髪でも行くか!

と我が青春てんこ盛りの街にやってきて。チョキンチョキンちょきんな!あれ、ちょっと失敗かい。

散髪の後は、青春時代の思い出にふけながら、古いこの街中をお散歩、お散歩。おお何も変わらぬ、この街角こそ我が運命の場所ですぞ。あれは丁度50年も前の春うららかな夕暮れ時であった、明日はいよいよ高校生活初日という日で、ここは元本屋さんで。

 

ここで難しくない本を立ち読みしていると、何だか背後に視線を感じるので、

ふと振り替えると、俺等をじっと見つめている赤いほっぺのセーラー服の可愛い少女。あれ誰だっけと頭をペコリ、相手もペコリ。それでバイバイと別れはしたが、ずと頭の中はあれは誰かいないと???で、胸は妙にドキドキ。

なんて、1日が過ぎて、さて張り切って、今日から高校1年生だと緊張気味にクラスに入り

既に決められている後ろの方の席にちょこんと座り話し相手もいないので、暇であるとふと横を見ると、おおおお、!隣に昨日の赤いほっぺちゃんがポツンと座っているではないか、で頭をぺコン、向こうもペコン。

よし、サイはすでに投げられたのだ。

それから50年ゴールとはいかないが、サイの目に従って、進んだり下がったりと、還暦までたどり着き、ふと横を見ると。やはり赤いほっぺちゃんがちょこんと相変わらず座っていた。

でも少し迷惑そうなのはオイラの錯覚だな!

へへへへ・・・