息子のことは
どんなに何があったとしても
愛してやまない存在で…

どんな時にも、私だけは
背を向けたくないと思っている。



…でも。

対相手の事柄だけは
どうにも許すことが出来ない。

ケガをさせてしまったとなれば…
その方を、自分の息子や家族に
置き換えて考えてしまうから。



仕事をしているだけで
ケガをさせられるなんて
考えられない。

やった方は、不可抗力だと言うけれど…
酒が入り酔いの勢いも手伝って
気が大きくなり
怒鳴り散らした挙句
蹴飛ばすなどあり得ないこと。



その、やった方は、息子だ。

ケガをさせられた側の気持ちでいながら
やった側の態度や発言を耳にしていると…
到底許されるものではなく。

当然、本人は、家族の前だから
正直な気持ちを
口にしているのかもしれないけど…



謝罪はするけど
その先は、相手の気持ち次第でしょ?

…やったのはあなた。
いくら謝ってもらったって
それを許すかどうか決めるのは
相手の気持ち次第。



それをなんとか穏便に
済ませようとしてくれているのは
むしろ相手側で…

とにかくキチンと謝罪をしてほしいと
願っているだけなのに。

それさえも無碍に断るような態度を繰り返し
誰がどう見ても
申し訳なかったという風には見えない
謝罪を繰り返す。



相手側の方、警察の方、には
本当に申し訳ないくらいに…
息子の将来を考慮してくださってる。

なのに、まったく反省のない息子を見て
夫は見限った…



当然といえば、当然のことで
夫と再婚して数年後…
まだ小学生だった息子が
友達にケガをさせ、大変な騒ぎになった。

まだ小さいこともあって
大人がなんとかしなければと動くにとどまったが
それから、ずーっとこんなことの繰り返し。

そのたびに、学校へお友達の家へ
と頭を下げて回った。



決して、頭を下げるのが嫌なのではない。

前回の事件は
ちょうど未成年から
成人になるところであったことから
弁護士さんからの勧めもあって
助けるに至った…

『これで助けるのは最後だよ』

許せない私に変わって
夫は、男と男の約束を交わしたが
いとも簡単に裏切った。



一時は、そんな息子でも
ほっておけない私の気持ちが強く
離婚することも考えたが…

もう、仕事をして
結構な収入を得ているのだから
息子を独立させ…

距離をとり暮らすことで
わかりあえることもあるかもしれないと
結論に至った。



これが無責任なんじゃないかと
自分を責め…
死をもって償うことも考えた。

そんな私に先生から
「それで治ると思っていますか?」
と言われ、逃げようとしているだけだと
わかった。



誰に信じてほしいのかわからないけど…

〝悪い子になればいいなんて思って
育てたりはしていません〟

本当は、だれよりも寂しがっている友達に
寄り添うことのできる優しい子なんです。
うまく説明できないけど…
良いところがたくさんあるんです。



でも、今回みたいなことがあると
そんな所は微塵もない人間のように
思われてしまうことが
親としては、なによりも辛い。

もっと自分を大切にしてあげてほしい
自分で自分を傷つけないでほしい
そう願うばかりで…

親なんて、本当に無力だと
つくづく感じています。