このところ「伝統華佗五禽戯」についてご紹介していましたが、新しい年を迎えた今日は「中国武術について・・」

 

※野外教室

 

 神奈川気功太極拳倶楽部・横浜武術院のお教室では「養生導引、健身・伝統気功、太極拳、武術」とさまざまな項目の練習を行っているのですが、よくメンバーのみなさんとの会話の中で、お教室に入ったばかりの時は「今 自分が練習しているのがなんなのか・・?」とか、「自分がイメージしていた太極拳とは違っていました(良い意味で)」とか、「太極拳なのに、健身気功?」でした😅という話を聞きます。そこでみなさんの「?」や成澤先生が皆さんに伝えたいけど、レッスン中は時間が足りなくて伝えきれずの部分をこのブログでフォローできればな・・と思っています。

 

※金曜日(八景枝葉会、西柴行雲会、港南上大岡

 

 成澤先生の太極拳教室はどれもレッスン中に「導引術」という動的気功体操(動気功)を行います。はじめて参加された人の多くは「これはいったい何なんだろうか?」「でもなんだか気持ちがいいかも」・・そんな印象を持たれているかなと・・・

 

※土曜日 朝日BIG-S 綱島 カンフースクール、太極拳スクール

 

 「中国武術」という言葉から一般的に良く知られている「カンフー(ウーシュー・武術)」をイメージする人もいるかと思いますが、「太極拳」も中国武術に含まれます。最近ではだいぶそのことも認知されるようになってきたのかなと感じていますが、案外知られていないのは「導引術(動気功・気功体操)」も中国武術のいちカテゴリーに含まれるということ。その理由は諸説あるとは思いますが、ひとつの理由としては武術も太極拳も「導引術」を源流として成立したという歴史を持っているからです。

 

 例えば、1972年から74年にかけて中国湖南省長沙市で発掘された馬王堆漢墓(まおうたいかんぼ)から44種類の導引の動作が描かれた導引図が発見されました。この導引の動作が「中国では最古の導引」と言われ、「馬王堆導引術」として復元されました。その導引図の中には「五禽戯」と呼ばれる導引術に共通する動作が描かれています。「五禽戯はそれまでに伝わっていた導引の中から5種類の動物の動作を選び・・」と成澤先生も良く話しています。また以前 参加した「六字訣」の講習会でも「六字訣の動作の原型とされる導引の図が見られる」と講師の陳崢老師も説明されていました。「易筋経」や「八段錦」は少林寺でも行われている練功ですが、「五禽戯」もまた少林拳の象形拳に多く影響を与えたと言われています。

 

 太極拳はもともと「太極十三勢」と呼ばれ、13の型(8個の手法と5個の歩法)でした。そこに長拳(太祖長拳)の技法(拳と足技)が取り込まれていったと言う歴史が『太極拳譜』に書かれています。また陳式太極拳第十九代陳正雷老師の著書の中では「太極拳の歴史の中に含まれているのは “導引術と五禽戯”」と紹介されています。「太極」と呼ばれるだけあって、太極拳は「古代陰陽学説」「易経」の考え方がふんだんに取り入れられていて、その概念が抜け落ちては「太極拳」にはなりえない・・と紹介している書物などもあります。

 

 こうして中国武術の歴史を見てみると、「武術」「太極拳」は「導引術」をその源に、相互に影響をし合って発展したと考え、そして中国武術は「古代中国の軍事」であると成澤先生がよく説明するのですが、「武力」だけではなく「精神力」を鍛える術も含まれる・・つまり「体の仕組みを知り、自分の内面と向き合い、人としての在り方、自然の摂理を学ぶ・・」べきもの。もちろん「スポーツとして」楽しむこともできますが、中国武術の歴史、文化、技術理論、思想哲学などと一緒に学ぶことで「伝統武芸(武道)」としてより奥深い楽しみ方ができるものでもあります。

 

※港北区 新吉田 太極拳班、武術班 

 

成澤先生がまとめた中国武術の歴史 シリーズ1/10👇

 

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