白露(はくろ)・十五節気

9月8日ー9月22日頃

 

 朝晩の気温が下がり、葉先に朝露を見かけるようになる季節。「陰気ようやく重なりて、露こごりて、白色となればなり」・・と読まれているように、朝日に照らされた露が白く輝くように見えるので「白露」と呼ばれる季節になったそうです。

 

 白露の次の日は「9月9日」。中国では「重陽節・ちょうようせつ」と呼ばれる節句があります。新暦で祝うのか、旧暦で祝うのか・・現代はどちらなのか、調べてみると両方あるのですが、個人的には旧暦の9月9日(新暦10月23日)に祝うのがいいのではないかな・・と感じています。

 

 さておき、この重陽節は、日本ではあまり馴染みがありませんが、奈良時代に伝わり、江戸時代までは、五節句のひとつとして親しまれていたそうです。五節句というのは奇数月で同じ数字が並ぶ日をいい「1月1日(人日)、3月3日(上巳)、5月5日(端午)、7月7日(七夕)、9月9日(重陽)」があります。中国に古くから伝わる陰陽説によると奇数は「陽の数字」とされ、その中でも一番大きな数字「9」が重なる日は大変縁起が良いと言うことだそうです。また中国語の「9」の発音は「永遠」などの意味を持つ「久」と同じ「jiǔ・ジュー」というのも縁起が良いとされる理由で、「jiǔ・jiǔ・jié・ジュージュージェ」とも呼ばれています。


 重陽節は五穀豊穣と長寿、繁栄を願う日で、山へ行き菊の花を愛でながら菊茶や菊酒を飲む習慣があったそうです。菊の花は邪気を祓い、長寿にいい霊薬と言われ、中国では大変大切にされている花のひとつです。

 

 新暦の10月23日が旧暦の9月9日と考えると、秋も深まり、徐々に冬の気配を感じ始める季節かなと・・すると、本格的に寒さがやってくる前に、山へ行き足腰を鍛え、陽を浴びて、薬茶や薬酒を飲み邪気を祓い、その年の収穫を祝いながら、無事に冬を過ごすことができることを願う・・というのは理に適っていて、大切な一日とされるのもなるほどなと感じます。

 

 

 写真は10月末 菊祭りで撮影したもの・・菊祭りは重陽節の名残りなのかもしれませんね。