冒頭、自身は楽器という類(楽器全般)がからっきし駄目なのですが、思春期にも差し掛からぬ幼い頃から『家庭の都合』により頭が痛くなるようなHR/HMを強制的に聞かされて育ちました。
音楽センス・ゼロな面が手伝ったか否か、定かではありませんが、そんな環境で育ったせいはあるのでしょう…思春期を迎える頃には、広く大衆受けする『音楽』より、一般の方からすれば音楽である事すら否定されかねない、時に雑音と取られるような『音楽』の方が心地良くなっておりました。

音楽の授業ではクラシックを聞くとどこかソワソワしてムズ痒さを覚え、思春期ならではとでも言うべきか、クラスの異性たちが話す『ベストテン』(既に『Mステ』だったかも知れません)の話には共通の話題すら見出せず、多少なりとも心のどこかにもどかしさを覚えました。
そんな他人とは明らかに異なる『ズレ』に、当時は悩まされたものです。

ですが、思春期だからと言って、異性との距離を縮めたいが為に、ひとりこっそり『ニューミュージック』の類を聞いたところで幼少の頃より養われた音感はズレを埋められるワケも無く、むしろ近所の野良猫の伸びきった毛を『ロックだな~・・』とワケワカメな愛しさから撫でまわし、一応に辿った受験生当時は、メタリカでヘッドバンキングしながら、時にはニルバーナのカート・コバーンよろしく、勢い余って机に頭を打ちつけ悶絶しながら、幾多の問題集を攻略し、自身なりに時流に呑まれずに過ごしす事が出来たと自負しています。

しかし自身が時流に呑まれずとも、所詮は資本主義の上になりたっているHR/HM。
それまで贔屓にしていたバンドは次第にあたかも『大衆受け』を狙ったかのような曲を出すようになります。そしてHR/HMの世界ではジャーマンメタルを代表とするメロディアスなロックバンドが持て囃される様になっていきました。

自身も当時はマイケル・キスクの歌声に惚れ込んだひとりでありますから、ジャーマンメタルを否定するつもりは毛頭ありませんが、幾らツインギターで音に厚みを持たせようが、メロディアスなまとまりある曲調と幼少から慣れ親しんだ音がシンクロする事は無く、一抹の寂しさを感じつと共に次第にHR/HMから離れていくようになりました。

そんな中、ひと昔前に世界的動画サイトTube8…もとい、You Tubeで『カノン・ロック』と言う曲を耳にしました。カノンと聞いてピンと来た方もいるかと思いますが、クラシックを聞かない人にもお馴染みのパッヘルベル作曲のあのカノンであります。

JerryC氏が編曲し、その曲を動画サイトにアップした所、その超絶テク満載の動画をご覧頂ければわかる通り、世界中の腕に覚えのあるギター愛好家の方々が次々にアップしていき、一躍火がつきました。

この曲を聞くと何故か心地良さを覚えるのですが、それを思うに、メロディアスなHR/HMも実は慣れ親しんでいたせいもあるでしょうが、それ以上に、世界中の人が同じ曲を弾き、純粋にギターを楽しんで競う姿に、平和と言うと大袈裟かも知れませんが、HR/HMが生んだ一体感のようなものを感じるからなのでしょう。













そしてこの歳にして Canon Rock に音楽とは目でも楽しむ事が出来るのだと教わりました…(え
m(__)m




…彼女には是非とも頑張って頂きたい!!