ようやく朝晩が涼しくなり、秋の訪れを感じるようになりました。砂場で山やトンネルを掘って水を流し泥んこになっている子や、友達と鬼ごっこをして走り回る子、三輪車にのって園舎周りをぐるぐる回る子…園庭にいつもの風景が戻っています。

 

~性教育をオープンに語り合う~

性教育を学ぶようになってから、幼児トイレが玄関先から見えてしまうことが気になっていました。年長さんくらいになると、排泄から後処理まで個室トイレの中で完結することが出来ますが、幼い子達はおしっこを済ませたあと、おしりを出したままドアから出てきて、大人にパンツをはかせてもらうこともしばしば。立ち便器を使っている子達も、ズボンやパンツをおしり下まで全部下ろして用を足すので、そんな姿が中広場や玄関にいると見えてしまうんですね。こども達には【自分の体は大事にしよう】と伝えているし、その大事なからだを守ってあげたい…。そんな話をしていたら、早速職員が目隠しにとパーテーションを作りました。どこに置いたら見えないかな?立ち便器の横に置いてみようか、1枚だけじゃ見えちゃうから次の便器の間にも置く?必要な時に目隠しできるように予備も置いておこうか…と、まずは設置してみることにしました。

そのことについて職員会議で議題にあがると、「一般的に男トイレには立ち便器の間に1つずつ仕切りなんて無い」と男性職員からの話。女性職員はえぇーーー!?と驚き。そういえば男の子はいつからズボンを全部下げずにおしっこできるようになるのかな。こども用のズボンて前チャック付いてないよね?男の子たちは恥ずかしくないのかな?そもそも“恥ずかしい”って感覚はいつから生まれるんだろう…。大人が「そんなことしたら恥ずかしいよ」と言うことで植え付けている?でも着替えで恥ずかしがる子も実際にいるよね・・・などなど、話が膨らんだのでした。

職員間では【からだの話】をすることがオープンになって、性教育が特別な話ではなく、保育の話のひとつとして自然に出来るようになってきたのを感じています。こどもに“おっぱい!うんちー!”とか言われても、おっ興味があるのかな?と、こどもとからだのことを話すきっかけにすることもあります。幼児クラスの絵本コーナーには、性教育に関する絵本も置くようにしました。こどもが面白がっているからだのこと、絵本や遊び歌を使って楽しく伝えていきたいものです。

 

パーテーションを設置してみて、こども達の反応はというと。見られないから安心した、さらにドアも欲しい、という意見もあれば、すぐに手を洗いに行けないから無い方がいい、という声も。なので、奥のトイレはパーテーション有り無しを自由に選べるようにしました。こどもの思いを置いて先へ先へと進めなくてもよいかな、と思う反面、安心して過ごせる環境をどう作っていくのか、職員みんなで引き続き考えていこうと思います。

からだのことだけではなく・・・楽しい・嬉しい・悲しい・さみしい、などの自分の気持ちや相手の気持ちに気づくこと、自分が大切にされ、自分を大切に思い、相手のことも大切にする。それは生活の中で既にこども達がたくさん感じていることであり、そんなこども達の思いを受け止めている保育現場や家庭では、すでに性教育が始まっているんですよね。いつか、保護者のみなさんとも、こどもの心とからだのお話ができたらいいなぁ~と思っています。

 

~【香害】知っていますか?~

ところで、みなさんは香害という言葉をご存じでしょうか?先日、園長たちの集まる会で香害に関して話を聞く機会がありました。

※香害とは合成香料の含まれる製品の化学物質により、咳、頭痛、めまい、吐き気、アレルギー症状や化学物資過敏症などを誘発する健康被害のこと

小学校では給食当番のエプロンを各家庭で洗濯した際の柔軟剤などで体調不調を訴える児童もいるようです。各都道府県や市町村、環境省や消費者庁等からも注意喚起のお知らせが出ています。

人間は一日にご飯茶碗100杯分の空気を吸っているそうです。空気に含まれた化学物質である香りの成分が微量であれど、それだけ空気を取り込んでいるので体内にじわじわと蓄積してしまうのですね。とはいえ香りのすべてが悪いわけではなく、精油と呼ばれるものは身体を整えるのにも一躍かっているようです。海外ではスポーツ選手や体調不良の人がアロマを利用して身体をケアする文化もあり、医療的なエビデンスもあるようです。そうは言っても家中見渡せば、シャンプーやら柔軟剤やら芳香剤やら香りのするものばかり~。過度に警戒する必要もないとは思いますが、周りに香りで不調をもたらす人がいるかもしれない…と頭の片隅に置いておくことや、身の回りの生活用品を今一度見直すのも良いかなぁと思えたお話でした。

さて、近頃は運動会に向けて、子どもたちの好きなこと・楽しめることを種目にしようと、担任は色々な運動あそびを投げかけています。年長はこれまでにもリレーやタイヤ取りを何戦か繰り返しては勝敗に一喜一憂する姿もあり、徐々に盛り上がってきました。小・中学生の卒園児には、先日スーパーリレーの招待ハガキを送りました。旧職員も遊びに来てくれる予定です。リレーはちょっと…という子も、この機会に園に遊びに来て顔を見せてもらえたら嬉しいです。

 

2024年9月30日

園長 小宮 知子