2月14日 リテラ記事より

 

 

きのう、13日夜23時8分ごろ、東北地方で最大震度6強の地震があり、宮城県、福島県、茨城県など100人を超える負傷者が出ている。しばらく、同規模地震が起きる可能性があるとして、気象庁は注意を呼びかけている。地震そのものにも引き続き注意が必要だが、今回の地震をめぐってネットではもうひとつ危険な事態が起きている。

 

 昨晩の地震発生直後から、SNSでは、引用するのもはばかられるような極めて悪質な差別デマが飛び交っているのだ。

 

〈朝鮮人が福島の井戸に毒を入れているのを見ました!〉
〈BLMが井戸に毒を投げ込んでる!!!!!〉
〈こういう災害には必ず奴ら(特定アジア)が何かやるんだな。関東大震災以来ずっと…〉 


〈バカ朝鮮人どもが喜んでるんやろな〉
〈災害に乗じた空き巣等の犯罪に注意。都心の外国人の多い地域は、特に戸締まり用心、火の用心。〉

 

 言うまでもないが、これらのツイートはいずれも完全なデマである。2016年の熊本地震、2018年の大阪地震など、近年、災害が起きるたびに、外国人と犯罪を結びつける投稿が多数投稿されるようになっているが、上述したものは一例で今回も数多くの差別デマが投稿されている。

 

 こうしたツイートには、心ある人々が、差別デマとしてtwitter社に通報しているが、その差別への抗議活動に対しても攻撃が加えられている。通報した人のことを 

 

「通報扇動」「通報のほうが差別」と非難したり、「ただのネタなのに」「ジョーク」「ただのパロディ」などと冷笑しながら差別行為を肯定する投稿が多数寄せられているのだ。

 

 命に関わる状況での醜悪な差別ツイートが、それに対する批判を差別と同列扱いしたり、醜悪な差別を「ネタ」「パロディ」「ジョーク」などと言い張るとは、いったいどういう神経をしているのか。

 だいたい、こうした差別デマが「ネタ」「ジョーク」などですまされないことは、関東大震災発生時のデマが朝鮮人虐殺を引き起こしたことからも、明らかではないか。1923年9月、マグニチュード7.9の大地震発生直後の数日間で、「朝鮮人が暴動を起こした」「井戸に毒をいれた」「放火している」等のデマが広がり、日本人らによる大規模な朝鮮人のジェノサイドがおこなわれた。そうしたことが2度と行われないように、戦後、その反省が語り継がれてきたのではなかったか。

 

 しかし、考えてみれば、こうした差別デマが跋扈するのはある意味当然の流れともいえる。近年は戦前戦中の日本の悪行をすべてなかったことにする歴史修正主義が跋扈し、関東大震災の朝鮮人虐殺を否定する言説までが大声で語られるようになっている。

 

 そして、震災のたびに、関東大震災のときとまったく同じ「朝鮮人が毒を入れた」「略奪行為をしている」といった差別デマがばらまかれるようになった。

 今回、差別デマへの注意を呼びかけている津田大介氏が、呼びかけを揶揄する者に応じる形で〈10年前のツイッターはこんなにベタな差別煽動はあふれてなかったので、必要な対応と思ってやっているだけです。〉とツイートしていたが、その通りだろう。

 

 このような差別デマを放置したら、そのうち、関東大震災のときと同じようなジェノサイドが起きかねない。

 

 そうした事態を止めるためには、政府やマスコミ、twitter社に対してこうした差別デマを否定する声明を求めていくのはもちろん、いま一度、歴史修正主義によって否定されようとしている関東大震災で起きた朝鮮人虐殺という歴史的事実を振り返る必要があるのではないか。

 

 たとえば、『九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響』(加藤直樹/ころから)には、震災当時の虐殺を目撃した市井のひとたちの証言や、公式・私的を問わない数多の記録が詳細に取り上げられている。

 

 この本を紹介したリテラ の記事を以下に再録するので、あらためて、関東大震災と“朝鮮人虐殺”に直面した人たちの声に耳をすませ、史実を直視してほしい。


 (リテラ記事1ページ目をお借りしました) 

 

 

 続き「目撃された朝鮮人虐殺の一部始終 」   記事本文をお読みください。 

 

 

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現代日本の歴史認識 (中塚明 著書)

 

中塚明さんの著書 『現代日本の歴史認識』の中で、半藤一利さんの書かれた

『昭和史』について紹介されています。

 

〈以下中塚さんの著書より抜粋〉

 

『昭和史』は 「学校でほとんど習わなかったので昭和史のシの字も知らない

私たち世代のために、手ほどき的な授業をしていただけたら、たいそう日本の

ためになると思うのですが」とのある出版社の女性編集者の願いをうけて、

半藤さんが九ヶ月にわたって話をされた記憶をまとめたものです。

口語体で書かれていて、とても読みやすくわかりよいのです。

2004年2月の初版以来、増刷を重ねています。

「毎日出版文化特別賞」も受賞しました。

 

 

(中略)

半藤さんの言いようもない「ため息」が500ページ余のこの本の結論なのです。

共感を持って読み終えた読者も多いでしょう。

そして「昭和の二十年がどういう教訓を私たちに示してくれたか」として

五つの教訓を示しています。

 

第一に国民的熱狂をつくってはいけない。

 

二番目は、最大の危機において日本人は抽象的な観念論を

非常に好み、具体的で理性的な方法論をまったく検討しようとしないということ。

 

三番目に、日本型のタコツボ社会における小集団主義の弊害。

 

四番目に、国際社会のなかの日本の位置づけを客観的に把握していなかった。

常に主観的思考による独善に陥っていた。

 

五番目に、何かことが起こった時に、対症療法的な、すぐに成果を求める

短兵急な発想で処理する、時間的空間的な広い意味での大局観がまったくない、

複眼的な考え方がほとんど不在であった。

 

このような日本人のあり方、それは今日の日本人にも同じことが

多く見られて、現代の教訓でもある、と述べられています。

「直接の戦争体験の有無をいっているのでない。戦争や軍事にたいする

深い洞察と想像力の欠如している子供が、いまの日本に多くなった。

それを心から憂ている。」とも言っておられます。

「日本は平和憲法を機軸に進むべき」と説かれているのです。

 

ー中塚明 「現代日本の歴史認識」よりー

 

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ヘイトデマを流していたのは極一部で、ネットサポーターなる者が

複数のアカウントを使ってデマを流布していたのかもしれません。

その実態はよくわかりませんが、現在東京都知事である小池百合子氏は

朝鮮人犠牲者追悼式典に追悼文の送付を3年間見送り、式典主催者からは

「事実の風化につながる」と批判の声が上がっているとのこと。 

 

このような人物が、昨年ダントツの得票数で日本の首都東京の都知事に選ばれている

という事は、朝鮮人虐殺の歴史は一般的には知られていないのでしょうか。 

 

 

 

 また同じく、昨年の都知事に再出馬した桜井誠氏は全国でヘイトスピーチを

繰り広げ、沖縄基地運動でもヘイトスピーチ行なっていた人物ですが

都知事選では18万票獲得し、22人候補者中得票数で5番目につけていました。  

 

「都知事選でも、新型コロナウイルスを「武漢肺炎」と呼び、中国人を「シナ人」、中国政府を「中共」と呼び変え、新型コロナウイルス感染阻止のためとして、中国人観光客の入国拒否や徹底的排斥を呼び掛けて選挙戦に臨んだ」と記事にもあります。

  

この記事を書いた古谷氏は文末

「桜井誠氏の18万票は一過的には衝撃とはいえ単なる内紛の結果に過ぎないのである。」と締めくくっていますが、れいわ新選組を支持している人でも桜井誠に支持を

変えた、又は両方を応援していた人を何人か知っています。

これは 単なる内紛であったのでしょうか?   

 

私も日本の近代史をよくは知りませんが、桜井誠のように仮想敵国をでっち上げる者が 愛国者であるかのように錯覚し、それが自分のアイデンティティをも満たす幻想を抱いて支持してしまうのは、私たちが正しく歴史を知らない事が原因ではないかと思うのです。 

 

また、何が本当の事がわからず、人々が不信感に満たされれば、人は抵抗する力意欲を失ってしまうのため、低投票率 が続いているのかもしれません。 

 

嘘、デマをわざわざ振りまく者は社会的混乱をもたらす事自体に目的があるとも

考えられます。 

 

 

 

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例え歴史を知らないとしも、このニュースがフェイクに思えるでしょうか。