現場テラゾーからの広がり
前回のつづき。
当社の現場テラゾーカウンターの1号機は札幌市内の飲食店にありました。
「・・・ありました」という過去形なのは、残念ながら今はもう営業していないのです。
このカウンターはエレベーターを降りた真っ正面に鎮座しており、エレベーターの扉が開くと、どーーん!と目の前にこの黒い石の塊のようなカウンターが目に飛び込んできました。
長さ4メートル、高さ1メートルぐらいだったと思います。
軽量コンクリートブロックで下地を作り、モルタルで形を造形し、黒くて大きな種石を黒で配合したセメントに混ぜ塗り付け、
表面を研ぎ上げて、つなぎ目無しの一つの削りだした石の塊のカウンターのように見せる擬石工法。
前回のブログで、完璧な仕事ではなかったと書きましたが、どこが完璧でなかったかというと、下の写真を拡大するとわかるかもしれませんが、細かいちょっとした凹みがあるのです。
ところが、お店が出来てから数年して久住章さんがこちらのお店に来て下さる機会があったのですが、久住親方、このカウンターを見るなり、「今まで見た中で、一番ええわ!!」と。
そして「この細かい凹凸がまた雰囲気を出していてええな〜」と。
必死になって、必死になって、寝られないほど必死になって作ったものは、何か人知では計り知れない、気とかオーラというものを醸し出すのかもしれない。
そんなことをこのテラゾーカウンターで学びました。
この仕事をきっかけとして、同じような黒の現場テラゾーをいくつも施工させていただきました。
2号機は札幌駅の駅ビルの中の飲食店。
今から16年前の仕事。
懐かしいですね〜みんな笑っちゃうほど若々しいし。笑
2回目だけあって、現場も落ち着いていましたね〜
仕上がりも素晴らしい
現場テラゾーカウンター工事をきっかけに、その工事に付随する壁の仕上げ、床のカラーモルタル仕上げも施工する事になりました。
その後も、現場テラゾーカウンターをきっかけに、様々な目的、形のカウンター等を施工させていただきました。
そして、それらの仕事に付随して、
こちらのお店では、
このカウンター仕上げをご縁として、壁の珪藻土仕上げも
床の特殊モルタル仕上げも
これらの仕事が評判となり、今度は赤のカウンターに挑戦。
骨材にもこだわり、とても喜ばれるカウンターが出来ました。
このお店では、床のスタンプコンクリートに挑戦。
店内の壁は珪藻土仕上げでしたが、この壁もバーミキュライトというキラキラ光るやわらかい骨材を入れて
表面をブラシで荒らして、そのキラキラが壁の表面に出るように仕上げました。
このようにして、当社の特殊左官工事は広がっていきました。
ここまで振り返ってみて、共通しているのは、どの現場も常に新しい事に挑戦したということです。
ただ同じ物を作るのではなく、前回よりもほんの少しでもより良いもの、より新しいものをと。
この考え方で仕事をしていると、必ずと言っていいほど、不思議な事が起こります。
必ずといって「今の自分達には出来ない仕事が天から与えられる」
それはまさに、神様に試されているようです。
でも、きっとここであきらめてしまうと、この流れも止まってしまうのかなと。
なので、どんなに苦しくても、あきらめずに挑戦し続けています。
そしてその挑戦を乗り越えると、休む間もなくまた新しい挑戦が降ってくる。笑
その繰り返し・・・
こうして日々、ほんの少しづつですが、人も企業も成長し続けていくのではないかなと思います。
これからもまだまだ中屋敷左官工業は挑戦し続けます。