🇯🇵建国記念の日にあたり🇯🇵

 

――感謝と、これから果たすべき役割――

 

本日、2月11日は建国記念の日です。

日本の歩みと、その礎を築いてこられた先人に思いを馳せ、心よりお祝いを申し上げます。

 

この日本は、長い歴史の中で幾多の困難を乗り越え、その都度、国民一人ひとりの力によって立ち上がってきました。

建国記念の日は、「日本をこれからどう護り、どう発展させていくのか」を私たち自身に問いかける日であると、私は考えています。

 

2月8日の選挙結果が確定したのは、日付が変わった2月9日午前2時23分のことでした。

長い夜を越え、その瞬間を迎えたとき、私の胸にあったのは安堵ではなく、「日本に対する責任の重さ」でした。

 

※写真は熱の中、最大限のスマイルを見せようとする筆者。

発熱が続いておりましたが、神様へのご挨拶だけはどうしてもと思い、10日、大阪城内の豊国神社に参拝させていただきました。

改めて身の引き締まる思いで、皆さまへの感謝と決意を胸に刻んでまいりました。

 

 

【 今回の選挙を終えて 】

 

このたびの選挙にあたり、大阪4区の有権者の皆さま、そして全国から応援し支えてくださったすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。

 

街頭で足を止めて声をかけてくださった方、

厳しい寒さの中で最後まで見守ってくださった方、

直接お会いできなくとも、ネットやメッセージを通じて励ましを届けてくださった方――

その一つ一つが、私にとって大きな力となりました。

 

今回の選挙は、私自身にとっても、多くのことを考え、学ばせていただく機会でした。

政治は結果がすべてであると同時に、その過程において、どれだけ誠実に有権者の皆さまと向き合ってきたかが問われるものだと、改めて実感しています。

 

私はこれまで、

 

・強い経済をつくること

・強い外交・安全保障によって日本を護ること

・そして何よりも、国民の命と暮らしを護る政治を実現すること

 

この三つを、政治の軸として掲げてきました。

 

今回の選挙は、

政党の選択ではありません。

 

日本の未来に、誰が責任を負うのかという選択です。

 

世界は今、大きく変化しています。

目に見える軍事的脅威だけでなく、サイバー攻撃、情報操作、インフラへの見えない侵入といった新しい形の脅威が、日本の生活や経済、安全保障を直撃する時代に入りました。

 

サイバー空間は、もはや単なる技術分野ではありません。

日本の安全と国民の命を護る最前線です。

 

さらに、AI、量子、先端半導体、宇宙、デュアルユース技術など、ディープテックやゲームチェンジャー領域は、日本の経済力と安全保障の将来を左右する重要分野です。

 

これらは一朝一夕で成果が出るものではありません。

しかし、今ここで手を打たなければ、日本は確実に国際競争の中で後れを取ります。

 

だからこそ私は、目先の人気や分断を煽る政治ではなく、現実を直視し、責任ある判断を積み重ねる政治を貫いてまいります。

 

大阪4区から、日本を護る責任を負える政治家を国会へ。

その役割を、私は引き受けました。

 

建国の原点に思いを馳せる今日、

日本を必ず護り抜くという決意を、改めて胸に刻みます。

 

今回の選挙で寄せていただいたご支援、そして厳しいご意見の一つ一つを真摯に受け止めながら、これからも一歩一歩、誠実に国政の場で役割を果たしてまいります。

 

今後とも、変わらぬご指導とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 

中山泰秀

 

今年で阪神・淡路大震災から31年を迎えました。

あらためて、大自然の猛威の中で尊い命を失われたすべての方々に、心より哀悼の誠を捧げ、衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

災害は、ある日突然、日常を奪います。

家族と過ごしていた時間、子どもたちの未来、当たり前だと思っていた暮らしが、一瞬で失われてしまう。阪神・淡路大震災、東日本大震災、そして近年の能登半島地震。

 

そのたびに、私は「もし自分の家族だったら」「もし子どもたちがそこにいたら」と、強く考えさせられてきました。

 

多くの方が、災害時にはご自宅近くの学校施設へ避難されます。
では、その学校が被災していたらどうなるのか。

 

寒さや暑さ、プライバシー、トイレや寝る場所――
避難所の環境は、本当に命を守る場所になっているのか。

 
※ここにある3枚の写真は、学校施設整備費を内閣総理大臣、内閣官房長官、総務大臣などに説明し、要求していた当時の様子。
 

この問題意識から、私は衆議院議員在任中、学校施設の耐震化や防災機能強化に取り組み、関係省庁を回り、予算の確保と制度整備に力を尽くしてきました。
段ボールベッドの導入も、その一環です。

 

「命に格差はない」

 

「避難所は、命を守るシェルター施設でなければならない」

 
 

この考えは、議員であるか否かに関わらず、今も変わっていません。

 

先日来日されたイタリアのメローニ首相の母国イタリアでは、避難所運営や防災体制において、先進的な取り組みが積み重ねられています。

災害対応は、国家の覚悟が問われる分野です。

日本でも、政府は事前防災や避難環境の整備、司令塔機能の強化を進めています。

 

2025年12月26日には「防災立国の推進に向けた基本方針」が閣議決定され、年内には防災庁の設立も予定されています。

しかし、防災は制度を作れば終わりではありません。

 

平時からの準備の積み重ねこそが、命を守る力になります。

家族を想い、地域を想い、子どもたちの未来を守る。


それが、政治の原点であり、保守主義の出発点だと私は考えています。

 

 

皆様とともに、
「命を守る政治」を、これからも一歩ずつ進めていきたい。

 

そうした思いを胸に、今日という日を受け止めています。

 


政治家
中山泰秀

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界はすでに「新冷戦構造」に入っている

― グリーンランド報道をどう読むか ―

 

最近のグリーンランドをめぐる報道を見て、
アメリカ政府のやり方について「唐突だ」「乱暴だ」と感じた方も多いかもしれません。

しかし、世界情勢を考える際に最も重要なのは、
個別の出来事を切り取らず、全体の構造を見ることです。

そして、その前提として、
私たち日本がどの国家群に属しているのかを、
まず明確にしておく必要があります。

 

image

 

日本は現在、
米国を中心とする西側民主主義陣営に属しています。
価値観とルールを共有する国家群の一員です。

この立ち位置を前提にしなければ、
グリーンランドをめぐる今回の動きも、
その意味を正しく理解することはできません。

 

 


 

何が起きているのか?

 

まず、今回の報道で押さえておくべき事実関係を整理します。

 

今回の動きの本質は、
アメリカが領土そのものを狙っているという話ではありません。

 

米ホワイトハウスは、グリーンランドをめぐる動きの狙いについて、
中国とロシアによる北極圏での影響力拡大を強く警戒していることを明らかにしています。

 

ホワイトハウス報道官は、
2026年1月7日、ワシントンで行われた記者会見において、
今回の動きの背景について、

“to counter the growing influence of China and Russia in the Arctic”

との趣旨を説明しています。

 

すなわち、今回の動きは、
北極圏における主導権をめぐる戦略的判断として位置づけられるものです。

 

背景には、気候変動の進行があります。
北極海航路の実用化、地下資源へのアクセス、
そして軍事拠点としての戦略的価値が、急速に高まっています。

 

また、アメリカはこの問題を武力で処理しようとしているわけではありません。
国務長官のマルコ・ルビオ氏は、
来週、デンマーク側と正式に協議することを明らかにしています。


同盟国間での制度的・政治的な調整を通じて対応しようとしている点は、
冷静に見ておく必要があります。

 

そして、この動きの背景には、
ロシアと中国による北極圏への進出があります。

ロシアは、北極圏の軍事基地を再活性化させ、
原子力潜水艦やミサイル拠点としての運用を強めています。


中国は「近北極国家」を自称し、
資源開発、港湾、通信インフラなどを通じて、
北極圏への影響力を着実に拡大してきました。

 

 


 

世界構造として、何が起きているのか?

 

こうした事実を踏まえると、
今回のグリーンランドをめぐる動きは、
決して突発的なものではありません。

 

いま世界は、
ロシア・中国・イラン・北朝鮮といった国々が事実上コラボレーションする形で、
冷戦期の「東側諸国」をアップデートしたような、
覇権主義・専制主義的な陣営を形成しています。

 

この構造が、
軍事衝突として最も露骨に表出したのがウクライナ戦争です。

 

ロシアによるウクライナ侵略は、単なる地域紛争ではありません。
それは、西側民主主義陣営全体に対する挑戦であり、
中国・イラン・北朝鮮がロシアを間接的に支えることで、
この対立構造は一層明確になりました。

 

軍事、経済、エネルギー、技術、情報戦。。。


あらゆる分野で、これらの国々は連動して動いています。

 

この前提に立てば、
ウクライナ、グリーンランド、ベネズエラ、台湾海峡をめぐる動きは、
すべて同じ一本の戦略線上にある出来事だと分かります。

 

 

 

 


 

なぜ報道は分かりにくくなるのか。

 

にもかかわらず、報道の中には、
西側の動きだけを「挑発」「覇権」と描き、
ロシアのウクライナ侵略や、
中国の拡張的行動を相対的に正当化するような論調も散見されます。

 

報道は事実を伝えていても、
その事実をどういう論理で配置するかは、
書き手の思想や立ち位置に強く影響されます。

 

共産主義的な視点、反米的な視点を持つ記者や論者が書けば、
西側の抑止行動を否定的に描くのは、
ある意味で自然なことです。

 

SNS、特にXを見ていても、
日本語で書かれてはいるものの、
文体や論点の置き方を見ると、
中国やロシア側の論理に強く寄っていると感じる投稿に出会うことがあります。

 

だからこそ、
「日本語で書かれているから安心」ではない
という意識が、これまで以上に重要になります。

 


 

日本にとって何が問われているのか。

 

世界はすでに構造的対立の時代に入っています。
ウクライナで起きていることは、その最前線です。


そして、その延長線上に、北極圏、台湾海峡、中東、南米があります。

 

その中で、
日本はどこに立ち、何を守るのか。

 

この前提を外さずにニュースを読むことこそが、
いま最も求められている安全保障リテラシーだと思います。

 

 

政治家

中山泰秀

 

 

#新冷戦

#国際情勢

#安全保障

#地政学

#グリーンランド

#北極圏

#ウクライナ

#情報戦

 

問われているのは「戦争」ではない

〜 抑止と誤算、そして日本の判断 〜

中国をめぐる議論では、
どうしても「戦争が起きるのか、起きないのか」という問いが前に出がちです。

正直に言えば、私自身も当初は、
そうした問い方に引き寄せられがちでした。
しかし、中国の一連の動きを注意深く見ていく中で、
その問い方だけでは、状況の本質を捉えきれないのではないか、
そう感じるようになりました。

 

image

高市早苗大臣(当時)から、街頭演説会にて応援を受ける筆者。

 

実際、中国が中期的から長期的な時間軸で戦略を練る国であることは、
昔から国際社会ではよく知られてきた事実です。
短期の出来事や単発の事象だけを切り取って理解しようとすると、
かえって全体像を見誤る危険があります。

中国は、正面から分かりやすい形で事を起こすとは限りません。
むしろ、相当したたかに、時間をかけて仕掛けを考えてくる。
相手の判断を鈍らせ、迷わせ、
気づかないうちに選択肢を一つずつ狭めていく。
そうした動きを、段階的に、そして粘り強く重ねてきます。

 


思考のアップデート

私自身、過去に国立国会図書館で、
中国の対外戦略や工作を扱った資料に目を通してきました。

その中には、
『日本開放工作の秘密司令』のような、
当時の問題意識を反映した著作物もありました。

また、過去には、
中国人民解放軍の軍人が執筆した
『超限戦』といった書物も購入し、
思考の参考として読んできました。

もちろん、これらの書物を
そのまま事実や方針として受け取るつもりはありません。

ただ、こうした文献に示された考え方と、
その後に実際に目の当たりにしてきた中国の対外行動を
重ね合わせて考えていく中で、
中国の行動は、単発的・偶発的なものというよりも、
長い時間軸で設計されたものとして捉える必要がある、
そう考えるようになりました。

その意味で、
私自身の中でも、考え方の「思考のアップデート」が必要だと感じました。

「戦争が起きるか、起きないか」という二択で構えるよりも、
意図せず事態が進んでしまうエスカレーションや誤算に、
より注意を払う必要があるのではないか。
私は、そう考えるに至りました。

image

筆者16歳、米国議会議事堂の前にて。ピート・ドメニチ上院議員・ナンシー夫人による撮影。


抑止とは何か

抑止は、軍事力の量だけで成り立つものではありません。

国際政治の現場では、

・どの程度の能力を持っているのか
・いざという時に、それを使う意思があるのか
・その判断が、相手から見てある程度予測できるのか

この三つがそろって、はじめて抑止は機能します。

日本にとってのリスクは、
防衛力そのものが不足していることよりも、
意思や判断の軸が外から見えにくくなってしまうことにあります。

判断の予測可能性が下がれば、
相手は慎重になるどころか、
「少し試しても大きな代償は払わずに済むのではないか」
と計算し始めます。
そこから誤算が生まれ、
エスカレーションの危険が高まっていきます。


中国が狙っているもの

中国にとって、日本を正面から敵視し、
大規模な軍事衝突に踏み切ることは合理的ではありません。
コストが高すぎるからです。

それよりも、中国が重視しているのは、
日本の判断を鈍らせ、抑止に空白を生じさせることだと、
私は見ています。

具体的には、

・日本国内の議論がかみ合わず、分断が深まる
・政治判断が先送りされる
・日本がどこまで動く国なのか、外から見えにくくなる

こうした状態を作り出すことです。

その結果、相手は
「まだ踏み込めるのではないか」
「リスクは限定的ではないか」
と受け止めるようになります。

これは、国際政治において
誤算が生まれる典型的な前段階です。


「同盟が揺らぐ」とはどういうことか

ここで言う同盟とは、まず日米同盟です。
日本の安全保障の基軸であり、背骨です。

同盟が揺らぐというのは、
条約が破棄されることでも、
同盟そのものが消えることでもありません。

日本の判断が読めず、
同盟全体の作戦や対応に不確実性が生じてしまうこと。
これを指しています。

日米同盟を軸に、
日米韓、日米豪、日米比、
さらに台湾をめぐる安全保障上の連携は、
すべて信頼と予測可能性の上に成り立っています。

その一部が曇るだけで、
抑止力は静かに、しかし確実に弱まっていきます。


中国が日本にかけてくる圧力のかたち

私の見立てでは、中国の圧力は、
一気に強く出る形ではありません。
日本を少しずつ疲れさせ、
判断力と集中力を削ぐように設計されています。

まず、情報や心理の面から揺さぶりをかけ、
何が正しいのか分かりにくくし、
議論を長引かせます。
これだけでも、政治の判断は遅れがちになります。

次に、経済や外交の分野で、
特定の分野に限定した圧力をかけてきます。
「これ以上刺激すると損をするのではないか」
という空気が広がり、
決断そのもののコストが引き上げられます。

さらに、一線は越えない形での軍事的示威を常態化させ、
警戒を日常業務に変えていきます。
緊張感は徐々に薄れ、
対応は「慣れ」や「疲労」に置き換わっていきます。

これらすべてに共通する狙いは、
日本を消耗させ、
なるべく波風を立てずに済ませたいという心理状態に
追い込むことです。

 

image

台湾の友人、ジョセフ・ウー氏と。


結びに

これは、戦争を煽るための議論ではありません。
戦争を起こさせないために、
抑止を機能させ続けるための議論です。

日本が、どう動く国なのか。
どこに線を引き、どのように判断するのか。
その軸を内外に分かる形で示し続けること。

それこそが、
誤算とエスカレーションを防ぎ、
日本の信頼と平和を守る、
最も現実的な道だと、私は考えています。

 

 

政治家

中山泰秀

 

 

#抑止 #日米同盟 #安全保障 #地政学

 

〜 Decisions of the 1970s and the Reality of Taiwan Today 〜

How past political choices are confronting us in the 21st century — reflections on Taiwan, the One China policy, strategic ambiguity, Hong Kong, and the U.S.–Japan alliance.

 


 

I write this as a Japanese politician currently outside office, to share candid reflections on how political decisions made in the 1970s are now bearing down on us as the realities of the 21st century.

 

image

 

Precisely because I am not holding power today, I believe it is important to speak honestly about how earlier political strategies and judgments are now returning to us as concrete challenges that must be confronted in our own time.

 

The large-scale military exercises conducted by China around Taiwan should not be viewed as isolated regional maneuvers. They must be understood within a broader strategic context—one that tests how far the international community will tolerate changes to the status quo imposed by force.

 

The United States, through its National Security Strategy and related policies, has emphasized a more selective approach to global engagement, including a renewed focus on the Western Hemisphere. This is, of course, a legitimate expression of American sovereignty.

 

At the same time, from the perspective of allies, it is necessary to consider how such strategic signals are perceived internationally. This reassessment of America’s global posture did not begin recently. Since at least the George W. Bush administration, successive U.S. governments—Republican and Democratic alike—have spoken of reducing overseas commitments and redefining America’s role in global security.

 

Over time, many countries, experts, and even allies have interpreted this as a gradual shift away from the role of global security guarantor. Whether intended or not, this perception is now being tested by authoritarian and revisionist actors.

In this context, Taiwan has become a global litmus test.

 

Taiwan has not sought confrontation. Taiwanese society is not belligerent. It has consistently prioritized peace and the stability of the status quo. Yet despite this, we see growing military pressure designed to probe how much coercion the world will tolerate.

These actions are not limited to conventional military domains. 

 

In cyberspace—an invisible yet decisive arena—China is also testing the limits of international restraint. There are credible indications that networks in Japan are being exploited as stepping stones for cyber operations targeting third countries, including the Philippines. From the perspective of those countries, such attacks can appear as if they originate from Japan itself.

 

image

 

This underscores a critical reality: cyber threats now directly affect trust among allies and partners. They are no longer abstract or distant concerns.

 

At this point, it is essential to clarify what is meant by the “One China policy.”

China’s own position—often referred to as the “One China principle”—asserts that Taiwan is an inseparable part of China and that the People’s Republic of China is the sole legitimate government representing all of China. This is China’s national claim.

Democratic countries do not share this position.

Japan and other democracies have acknowledged that China holds such a view and have stated that they “understand and respect” it. However, this language does not constitute legal recognition of Taiwan as part of China, nor does it represent acceptance of China’s sovereignty claim over Taiwan.

In fact, no democratic leader accepts “One China” in the same legal and political sense asserted by Beijing.

What democracies have consistently shared is a different principle: Taiwan’s future must not be determined by force, and any change to the status quo must be peaceful.

In this sense, the One China policy has functioned not as an endorsement of China’s claim, but as a diplomatic framework designed to avoid legally fixing Taiwan’s status while opposing coercion.

Closely related is the concept of strategic ambiguity, which has long shaped policy toward Taiwan. Strategic ambiguity refers to deliberately refraining from specifying how one would respond in a Taiwan contingency, in order to balance deterrence and escalation control.

 

image image

 

Here, the experience of Hong Kong offers a sobering lesson.

Hong Kong was not governed by ambiguity. It was governed by explicit commitments. The Sino-British Joint Declaration—a legally binding international treaty registered with the United Nations—promised “one country, two systems” and a high degree of autonomy.

Yet those commitments were not upheld in practice.

This demonstrated a harsh reality: even clear international agreements can be overridden by power if they are not backed by effective deterrence and political resolve.

 

Recent diplomatic developments further highlight this pattern. In early January 2026, China’s Foreign Minister Wang Yi, during a phone call with his South Korean counterpart, criticized what he called “certain political forces in Japan” for “reversing history,” in response to parliamentary discussions in Japan regarding a potential Taiwan contingency.

What deserves attention is not merely the remark itself, but the method. Rather than engaging directly with the substance of the Taiwan security debate, China sought to reframe the issue as a historical grievance and to encourage South Korea to distance itself from Japan.

This represents a familiar form of diplomatic pressure: shifting the discussion from security and international law to history and emotion, with the aim of fragmenting democratic alignment.

How South Korea responds to such pressure will be an important indicator for the future of stability in East Asia.

That is why the question facing us today cannot be avoided.

This time, will it be different?
Will declarations to “protect Taiwan” and “defend freedom and democracy” be supported by credible action and deterrence?
Or will we witness a repetition of what happened in Hong Kong?

Ambiguity can sometimes stabilize situations. But it also carries the risk of being interpreted as non-intervention.

If that misinterpretation accumulates and leads to changes imposed by force, the challenge is not merely regional—it strikes at the foundation of the international order.

Defending freedom and democracy requires cost and resolve. Above all, it requires judgment by those who best understand the value of human life and peace.

 

Here, I wish to express my sincere respect and gratitude to the United States, Japan’s ally. The U.S.–Japan alliance has supported not only Japan’s security, but the stability of the Asia-Pacific region and the international order for decades. For that role, I am deeply thankful.

 

image image

 

At the same time, as an ally, I strongly hope that the United States will continue to demonstrate—through words and actions—that changes to the status quo by force will not be tolerated.

Peace and stability in the Taiwan Strait are not only Asian issues. They are a test of whether the international order will continue to function.

Japan stands ready to work with the United States, balancing dialogue and deterrence, to uphold a free and open international order.

 

These developments only reinforce my sense that we are now living in a moment where political choices must be explained not only with logic, but with responsibility to future generations.

 

Decisions made in the 1970s are now confronting us as the reality of the 21st century. As a Japanese politician—even while outside office—I believe it is necessary to face that reality honestly.

 


 

Update (January 2, 2026, JST)

Following the publication of this essay, the U.S. Department of State issued a statement criticizing China’s recent military exercises around Taiwan as “unnecessarily escalating tensions.” The statement reaffirmed U.S. support for peace and stability in the Taiwan Strait and its opposition to unilateral changes to the status quo by force or coercion.

This development underscores that the concerns discussed above are not isolated views, but are shared at the official policy level of the United States.

 


 

Additional Update (January 2, 2026, JST)

On the same day, Prime Minister Sanae Takaichi of Japan and President Donald Trump held a telephone conversation, during which they reaffirmed the strength of the U.S.–Japan alliance and exchanged views on the Indo-Pacific regional situation amid China’s recent military activities around Taiwan.

They also agreed to proceed with concrete preparations for Prime Minister Takaichi’s visit to the United States this spring, underscoring the importance both leaders place on close coordination at the highest level.

 


 

Thank you very much for taking the time to read this essay.
I wish you all a peaceful and meaningful start to the new year.

 

Yasuhide Nakayama
Japanese politician

 


 

About the Author

 

With some hesitation, but for the sake of clarity for readers outside Japan,
I should note that I am a Japanese politician who has served as
State Minister of Defense,
State Minister for Foreign Affairs,
and Chairman of the Foreign Affairs Committee of the House of Representatives of Japan.

Through these roles, I have been directly involved in diplomacy and national security policy, with particular focus on East Asia and the Middle East, including issues related to counterterrorism and regional stability.

In addition, I currently serve as a member of the board of directors of FFRI Security, Inc., a Japan-based cybersecurity company listed on the Tokyo Stock Exchange Growth Market, which develops domestically produced cybersecurity technologies.

 


#Taiwan
#InternationalOrder
#Democracy
#RuleOfLaw
#USJapanAlliance
#IndoPacific
#StrategicAmbiguity
#CyberSecurity
#InternationalLaw

本稿は、令和7年(2025年)の大晦日にあたり、
日本の政治家としての私の考えの一端を、
記録として記しておきたい
との思いから書くものです。

 

中国が現在進めてきた、台湾を取り囲む大規模な軍事演習は、
単なる地域的な軍事行動としてではなく、
より広い戦略的文脈の中で捉える必要があります。

 

アメリカ合衆国は、国家安全保障戦略、いわゆる National Security Strategy(NSS)などを通じて、
西半球を重視するという戦略的優先順位を明確にし、
世界全体に対して無制限に関与するのではなく、
より選択的な形で国際関与を行う姿勢を強調してきました。

 

これは、アメリカの主権に基づく国家戦略として、正当な判断です。

 

image

 

しかし同時に、同盟国の立場から見れば、
この戦略的な強調が国際社会にどのように受け止められているのか、
その意図せざる影響については、冷静に見ておく必要があります。

 

重要なのは、
米軍の世界的な展開の見直しが、
今回突然始まったものではないという点です。

 

少なくとも、ジョージ・W・ブッシュ政権の時代には、
すでに海外に広く展開する米軍の在り方を見直し、
部隊を本国へ帰還させていくという方向性が、
政策的に語られるようになっていました。

 

それが、

トランスフォーメーション、再編、戦略的優先順位付けなど、さまざまな言葉で表現されてきたとしても、
共和党政権から民主党政権へ、また民主党政権から共和党政権へと
政権が交代してきた中にあっても、
米国が世界の安全保障にどのように関与するのかを再定義しようとする流れが、
一貫して、長期的に続いてきたという点は否定できません。

 

多くの国々や安全保障の専門家、そして同盟国にとって、
それは結果として、アメリカが世界の治安維持を一手に担う存在から、
徐々に距離を取っていく兆しとして映ってきた、
という側面があったのも事実です。

 

このように受け止められてきた印象の積み重ねこそが、
いま、専制主義、権威主義、修正主義的な国家群によって
試されようとしているのだと、私は見ています。

 

その意味で、台湾は今、
力による現状変更がどこまで許されるのかを測るための、
国際社会における一つのリトマス試験紙となっています。

 

台湾は、一貫して対立を望んできたわけではありません。
台湾社会は好戦的ではなく、
平和と現状の安定を何よりも重視してきました。

 

にもかかわらず、
威圧や軍事的圧力によって、
どこまで現状変更が許されるのかを試す行為が、
現実に行われているのです。

 

加えて、こうした動きは、
目に見える軍事領域にとどまりません。


目に見えない領域、すなわちサイバー空間においても、
中国は力による現状変更を試みています。

 

日本のネットワークやシステムが踏み台として悪用され、
第三国、たとえばフィリピンに対する
サイバー攻撃の経路として利用されていると見られる事案も
確認されています。

 

フィリピンの立場からすれば、
それは日本から攻撃を受けているように映る状況と
変わりません。

 

image

 

このことは、
サイバー空間における脅威が、
もはや一国だけの問題ではなく、
同盟国や友好国との信頼関係そのものに
影響を及ぼし得る段階に入っていることを示しています。

 

だからこそ、
サイバー領域において、
日本国民がいわゆる平和ボケであってはなりません。

 

国および地方の行政機関が先頭に立ち、
サイバーセキュリティに関する統一的な標準モデルを
早急に示し、社会全体に浸透させていくことが
強く求められています。

 

image

 

ここで、ワンチャイナ・ポリシーについて、
あらためて整理しておきたいと思います。

 

中国が主張する「一つの中国」とは、
台湾は中国の不可分の一部であり、
中華人民共和国が中国全体を代表する唯一の合法政府である、
という中国独自の国家主張です。

 

しかし、民主主義諸国が採用している
いわゆるワンチャイナ・ポリシーとは、
この中国の主張を同じ意味で承認したものではありません。

日本を含む民主主義国は、
中国には「一つの中国」という立場があることを認識し、
外交上、それを理解し、尊重するという表現を用いてきました。


しかしそれは、
台湾の帰属を法的に確定することでも、
中国の主張に同意することでもありません。

 

実際、中国が考えている意味での
「一つの中国」を、同じ法的・政治的意味で受け入れている
民主主義国家の指導者は、事実上存在しません。

 

民主主義諸国が共有してきた原則は、
台湾の将来は武力によって決められてはならず、
現状変更は平和的に行われなければならない、
という点にあります。

 

言い換えれば、
ワンチャイナ・ポリシーとは、
中国の主張を確定させる枠組みではなく、
むしろそれを法的に固定化しないための
外交的な立場整理であったと言えるでしょう。

 

同時に、台湾をめぐっては、
いわゆる戦略的曖昧性という考え方が、
長く用いられてきました。

 

戦略的曖昧性とは、
台湾有事の際にどのような行動を取るのかをあえて明示しないことで、
抑止とエスカレーション回避の均衡を保とうとする考え方です。

 

しかし、香港の現実は、
国際条約として明示された約束であっても、
それを実際に守らせる実効性が伴わなければ、
力の前に失われ得るという厳しい教訓を
私たちに突きつけました。

 

中英共同声明という国際条約が存在し、
一国二制度と高度な自治が明確に約束されていたにもかかわらず、
その約束は実質的に守られなかったと
国際社会は受け止めています。

 

この事実は、
条約や合意であっても、
それを守らせる現実的な力と覚悟がなければ、
覆され得るという現実を示した出来事でした。

 

だからこそ、私は今、
台湾をめぐる状況を前にして、
同じ問いを避けて通ることはできないと感じています。

 

今回こそ、本当に大丈夫なのか?


「台湾を守る」、「台湾の自由と民主主義を守る」という言葉が、
現実の行動と、信頼に足る抑止力によって裏打ちされるのか?

香港で起きたことと同じ轍を、私たちは再び踏むことにならないのか?

 

曖昧さは、時に安定をもたらします。
しかし同時に、
介入しないという誤ったメッセージとして
受け取られる危険も含んでいます。

 

もし、その誤解の積み重ねの先に、
力による現状変更があるのだとすれば、
それは国際秩序そのものへの挑戦です。

 

自由と民主主義を守るためには、コストと覚悟が必要です。


しかし何より重要なのは、生命と平和の重みを誰よりも理解しているはずの国々が、
どのような判断を下すのかという点です。

 

ここで、同盟国アメリカ合衆国に対して、
一人の日本の政治家としての感謝と期待を、
あらためて明記しておきたい
と思います。

 

日米同盟は、日本の安全だけでなく、
アジア太平洋地域、ひいては国際秩序の安定を
長年にわたり支えてきました。


この間、アメリカ合衆国が果たしてきた役割に対し、
私は同盟国の一員として、
心からの敬意と感謝を表したいと思います。

 

その上で私は、アメリカ合衆国が、
これからも力による現状変更を許さないという原則を、
言葉だけでなく行動によって示し続けてくれることを、
強く期待しています。

 

台湾海峡の平和と安定は、アジアだけの問題ではありません。


それは、国際秩序が今後も機能し続けるのかどうかを左右する、
世界全体の試金石です。

 

日本は、同盟国アメリカとともに、
対話と抑止の両立を図りながら、
自由で開かれた国際秩序を守る責任を果たしていく覚悟です。

 

image

 

中国が威圧と力によって現状変更を試みている今、
私は日本の政治家として、現実を直視する必要があると考えています。

 

本年も多くの方にお読みいただき、
心より感謝申し上げます。

ありがとうございました。

来年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。


皆様、良い御越年をお迎えください。

ありがとうございました。

 

 

政治家

中山泰秀

 

 

 

 

 

上皇陛下におかせられましては、本日、92歳のお誕生日をお迎えになられ、謹んで、心よりお慶び申し上げます。


上皇陛下には、長年にわたり、常に国民に心を寄せられ、平和を深く願いながら、そのお歩みを重ねてこられました。


戦後80年という節目の年にあたり、慰霊と追悼を大切にされてきたお姿は、私たち一人ひとりの心に、静かに、そして深く刻まれています。


上皇后陛下とともに過ごされる日々が、これからも穏やかで健やかなものでありますよう、上皇陛下のご健康とご多幸を、心よりお祈り申し上げます。


🇯🇵🙌上皇陛下万歳🙌🇯🇵
   中山泰秀



▶︎ NHKニュース
「上皇さま 92歳の誕生日」
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015010671000


最近、「日本の核保有」をめぐる発言と、それに対するアメリカ国務省のコメントが報じられ、さまざまな議論が起きています。

「日本は結局、アメリカに追随するだけなのか」

そう感じた方もおられるかもしれません。


今回の議論は、内閣総理大臣補佐官が、たとえオフレコとはいえ「核保有」という言葉に言及したことをきっかけに広がりました。防衛や抑止を現実として考えてきた人間であれば、最悪の事態を想定するという意味で、その問題意識そのものは理解できる部分があります。




私は、安全保障の議論は自由であるべきだと思っています。とりわけ国の存立に関わるテーマについて、議論すること自体が否定されてはならない。しかし同時に、発信の仕方やタイミングによっては、本来の意図とは異なる形で受け取られ、第三国に利用されてしまう現実があることも、冷静に直視しなければなりません。


いまアメリカは、かつてのように「世界の警察」としてすべてを前面に出て背負う国ではなくなりつつあります。一方で、日米同盟をより深く、より戦略的なものへと進める意思も明確に示しています。今回の米国務省のコメントは、日本を抑え込むための言葉ではなく、「日本は何を引き受けるのか」という役割分担を改めて問いかけているものだと、私は受け止めています。


核を持つか、持たないか。これは究極の選択です。しかし、究極のカードは、それを支える現実的な抑止の積み上げがあって初めて意味を持ちます。私は以前から、安倍晋三総理が現職の頃から、日本が本気で抑止を語るのであれば、原子力潜水艦の保有は現実的な出発点の一つになり得ると申し上げてきました。これは核兵器の話ではありません。長期間、深く、静かに行動できる能力を持つこと、島国日本にとって不可欠な「見えない抑止」の話です。


しかし、それだけでも十分ではありません。現代の戦争は、陸・海・空だけで完結しません。宇宙、サイバー、電磁波といった新たな戦闘領域が、すでに抑止の成否を左右しています。相手の動きを把握できなければ、判断も、抑止も、反撃も成り立たない。これらは付け足しの能力ではなく、抑止の土台そのものです。


核を議論するということは、こうした領域を含め、国家としてどこまで責任を引き受ける覚悟があるのかを同時に問われるということでもあります。


国民の命と平和な暮らしを守り抜くために。

そして、領土・領海・領空を守り抜くために。

日本はいま、その覚悟の中身を真正面から問われているのだと、私は思います。



中山泰秀


元 防衛副大臣 兼 内閣府副大臣

元 外務副大臣

衆議院前議員


【参考記事】



Japan reaffirms no-nukes pledge after official floats weapons idea

Reuters20251219日)

https://www.reuters.com/world/china/japan-reaffirms-no-nukes-pledge-after-senior-official-suggests-acquiring-weapons-2025-12-19/


📢【放送時間変更のお知らせ】

皆さんこんにちは、中山泰秀です。
いつも @YouTube「中山泰秀のやすトラダムス」をご視聴いただき、心より御礼申し上げます。

本日11月2日(日)22時30分より予定しておりました配信ですが、11月3日・4日にアメリカ・ボストンで開催される国際会議「Boston Global Forum」
https://bostonglobalforum.org/bgf-events/
に出席するため、現在アメリカへ向けて移動中です。

その移動時間が配信時間と重なってしまうため、本日の放送は延期させていただくこととなりました。

この会議では、AI時代の国際秩序や平和の在り方をテーマに、一人の日本の政治家として、国際社会に向けて意見を申し述べる予定です。

尚、延期となった配信は、11月6日(木)22時30分からお届けする予定です。現地での出来事や、得た学び・感じたことなども交えて、より深くお伝えできればと考えております。

🔴 放送はこちらのURLからご覧いただけます。



👉 https://youtube.com/live/H01ZcgBteiM


楽しみにしてくださっていた皆さまにはご迷惑をおかけいたしますが、
何卒ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

引き続きのご視聴、そしてチャンネル登録も、ぜひよろしくお願いいたします。


中山泰秀
YouTube番組「中山泰秀のやすトラダムス」

【やっとここまで来た──サイバー安全保障と、情報の本当の価値】




今朝の日経新聞の記事を読んで、私は思わず手を止めました。
キオクシア、TOPPAN、DMG森精機──
名だたる大手企業が、取引先約3,000社に対してセキュリティ診断を実施し、サプライチェーン全体の防衛力を見直していくという内容でした。
これは、単なる一企業のリスクマネジメントにとどまらず、まさに「国家全体の底力」を問う、極めて重要な動きです。
そして私は心の中で、こう思いました。
「やっとここまで来たか」と。




【私とサイバーセキュリティの出会い】

私がこのサイバー領域と深く縁を持つようになったのは、2015年頃。
安倍政権のもとで外務副大臣を拝命していた時、総理からの直接の指示により、外務省内でサイバーセキュリティを所掌することになったのがきっかけでした。
当時はまだ、社会全体に「サイバーとは何か」が十分に浸透しておらず、官民を問わず、多くの方がその重要性を正確に理解していない状況でした。
もちろん、私自身も専門家ではありませんでした。
ただし、当時の私はすでにサイバーという分野に対して強い関心を抱いており、それがきっかけとなって、私は能動的に情報を収集し、分析し、精査することを重ねていきました。
また、国内外問わず、サイバー分野に高い知見を持つ有識者の方々との接触も意識的に増やしていきました。
そうした中で、政府にお願いし、日本のホワイトハッカーの方々を3名ご紹介いただき、彼らから直接のご指導を受けることで、現場の視点、技術の本質に向き合うことから始めたのです。




【米サイバーコマンド本部への提案・訪問】

後に防衛副大臣を務めることになった私は、ある日、防衛省に対してこう提案しました。
「米国のUSサイバーコマンド本部を訪問させてほしい」
実現したその訪問は、実は日本人として初めての公式訪問となりました。





当初、防衛省はこの訪問を“秘密の任務”と位置づけていました。
私としても、本来であればこうした国防に関わる政治家としての行動を、地元の皆さんにもご報告したい思いはありましたが、国益のためであれば「秘密」であることを受け入れようと思っていました。
ところが、アメリカ側がこの訪問の意義を高く評価し、「コロナ禍であっても、日米同盟がサイバー領域でこれほどの連携を見せている」ということを世界に発信したいと申し入れてくれたのです。
結果的に、日米の信頼関係の象徴として、堂々と情報を開示できたことは、政治家として冥利に尽きる経験となりました。

https://www.cybercom.mil/Media/News/Article/2727713/japanese-state-minister-of-defense-nakayama-visits-us-cyber-command/


【現場のリアルな反応と、心の壁】

これまで私は、数多くの企業や行政機関の皆様に対して、サイバーセキュリティの重要性と具体的な改善提案をプレゼンテーションしてきました。
その中で、よく耳にした言葉がありました。
「あなた達から指摘を受けなくても、分かっていましたから大丈夫です。全く問題ありません。担当者にも確認をしていますから、大丈夫です。」
表面的には落ち着いて受け止めてくださっているようでも、その言葉の奥に、外部の人間に問題を先に見抜かれてしまったことへの焦りや戸惑いが見え隠れしていたのを、私は何度も経験しています。
実際には、私たちの話を聞いてから社内の専門部署に確認され、それまで誰も気づいていなかったというケースが少なくなかったのです。
そして、「これはまずい」と感じられた方々が、結果として「自分たちでやります」と閉じる方向に動いてしまう。
そのようにして、外部との対話がふさがれ、見えにくくなることもありました。
もちろん、すべての組織がそうだったわけではありませんが、現場で感じた“反射的な拒絶”や“情報の囲い込み”の空気は、今でも記憶に残っています。
結果、対応に何ヶ月も要することになるのです。ちなみに当時最新のソリューションであれば、エンドポイントの修復のみ、15分あればできてしまうようなものもありました。



【情報にはコストがかかるという常識を】

ここで、どうしても申し上げたいのが、「情報にはコストがかかる」という、ごく当たり前の国際的な常識についてです。
海外では、有用な情報には対価を支払うのが当然であり、無料で手に入る情報は、むしろ「信頼できない」と警戒される傾向があります。
ところが日本では、「情報はタダで得られるもの」という認識が、官民問わず、社会全体に広く根付いてしまっているように感じます。
とりわけ大企業においてすら、そうした姿勢を目にすることがあります。
サイバー領域において、無料の情報ほど危険なものはありません。
予算を投じ、検証され、信頼できる筋から得た情報こそが、危機を未然に防ぎ、組織を守る「真のインテリジェンス」なのです。
もちろん、すべての組織が情報にコストをかけられるわけではありません。
中小企業、地方自治体、限られたリソースの中で懸命に取り組んでいる現場もあります。
だからこそ、情報にお金をかけられる立場の人が、そうでない人を支える構造を社会として整える必要があります。
相手を守ることが、めぐりめぐって自分を守ることにつながる。
私はそう信じています。


【正直なディスクロージャーが信頼を生む社会に】

私はこれまで一貫して申し上げてきました。
サイバー被害を受けることは、決して恥ではありません。
問題は、それを隠し、再び同じ被害を繰り返す構造に陥ってしまうことです。
自らの失敗や経験を正直に開示する企業こそが、社会を守る重要な一翼を担っているのだと、私は考えます。
ディスクローズした企業が、信頼され、評価される。
そんな社会の空気と制度を、私たちはこれから育てていくべきです。



【民間から、国家を守るという覚悟】

私は今、浪人中の政治家として、現在も日本で唯一、100%純国産のサイバーセキュリティソフトを製造・販売する企業の取締役として在籍しています。
国会という政治の現場から離れてもなお、私は引き続きサイバーセキュリティという分野で、この国を守るという志を貫いています。
肩書きがあろうとなかろうと、「国を守る」という意志が自分の中にある限り、私は前に進み続けます。
もしこの記事を読んでくださっている方の中に、かつて私のプレゼンテーションを聞いてくださった企業の幹部や行政機関の方がいらっしゃれば、どうか心のどこかで、こう思っていただけたら幸いです。
「あの時、中山が言っていたのは、こういうことだったのか」と。
あれから、何年が経ったでしょうか。
ようやくここまで来た。けれど、まだ道半ばです。
もっと強く。もっと賢く。もっと優しく。そして、もっと本質を見つめる日本へ。
私は、これからも歩みを止める気はありません。
サイバー領域について、更にこだわりつづけて参ります。
それは、第二種戦争における国防を、意識するが故にです。


中山泰秀