![](https://stat.ameba.jp/user_images/20181222/02/nakayamanpo/c7/cc/j/o0482069514324873556.jpg?caw=800)
「この世界の片隅に」
個人差あれど、時間に追われる現代。
私も例に漏れず、忙しない日々。
そんな中、私の歩みを止めたのは、意外にも彼であった。
「アンパンマン!新しい顔よ!」とは、みなさん聞き覚えのあることだろう。
先日バタ子さんと飲んだときも、アンパンマンの新しい顔焼かなきゃと早々に切り上げられた程である。
しかしみなさん、入れ替わって落ちた「古い顔」をご存知だろうか。
それが彼である。
彼は言う。
「お腹空いてないかい?」
空いていたところで、この状態の彼に顔面を引きちぎってもらうことは出来なかった。
かろうじて私は答える。
「あ、お腹は大丈夫です。てか、大丈夫ですか?」
彼は言う。
「この世界の片隅に、ぼくを見つけてくれてありがとう。」
私は言葉にならなかった。
1拍置いて、彼が続ける。
「ほいでもう離れんで、ずっとそばにおって下さい。」
私は彼の脳天のフックがどうなっているのか、また、胴体はどうしたのか、それだけが気になったまま、会釈して去った。