昨日は自己PR講座にて好きな音楽について語りました。紹介したのはこちら

My Bloody Valentine - Loveless 1991年

自分が最も鑑賞に時間を費やしたのはこのアルバムであり、またこれが殆んど全てである。
聴き通した回数は確実に1000回を超えている。
シューゲイザー(靴を見る人←エフェクターを多用する)の名盤とされ、知っている人も多いのではないだろうか。
初めて聴いたのは高校生のときだったが、その時は作品の良さを捉えきれてはいなかった。
その当時は80年代のハードコアの音源を漁っており、早急なリズム殆んど2ビートの、ジャンルとして確立される前のオブスキュアとかプリミティブとか崩壊などと形容されるものを好んで聴いていており、ピンとは来なかった。
大人になってから再度関心を抱き、聴き込むことになった。
何故ゆえに良さを感じれなかったのか?
それはこのアルバムの鳴らしにくさによる。
HIFIな環境でなければ作品の意図が汲み取れないのだ。
幾重にも重ねられたギター
埋もれてしまいそうなコーラス、
曖昧な音像を支えるベース、
小さくて微かなパーカッションやドラム。

当時の日本円で4500万円を録音にかけた音の意味を、ありふれたdapやスマートフォンのジャックにテキトーなイヤホンやヘッドホンをぶっ刺して聴いても理解できないのは当然のことだ。

リマスター盤にしてもわざわざ同じ内容のものを2枚組にしたにもかかわらず、アナログテープのマスターとオリジナルのマスターが表記上いれかわったりグリッチノイズが混入したままリリースするレコード会社は作品に対する愛情がなさすぎる。
まさにLoveless。
バンドとSONY MUSICには確執もあるようだ。
リマスター盤をリリースしてからあまり時間が経っていないこともあり、ハイレゾ音源としてリリースされるのは暫くなさそう。
24bit96khzでいい、なんとかお願いします。

音量が取れる視聴環境の人にはリマスター盤ではなくCOLUMBIA邦盤(廃盤だがディスクユニオンで中古400円程度)をおすすめします。
オーストラリア盤はcdのラベルがキラキラしててキレイだった、今度見つけたら買う。

アナログマスターとオリジナルマスターの違いは低音の微妙な違い。わかりやすいのは最後のsoonの終わりのフェードが最後ぶつっと切れるのがオリジナルマスターで、きれいにフェードしているのがアナログマスター。

フィードバックノイズを不快に感じる人もいると思うが、こう捉えて欲しい。
ストレスによりダメージを受けた脳にとってはその喧騒こそが癒しなのだ。それがこの音を作った理由の本質だろう。

what you wantとsoonの曲間のつなぎに音声を加工したと思われるシークレットメッセージが紛れている。ずっと気になってるのだが、これに触れている記述を見たことはない。謎は謎のままか?

自分にとっては作品至上主義の原点。
これを聴かずして死ぬのは勿体無いと思うのは僕だけだろうか....