雅紀の送迎をしているうちに雅紀も春休みになった。

雅紀んちで雅紀の成績表を見ながらオレは水面下で考えてきていたことをおばさんに話をした。

｢おばさん。雅紀の家庭教師をさせてください｣

｢え？でも翔ちゃんは大学生になってこれからどんどん忙しくなるのに。無理させられないわ｣

｢ちょうどいいんです。オレが進むのは教育学部で教師を目指してる。ということは教えることもオレは学べるわけで…｣

｢母ちゃんお願い！お願いします！｣

｢……櫻井さんは？なんて仰ってるの？｣

｢おばさんが大丈夫ならいいと。そう言ってました｣

｢そう。時給とかそういうことも含めてきちんと櫻井さんと話をしないとね。翔ちゃん、どうか雅紀をよろしくお願いします。翔ちゃんと同じ大学に行きたいだなんてとんでもないことを言い出すからどうしようかと思ってたのよ…｣

｢おばさん！ありがとう！｣

｢母ちゃんありがとう！｣

｢こちらこそ。翔ちゃんはもう少しゆっくりしていくでしょ？私は櫻井さんとこに行ってくるわ。翔ちゃんの家庭教師の件について話もしたいし、ライブDVDも一緒に見たいし❤️じゃあね｣

｢｢行ってらっしゃい｣｣

トントン拍子にオレが雅紀の家庭教師になるバイトが承認された。

よし、櫻井先生張り切っちゃいます！

おっぱじめちゃいましょう。

リビングから雅紀の部屋に上がり、ペラペラと参考書を開いていると雅紀が腕にぎうううってしてきた。

｢なによ｣

｢んふふふふー｣

｢どした｣

｢んふふふふふー｣

｢嬉しそうな顔して｣

｢んふふふ｣

ちゅ♡

ちょっと軽めのキスをプレゼントしてからまた参考書に目を落とした。

｢なぁ、勉強すっぞ。なにがどう分かんないか教えて。そこから始めようぜ｣

｢……｣

｢おい？｣

｢………｣

｢どした？｣

｢あのさ。ビビらないで聞いてよ？｣

｢うん｣

｢分からないところが分からない｣

｢嘘だろ！！！｣

はあああああ。

大丈夫かなぁ。

不安だなぁ。

ってか、どこから始めようかな。

んー。

｢雅紀。高一からの教科書、全部ある？｣

｢たぶんある…と、思う…｣

｢それ。春休み中に全部総ざらいするぞ｣

｢うっそだろー！！！｣

｢ちゃんと勉強したらご褒美やる｣

｢ご褒美？｣

｢これ｣

｢…！！！｣

ちょんちょんとオレの唇を人差し指でつついて見せると、雅紀の目の色が変わった。

つか、こんなんで大丈夫なのか？

お袋とおばさんの話し合いでオレの時給が左右されるということは、雅紀の成績にも左右される。

こんなにプレッシャーのかかることになるとは…。

こいつは気合いが必要になるな…

でも、まずは。

｢つか、オレも雅紀もお互いにチャージしないとな♡｣

｢んもぉ♡｣

雅紀を抱き上げてベッドにほおり投げると、オレはいそいそと服を脱いだ。

櫻井翔、明日から頑張ります❤️

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