今日は雅紀の誕生日だから。
だから1時間だけ2人で過ごせ。
1時間経ったら迎えに来るから。
そう言って太陽さんは笑って姿を消した。
「馬鹿だな。アイツ」
「優しすぎるよ」
「3人で過ごしてもいいじゃんね」
「うん。太陽さんにとっての雅紀も大切なのに…そういうところが太陽さんらしいけどね…」
光のシャワーの中に消えていった太陽さんに感謝しつつも悪態をつきながらオレたちは肩を寄せあった。
太陽さん、ありがとう。
太陽さんがくれた大事な大事な1時間は最高の誕生日プレゼントだね。
そう言って顔を上げると、目の前には優しく微笑んだ雅紀がいた。
「雅紀。誕生日おめでとう」
「ありがとう。翔ちゃん」
「やだ、それ」
「ん?何が?」
「今日は『翔』がいい」
「ふは。ばぁーかwww」
ちょっとむううってしながらチラッと下から雅紀を睨みつけると、雅紀はオレの髪に指を滑らせながら頭の後ろに手を回した。
「翔…好きだよ」
「ん♡オレも雅紀が好きだ」
そっと唇が重なった。
キスをしたままソファーになだれ込む。
オレの上には床ドン(正確にはソファードン?)状態の雅紀。
やべぇ。
めちゃくちゃカッケェ。
風呂上がりだからかな。
前髪がちょっと雑に下りていて色気があるやら可愛いやらだ。
そっと指を伸ばしてその目にかかりそうな前髪をよけると、雅紀の手がオレの手を捕まえるんだ。
ちゅ
雅紀がオレの手のひらにキスをした。
オレの目を真っ直ぐに見ながら何度も手のひらへのキスを繰り返すんだ。
「手のひらのキスの意味、知ってる?」
「ううん。知らねぇ。意味…あんの??」
ちゅ。
髪にキス。
「ここは守ってあげたいキス」
「うん////」
ちゅ。
おでこにキス。
「ここは賞賛のキス」
「////」
ちゅ。
まぶたにキス。
「憧れのキス」
「…ぅん///」
ちゅ。
鼻にキス。
「ここは大切に思っているキス」
「うん////」
ちゅ。
頬にキス。
「敬愛のキス」
「うん」
ちゅ。
耳にキス。
「性的欲求のキス」
「…ばか///」
ちゅ。
唇へのキス。
「愛してるキス」
「はい////」
ちゅ。
鎖骨へキス。
「抱きたい時のキス」
「ひああぁぁ////」
手首にキス。
「愛してほしい時のキス」
「…うん//」
ちゅ。
手の甲にキス。
「ここは尊敬のキス」
「はい」
指先へのキス。
「感謝したいときのキス」
「…ぅん」
そして
ちゅ。
手のひらへのキス。
「懇願のキスだ」
「懇願…」
「俺を受け入れてください」
「雅紀…」
「今じゃなくていいから。卒業するまで待つから。その時また俺に抱かれてくれるか?」
「はい////」
オレを真っ直ぐに見つめる雅紀の視線が熱い…


