インテグラル理論とスピリチュアリズムの実践について共通している部分があったので整理したい。

インテグラル理論(AQAL)で紹介されている統合的生活(インテグラルライフまたはインテグラルプラクティス)では、次のような実践が奨められている。


「統合的な実践の一般的な考え方は実に明確である。各カテゴリーから、あるいはできるだけ実用的なたくさんのカテゴリーから基本的な実践を選び取り、「全レベル、全象限」において、同時並行で実践するのである。要するに、自己、文化、そして自然において、身体、心、魂、そして霊(スピリット)を鍛えるのだ。 「身体、心、魂、そして霊(スピリット)」が全レベルである。そして「自己、文化、そして自然」(あるいは単にビッグ・スリー)の「私」、「私たち」、そ して「それ」)が全象限である。より多くのカテゴリー連動すればするほど、それらはより効果的になる(なぜなら、それはすべてあなた自身の存在のある側面 と本質的に結びついているからである)。それらを勤勉に実践し、身心それ自体が<空> に開示されるまで、身心の多様な潜在力を開示しようとする統合的な努力を続けよう。」



AQAL(インテグラルジャパン)より抜粋

統合的実践では、身体、心、魂、霊の次元で自らを鍛えることが奨励されている。


それと同じように、スピリチュアリズムでも次のような実践が奨められている。

「幸福は努力を通してのみやってくる。すなわち

㈠ 感覚的な快楽への惑溺を叡智をもって抑制すること、
㈡ 肉体を健全に発達させるための運動をすること、
㈢ 精神の進歩のための勉学、そして、
㈣ 他人への寛大さや慈愛ある見方をすること、

等を通して幸福はやってくる。これらの進歩が霊の発達を促すのである。

 真の幸福とは、平均的な人間の場合、肉体、感覚、心、霊的知覚等を不断に、また賢明に使用することによって得られるのである。」
不滅への道───永遠の大道 THE ROAD TO IMMORTALITY
ジェラルディーン・カミンズ著 
E・ギブズ編 梅原伸太郎訳 より抜粋

このようにスピリチュアリズムでも、肉体、感覚、心、霊的知覚を鍛えることが奨励されている。



多少異なる部分はあるが、基本的な実践は同じだと思う。
ただ、霊的実践に関しては大きく異なるかもしれない。統合的実践では、霊的実践とは瞑想のことを指しているが、スピリチュアリズムでは、霊的実践とは他人に奉仕すること(ヒーリングなど)や霊的真理の普及などを指している。
瞑想が利己的に見えるのに対して、ヒーリングは利他的に見えるのが気になるところだが、神秘主義者からすれば恐らく、神に内側から働きかけるか、外側から働きかけるかぐらいの違いしか無いのだと思う。意識に働きかけている、という点では実はどちらも同じことなのかもしれない。