暴力団の威力を利用した見返りに金品の受け渡しをしたとして、神奈川県公安委員会は1日、県暴力団排除条例(利益供与)に基づき、横浜市内の法人としての建設会社と指定暴力団稲川会 系組長(60)に利益供与の中止を求める勧告を出した。

 県警暴力団対策課によると、平成23年7月から8月ごろ、同社が行った病院(横浜市内)の解体工事の騒音に対し、近隣住民から苦情が寄せられた。そのため、同社の支社長が組長に苦情を収めるよう依頼。組長が暴力団の威力を使って苦情を収めた見返りに、支社長はビール券30枚(約2万3000円相当)を渡したとしている。

 同社幹部と組長は10年ほどの付き合いがあるが、同社は勧告について「重く受け止めます」と話しているという。