宇都宮市陽東5のホテル駐車場で17日早朝、脇腹などを刺された男性が発見された事件。男性はまもなく死亡し、宇都宮東署は殺人事件とみて捜査を始めた。閑静な住宅街の一角で突然起きた惨劇に近隣住民らは驚きと不安の声を上げた。

 宇都宮東署によると、男性は宇都宮市竹林町の暴力団関係者、新邦文さん(32)。現場の駐車場内には新さんの知人女性が所有する乗用車が残されていた。同署によると、新さんは日常的にこの乗用車を使用。発見前夜も妻に「飲みに行ってくる」と言い、この乗用車を運転して、16日午後8時ごろ家から出かけていた。新さんは発見時に現金約16万円を所持していたという。

 また、妻が事件の通報時間数十分前の午前5時前後に、新さんからメールを受信していたことも判明。県警は新さんがその後、何らかのトラブルに巻き込まれた可能性もあるとみて調べている。

 近くに住む主婦(63)は「夫が午前4時に起きていたが、何も音や声は聞かなかったと言っていた。こんな静かな住宅街で事件が起きるとは」と顔をしかめた。ホテルの目の前にある社宅に住む男性(24)は、17日早朝に複数の男が騒ぐ声を聞いていたという。救急車が現場に到着した頃には「車の急ブレーキ音がした」と話していた。