通常、大きなシステムだと縦割りになることが多い。縦割りとは、工程別に仕事が振られる形のこと。要件定義、基本設計、詳細設計、プログラム設計、プログラム、プログラムテスト、システムテスト、総合テスト、運用試験、受け入れ試験などに細分される。要件定義以前の仕事はコンサルタントになる。このフェーズについてはまた別途記述する。

わたしが4年ほどかかわったシステムではこの縦割りはなくて全工程を担当できた。おかげで、システムを構築するということはどんなことを行うのか、ということについて理解することができた。何をすればよいのか(よくWBSということばで言われる)、どのくらい時間がかかるのか、リスクはどのくらいなのか、何をみれば早くできるのか、、、など。一番緊張したのが、基本設計や詳細設計におけるお客様とのレビューである。レビューとはお客様が要件を出したないようを満たしているのか、全体からみてどうなのか、ということをお客様を交えて説明する場である。最初は何をしたら良いのかわからなかったが、他のレビューを見るうちにすこしづつ理解することができた。ここでは、先輩社員から色々と怒られた。特に自分の作った資料を説明できないとそれはおこられる。今考えればあたりまえのこと。

やはり、仕事はまずは他の人の真似をして、ある程度できるようになってから自分の色を出していくことが良いと思った。まずは「見習う人を真似ろ」ということだった。

auの大株主にトヨタ自動車がいる。auはもともと、KDD、DDI、IDOが合併してできた会社である。以前、通信方式を考える際に各社いろいろと案を出して、一時はW-CDMA(ドコモが採用)になりそうになったが、大株主のトヨタ自動車が「そんなに設備投資にかかる方式は無理」という言葉でクアルコムのCDMA方式になった。本当に強い会社は狙いどころが良いものである。

現在では、ドコモFOMAは384Kであるが、それを14Mまでたかめようとしている。それがHSDPAという方式である。ちなみにauはCDMA1X WINは2.4Mを出している。だから着うたフルやEZチャンネルなどのブロードバンドサービスを展開できている。それがauの加入者増加の原因になっていると思われる。まさにドコモに対しての差別化である。大きなデータもネットワークに付加をかけないで通信することができる。

しかし、ドコモもいよいよHSDPAで高速通信にしようとしている。それが実現できればauとやっとこの分野では競うことができるのである。しかし有利になることができるのであろうか。もちろん、auはCDMA1X WINのさらなる速度向上を研究している(詳しく言うとクアルコム)。各社は速度を向上させそうだが、携帯カメラ以来の大きなサービスヒットを出す必要がある。

コンピュータエンジニアの仕事は大変です。95年に大学を卒業して、ソフト開発を行っていましたが、毎日が大変です。最初はあるシステムの機能拡充でした。工程としては、要件定義から運用までというすべての工程を担当しました。お客様と要件をつめて、それにしたがって設計して、そしてプログラムを作成する。言語はCOBOLだった。そしてテストを実施。自分のプログラムをテストして、そしてだんだん大きな枠でテストを実施していく。それが大丈夫であれば運用テストをして、お客様の受け入れテスト。そしてやっとリリース(サービス開始)ということになります。このときにすべてを担当できたのは大きな経験だった。

特にプログラムの作成が不得意だったので最初は先輩に付きっきりで教えてもらっていた。でも1年くらいたったら自分である程度すすめることができるようになっていた。(会社のプログラム作成研修では最後の方だったなあ)

現在、ビジネスにおける通信手段は携帯が主流だが、はたしてそれがPCの代わりまでいくのか?ドコモは携帯の進化版、ビジネスFOMAを提供する。目指すところは明らかにわかっている。8500万契約となった個人市場での儲けはもう限られており、これからは法人市場に殴りこむ気でいる。実質法人からは2割り程度しか利益を確保できてないらしい。これでは法人に攻める理由がわかる。

しかし、小さな画面でのビジネス利用が果たして日本で受け入れられるかは不明である。PDAもだめだったようにこの携帯もあまりはやらないのではないか、との見解が多い。しかし、やっとPush-to-talkも付与されるらしくその点は評価できるのでないか。このサービスも今後の展開が楽しみである。


参考記事:

NTTドコモは6月28日に記者説明会を開催,7月1日に発売する無線LAN対応FOMA端末「M1000」(米モトローラ製)の法人市場戦略を披露した。NTTドコモは6月28日に記者説明会を開催,7月1日に発売する無線LAN対応FOMA端末「M1000」(米モトローラ製)の法人市場戦略を披露した。NTTドコモは6月28日に記者説明会を開催,7月1日に発売する無線LAN対応FOMA端末「M1000」(米モトローラ製)の法人市場戦略を披露した。

iPodが相変わらず好調。わたしもiPodをもっているが非常に便利で音もよく手放せない。しかし、auの着うたフルは気になる存在である。携帯電話はどこにでももっていくし、また誰でももっているので、携帯で音楽を自由にきければかなり大きなメリットになる。経済的によくいわれる、3つのC(顧客、競争相手、自社)があるが、顧客が望むものは非常に大きい。とすれば、携帯電話で音楽配信できることは非常に便利である。いつになれば実用化できるのであろうか。現在は10曲程度しかフルでは格納できないのでこれではiPodの比ではない。しかし、これが100曲以上になれば比較できる存在になるはず。実際、iPodではiPodミニが売れている。顧客は5000曲も収納することは望んでいないかもしれない。3Gが本格化する06年には大きな答えがでそうである。

参考記事:
携帯電話の音楽プレーヤー機能が定着すれば、iPodの手強い競合となり、Appleの株価に悪影響を与えるかもしれないと米Barron's紙が報じた。(ロイター)
最近、スカイプの記事が目につく。ご存知とは思うがスカイプは無料で通話できるPC用電話のソフトであるが、これを無線LANに活用して「スカイプ携帯」をライブドアなどは考えているようだ。そのようなことがおこれば、現在の固定電話、携帯電話市場は壊滅するであろう。おそらくしばらくは使い分けが必要であろうが、近い将来には無料が普通になることも考えられる。音声通話も無料になることがあるのであろうか。インターネットがたどったように。そうなると携帯の収益に頼っている通信会社は大変なことになる。NTTのように固定の減少分を携帯やブロードバンドで、などといっていられない。携帯は無料になってしまうからだ。このスカイプについては今後も動きを見ていく必要がある。
auは他社と差別化を行い、現在は成功しているが、あとの2社はどうであろうか。vodafoneは加入者数を純減させているし、TUKAも大きな増加はしていない。らくらくフォンが少し売れているくらい。vodafoneは様々な割引サービスを提供しており、最近では端末も海外の端末を使えるようにしている。しかし、その効果はない状態である。マーケティング的にいえば、vodafoneはドコモのフォロワー的なところを走っていた。つまり、通信方式もW-CDMAをつかいドコモと同じような道を歩んで来た。しかし、それでは加入者にメリットは少ない。auのような大きな「ブランド作り」が必要である。予測としては、このまま純減がつづくようであればソフトバンクなどの新興勢力が買収に動くことは予測される。ソフトバンクにしても自社で通信網を整備するよりは容易であろう。
ちなみにIP電話から携帯電話に電話をかけると以下のような料金体系のようである。やはり高いですね。せっかく固定側に料金設定権がきたのに。このままでは携帯会社ばかりが儲かってしまいます。今でも通信会社の収益の3分の1は携帯会社から。
ソフトバンク:63-78.75円
KDDI:53.55ー56.7円
先日、設備投資でソフトバンクが携帯事業へ進出するのは難しいと記述したが、やはり一般的にそうみられているようだ。今日の日経でも「通信破壊者の息切れ」と題して記事が書かれていた。そこでは、2006年に黒字を出さないと携帯事業へはいりにくいソフトバンクがなんとしても黒字にするために固定通話料金を値上げした。価格を下げることしかやってこなかったソフトバンクが静かに価格を下げることは特筆することか。それに対して、PHSをおこなっていたウィルコム(旧DDIポケット)は4位のTUKAを抜く勢いで加入者を増やしている。その要因としてはやはり定額制の導入であろう。データ通信の定額に加えて、音声通話でも定額にしたことが大きいようだ。5月には6万件も加入している。2004年度の様々なアンケートにもあったがやはり日本の顧客が携帯に求めるものは「料金」なのである。特に大手三社のようにある程度の信頼感がある企業には料金が一番インパクトが大きい。現在auが人気があるのも結局通話料が安いからであろう。