どうも。私はファイナンシャルプランナーである一方で画家、そして、福祉住環境コーディネーター・福祉用具専門相談員・介護職員初任者研修、有資格者の中山と申します(経歴などにつきましてはプロフィールをご覧ください)。

 

 さて、現在の社会は、いつになったらコロナが終息するのか全く先の読めない状況です。それは、公共交通機関であっても油断のできないことであり、たとえマスクをしていても安心できません。

 

 まして、これからさらに冷え込んでくる状況では、換気もままならないことが更に不安をあおります。さらに、あなたの親御さんが体調を崩して病院へ行く必要があるとしても、基礎疾患がある場合には、逆に病院でのコロナの感染が心配です。

 

 それは、基礎疾患のある高齢の患者にとってコロナに感染することは、まさに生死にかかわる問題だからです。また、高齢で身体が自由に動かせない状態になった場合には、ご本人だけでなく周囲の家族にも負担がかかってきます。

 

 そのためにも、あなたは親御さんが病気を抱えていても、自発的に生活できる方法や環境を知っておく必要があります。それはつまり、あなたの親御さんにも介護の準備が迫ってきているからです。

 

 そして、年齢とともに親御さんの老化は進んでいきますので、体力も衰えてゆく段階においては、今まで何も問題なく生活してこられた慣れ親しんだ自宅の住環境が、ある時点から体調の異変を境に、突然生活しづらい環境に陥ってしまうことになります。

 

 つまり、現在ベッドで過ごすことが多く、身の回りのこと全体において、人の手を借りなければ生活できない状態の人には、身体機能に合わせた住環境や福祉用具を整えることは重要なことなのです。

 

 高齢の人が、周りの人の手を借りなくても、自由にのびのびとストレスなく生活できるようにすることで、自分自身だけでトイレに行ける・風呂に入れるようになるということが、どれだけ体力の回復や認知症予防に役立つことになるのかを知っておくべきでしょう。

 

 ひいては、家族や介護にあたっている人々の労力を減らすことにつながり、「介護うつ」や「老老介護」の解消に役立てられるので充分検討するにあたいします。

 

 同時に、現在の超高齢社会では、高齢者が自立生活を継続できる住まいを確保し、生活の質をいかに高めるかが重要となりますが、世帯構成の変化や住まい方の多様化に対応することも必要です。

 

 高齢者の安全・安心を確保するために必要な住環境整備の在り方を、もっと早く知っていれば、本人も楽であっただろうし、介護する側も助かったであろうということにもなりかねませんので、知識の一部として記憶にとどめてください。

 

 と、いうことで、今回は、40代男性の親の世代に必要な福祉住環境コーディネーターの役割と機能とは?ついて見ていきながら、一方では、あなたご自身に必要なライフプランニングについても触れながら進んでゆきます。

 

 

目次

1 福祉住環境整備における社会的ニーズ

2 福祉住環境ニーズへの対応

(1) 福祉住環境整備には各専門家の連携が必要です

(2) 福祉住環境コーディネーターは需要者と供給者との意見調整及びまとめ役です

3 福祉住環境コーディネーターの役割

4 現在の生活のなかの不便・不自由さに対する気づきとは?

5 より良い生活を送るための改善策提案の必要性とは?

6 福祉住環境コーディネーターは医療関係者・福祉関係者・建築関係者との橋渡し役とは?

(1) 福祉住環境コーディネーターは各専門家の意見を調整します

(2) 需要者の満足のゆく福祉住環境整備は需要者の了解のもと各方面との情報の共有が重要です

7 福祉住環境整備実践の重要性

(1) 福祉住環境コーディネーターは住環境支援の新たな専門職です

(2) 福祉住環境整備は重要であることを理解してもらうべく活動が必要になってきています

8 あなたの親御さんへの確認事項とは?

(1) 確認事項(住環境について)

(2) 車いすを使っている場合、特に確認する必要がある事項

(3) 健康維持のための確認・説得・検討事項

9 あなた個人のライフプランニングをしましょう!

(1) あなたにはたくさんの資金需要のあることを認識しましょう

(2) 老後資金の確保は気が付いたときからすぐに実行しましょう!

10 まとめ

(1) あなたの今後の行動を検討してみてください

(2) いつまでも親は若くはないのです、確認しておくことはたくさんあります

(3) 介助を必要とする人々の望む高度なバリアフリー住宅はまだまだ少ないのです

(4) 介助や介護を受ける人の暮らしやすさはあなたの生活のしやすさにつながります

(5) ここからあなた自身も思い切って生活を変えましょう

 

1 福祉住環境整備における社会的ニーズ

 

 

 急速な社会の変化の中で、人々の生活はもとより、高齢者や障碍者の生活もますます多様化し、そこで発生する一つ一つの問題も複雑になってきています。そこで、問題解決にあたっては多くの関係者がかかわらざるを得ないのです。

 

 福祉住環境整備に関しても、かかわる人材は多岐にわたり、医療、保健、福祉、建築等と専門分化され、これを調整する機能が必要になってきました。

 

 すなわち、生活者としての「人」と、物やサービスを有機的に連携させ、それぞれが独立して機能する以上の効果を得ることが、社会的な課題となってきたことにほかなりません。

 

2 福祉住環境ニーズへの対応

 

 

(1) 福祉住環境整備には各専門家の連携が必要です

 

 これまで高齢者や障碍者に対する福祉住環境整備には、ソーシャルワーカー(SW)、介護支援専門員(ケアマネジャー)、建築関係者、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)など、多くの人々がかかわってきています。

 

 しかし、どちらかといえば、チームで対応するのではなく、相談に対応した専門職個人の努力によって進められてきた感が強いのです。

 

 そのため、相談を受けた人の専門性に強く影響されて、包括的な問題解決のためのアプローチがとられにくい面がありました。しかし、高齢者や障害者の生活上で生じる不便・不自由の内容や程度はさまざまです。

 

(2) 福祉住環境コーディネーターは需要者と供給者との意見調整及びまとめ役です

 

 したがって一面的なアプローチは適切ではなく、高齢者や障碍者の生活ニーズや生活様式、あるいは、生活動作能力や動作方法を充分に検討し、それを設計者や施工者に伝え、両者の橋渡しがうまくいくようにしなければなりません。

 

 福祉住環境コーディネーターにはこれらの問題を解決し、生活の目標に沿った生活スタイルを実現するために総合的な視野に立つ活動が求められています。

 

3 福祉住環境コーディネーターの役割

 

 

 福祉住環境コーディネーターは、住環境ニーズの発見をはじめとする、福祉住環境整備の方向性・方針の提案、本人、家族、医療関係者、介護支援専門員、設計者、施工者など住環境整備にかかわるすべての人々の意見を調整します。

 

 また、フォローアップに至るまでの、一連の流れをコーディネートする重要な役割を担っているのです。福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障碍者の視点に立って情報や経験を総合的に把握・判断し、解決策を提案することが使命です。

 

4 現在の生活の中の不便・不自由さに対する気づきとは? 

 

 

 福祉住環境コーディネーターは、生活者の視点に立って、高齢者や障碍者の住宅内での生活全般にわたって、問題点の抽出を行います。

 

 特に高齢者は長年の生活習慣があるので、生活の不便・不自由さを意識していないことが多いものです。

 

 つまり、たとえ不便・不自由を感じていても福祉住環境整備で解決できるとは思っていないことも多いのです。そこに気づいてもらうことが最初の役割です。

 

5 より良い生活を送るための改善策提案の必要性とは?

 

 

 高齢者や障碍者の生活上の不便・不自由さに、福祉住環境コーディネーターはその問題点に対して、それはどうしてなのか、どうすればよいのかを一緒に考え、改善策を提案してゆくことが求められます。

 

 在宅生活時間が多くなってきた高齢者の場合には、その生活を観察し、高齢者とともに不自由さの改善を考えます。

 

 たとえば、座式生活から椅子式生活への変更、和式便器から洋式便器への取り換え及び段差の解消や車いすで通れる廊下幅の検討など、生活様式の変更もその一つです。

 

6 福祉住環境コーディネーターは医療関係者・福祉関係者・建築関係者との橋渡し役とは?

 

 

(1) 福祉住環境コーディネーターは各専門家の意見を調整します

 

 福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障碍者自身はもとより、その了解があれば個人情報の保護のもと各方面への意見調整をします。

 

 それは、医師、看護師、PT、OT、STなどの医療関係者、介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、などの福祉関係者、設計者や施工者をはじめとする建築関係者など、すべての関係者から可能な範囲で情報を収集し、問題点と課題の整理を行います。

 

 これを円滑に行うには、それぞれの職種の専門性や立場を理解することから始まりますが、それとともに専門職間の調整能力を身につけていることが求められます。

 

(2) 需要者の満足のゆく福祉住環境整備は需要者の了解のもと各方面との情報の共有が重要です

 

 福祉住環境整備は、多くの人々の理解と協力が必要であることを理解してもらい、他職種との連携が必要であることを訴えながら、よりよい人間関係を築き上げていかなくてはなりません。

 

 そのためには、整理を行った情報は本人や家族の了解の下、情報提供者ができる限り共有することが重要です。

 

7 福祉住環境整備実践の重要性

 

 

(1) 福祉住環境コーディネーターは住環境支援の新たな専門職です

 

 福祉住環境コーディネーターに最も求められるのは実践です。目の前の具体的な住環境整備の課題に対して、速やかに、的確に対応できなければなりません。

 

 福祉住環境コーディネーターは、広い視野をもって、高齢者や障碍者の住環境をめぐる生活を支援するための新たな専門職として重要な役割を担っています。

 

(2) 福祉住環境整備は重要であることを理解してもらうべく活動が必要になってきています

 

 その意味で医療・保健・福祉・建築・リハビリテーション工学・福祉用具などに携わっている人々は、現在の視野をさらに広げる意味で、福祉住環境整備の重要性と福祉住環境コーディネーターの役割を理解する必要があるのです。

 

 このような職種に携わっていない人々も、超高齢社会を安全・安心・快適に生活するために、福祉住環境整備は重要な意味をもつことを理解してもらう必要があります。

 

出典:東京商工会議所 福祉住環境コーディネーター検定試験 公式テキスト 

 

8 あなたの親御さんへの確認事項とは?

 

 

(1) 確認事項(住環境について)

 

a トイレの使い勝手について(便器の種類、位置、手すりの必要性)

b 風呂(浴室・浴槽内の使い勝手、脱衣所から浴室の段差、浴槽の段差解消の必要性)

c 屋内の移動(廊下に手すりの必要性、廊下に夜間照明の必要性)

d 杖の確認(現在使用している杖は機能的に適合しているか、さまざまな種類を検討)

e 起き上がり時の不便さを確認(起き上がりに対応した福祉用具があるベッドへの移行)

f 玄関入口と玄関内の段差に不都合はないか・段差解消の必要性

g 玄関内の上がりかまちを昇るのに不都合はないか・段差解消の必要性

h 道路から玄関までのアプローチに不都合はないか(スロープにする必要はないか)

i 屋内の段差でつまづくことはないか(洋室から和室、和室から洋室、廊下から洗面所)・段差解消の必要性

 

(2) 車いすを使っている場合、特に確認する必要がある事項

 

a 風呂場のスペース(脱衣所と浴室の段差解消、介助が必要な場合には幅を広げる、手すりを付ける、浴槽に入る際の福祉用具などそれぞれの必要性)

b トイレ(車いすでも入れるスペースを確保する必要性

c 廊下を車いすで移動する際には、拡幅が必要必要性

d 居室内を車いすで移動できるように、出入り口の拡幅、廊下の拡幅、ベッドの位置の修整などの必要性

 

(3) 健康維持のための確認・説得・検討事項

 

a 規則正しい生活を送れているか確認する

b 食事では減塩についての必要性を説明し、実行をすすめる

c バランスのとれた食事を摂るように説明し、実行をすすめる

d アルコールを摂り過ぎないように説明し、実行をすすめる

e タバコを吸われている場合には禁煙をすすめる(防火対策を含めて考える)

f 良質な睡眠を得られているか確認し、不足している場合には一緒に工夫する

g 程よい運動やストレス解消方法の実践などにも眼を配り、一緒に工夫する

h 定期的な健康診断を実行する。場合によっては同行して受診してもらう

 

9 あなた個人のライフプランニングをしましょう!

 

 

(1) あなたにはたくさんの資金需要のあることを認識しましょう

 

 あなたには、健康やお金のこと及び、婚活・趣味・転職・介護・節約・投資・終活など、これから向き合わなければならないライフイベントが目白押しなので、計画的な行動が大切です。

 

 あなたの、これからの人生全般にわたるライフプランをまず立てて、それに対応する資金計画を検討しましょう。

 

(2) ライフプランニングをしましょう

 

 ライフプランニング計算資料の利点は、今後のあなたの定年年齢時までに予定しているライフイベントを予算化し、その額に対して、現在の貯蓄額と現在の収入×定年までの年数を計算後に対比することで、あなたの老後に必要な資金額を確認できます。

 

 「老後の資金はいくら用意すればよいのか」については、さまざまな考え方がありますので、ここではあえて触れません。

 

 また、あなたの年金受給予定額もわかりませんので、上記ライフプランニング計算資料の各種表を使って、一旦ご自分でシミュレーションしてみることをおすすめします。

 

参考:NPO法人 日本FP協会

便利ツールで家計をチェック | 日本FP協会 (jafp.or.jp)

 

 

(2) 老後資金の確保は気が付いたときからすぐに実行しましょう!

 

 老後の必要資金の参考となる情報は、早いうちから取り組まれていた方が、軌道修正しやすいのでおすすめです。

 

 仮に、将来的に予算が足りないことが明確になった場合につきましても、現在から、節約する・副業して収入を増やす・投資する・転職して収入を増やすなどの対策を打つことができるのです。

 

10 まとめ

 

 

(1) あなたの今後の行動を検討してみてください

 

 今回は、40代男性の親の世代に必要な福祉住環境コーディネーターの役割と機能とは?について見てきました。人生100年時代といわれていますが、あなたの親御さんも、老化が進んで身体機能や体力が衰えても、「自分のことは自分でやれる」ことはとても大切です。

 

 そこで、住環境や福祉用具を活用して、自由に生活できる環境づくりのために、現在の生活で不自由なところはないか、以前と違って体力が落ちた現時点で、生活しにくいところはないか確認してみましょう。

 

(2) いつまでも親は若くはないのです、確認しておくことはたくさんあります

 

 そして、親御さんの身体の状態にも気を配りながら、認知症を含めて気になる症状が思い当たった場合には、早目の受診などを心掛ける必要もあるでしょう。

 

 そのためにも、あなたが親御さんのためにできる対策を、今から始めましょう。体全体のケアに注意を向けて、強く話すことは控え、一緒に考えるという具合にやさしくコミュニケーションをとりながら話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

(3) 介助を必要とする人々の望む高度なバリアフリー住宅はまだまだ少ないのです

 

 あなたの親御さんも、老化に伴ってさまざまな病気を発症する可能性があります。備えがあれば、慌てることもないでしょう。いつまでも親の笑顔を見ていたいですよね。

 

 現在、社会的には、高度のバリアフリー化(2ヶ所以上の手すり設置、屋内の段差解消、車いすで通行可能な廊下幅のいずれにも該当することをいう)住宅は、全体の8.7%にとどまっています。

 

(4) 介助や介護を受ける人の暮らしやすさはあなたの生活のしやすさにつながります

 

 しかし、ここを一歩進めて、あなたの親御さんが、老化や急性の病気などによって体を動かすことに問題が生じたり、あるいは今まで暮らしてきた住環境が生活しにくくなっている場合などには、積極的に住環境整備の検討が必要でしょう。

 

 なぜならば、住環境を整えることが、介護を受ける人のストレスの少ない生活の実現になり、また、一方では、介護をする人の身体的・精神的な健康維持にもつながるからです。

 

(5) ここからあなた自身も思い切って生活を変えましょう

 

 ここから、あなた自身も今一度健康で長生きできるように、前述の親御さんへ確認した内容を並行して実行し、多くの病気の原因である生活習慣病を回避しましょう。

 

 また、あなたが、あとどれくらいの歳月で50歳になるのかは解りませんが、私も40代になってから年々体力が衰えていくのを感じ、50歳になると一層その感覚が増しました。あなたもきっと、そのように自覚されるときがくるでしょう。

 

 そのためにもあなた自身の健康について、ここで改めて見直してみることは重要なことと言えるのではないでしょうか。あなたが健康でなければ、介護にも支障が出るのです。
 

 ではまた!あなたの未来を応援しています。