こんばんは、塾代表の大西です
今日は、私が中学生の頃に読んだ本の紹介です。
田辺聖子さんの『おちくぼ姫』。
おちくぼ姫 (角川文庫)/角川書店
¥473
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中学生になると古文の授業が始まりますが、私はこの本をその前に読んでいたので、スムーズに古文の世界観を受け入れられた記憶があります。
これは、『落窪物語』という平安時代に書かれたお話(作者不詳)を、田辺聖子さんが現代版として復刻させたもの。
主人公は貴族のお姫様。なのにわけあって意地悪な継母・北の方に召使いのように育てられ、異母姉妹たちにいじめられ、ボロボロの身なりで床の落ちくぼんだ部屋に暮らしている……そのお姫様が、右近の少将と恋に落ちて、最後はハッピーエンド
という、まさにシンデレラと同じストーリーです。
なので話のスジはとても単純なのですが、コレが結構、中学生くらいでも面白いんです。
文(手紙)のやりとりをして愛情を深め、男が女のところへ3日通えば結婚、といった当時の様子がすごくよくわかりますし、「三日夜(みかよ)の餅」「方違え(かたたがえ)」などの風習も出てきて、読みながら平安時代の知識がぐいぐい吸い込めちゃうのです。
ちなみに私の従兄弟が住んでいる家はかなり古いのですが、昔、江戸時代のえらい人たちが「方違え」に使っていた家だと聞いたことがあります。
それを聞いたときにはもう『おちくぼ姫』を読んでいたので、「方違え、江戸時代まで続いてたんだ~」と思ったのですが、読んでいなかったら何のことやらわからなかったと思います。
「三日夜の餅」は、源氏物語でも光源氏が紫の上と一緒に食べてます。
源氏物語も現代版はいろいろ出ていますし、漫画にもなったりしていますが、私は平安文学の現代版はこれがイチバン好きでした。とにかく面白くてわかりやすい!
そして、女の子の「胸キュン」要素も満載!!
古文、なんか難しそうだなぁ~と思っている人は、まずこれを読んでみるとよいかもしれません