〜番外編・妻との出会い①〜

 

 

 

それは、

上司との何気ない会話から

始まりました…

 

 

当時、

クレディ・アグリコル・スイス

Credit Agricole (Suisse) SA 

という、

 

 

フランスの大手銀行の 

スイスの子会社の 香港 支店に

勤務していた僕。

 

 

昼時に、

上司から次のように言われました。

 

 

 

お前、お見合いに興味あるか?

 

 

えっ、お見合い?? 

どうしたんですか急に。

 

 

いやあ、お前、独身だろ? 

興味あるかなと思って

 

 

 

藪(やぶ)から棒ともいえる

質問を受けて、

僕は 戸惑ったものの、

 

 

上司であり、

デスクヘッドなので、

とりあえず、当たり障りのないように答えました。

 

 

 

ええ、まあ。

相性って、

会ってみないとわからないこともありますからね。

 

 

そうか、一応興味はあるのね。わかった。

 

 

 

当時、31歳だった僕は、

既にお話したとおり、香港に移住して、世界有数の金融都市で、一人前のバンカーになるんだと意気込んでいましたので、正直なところ、結婚を具体的に考えるほどの余裕はなく、日々必死に仕事をしていました。

 

 

当時は、リーマンショックの余波による、

ギリシャ危機の最中で、

香港の金融業界は大変厳しい環境でした。

 

 

そして、この業界は、

まさに生き馬の目を抜くような業界であるため、

即日解雇すらもありえる世界です。

 

 

そんなこともあり、

 

 

僕は、日々の仕事に忙殺され、

上司とそんな会話をしたことも

すっかり忘れていました。

 

 

その、

数週間後のこと、

上司から言われました。

 

 

 

前に話した例のお見合いの件、

なんか先方が お前に

興味をもってくださっているらしいぞ。

 

 

あれ!? 

そうですか。

分かりました、ありがとうございます。

 

 

 

さらに、

数日後の

朝のことでした。

 

 

普段は 冷静沈着な 上司が

血相を変えて

僕のところに現れました…

 

 

 

おい! ●●(僕の当時の名字)!

 

 

どうしたんですか、

そんなに慌てて。

 

 

1ヶ月後の

●月●日の

ディナーの予定 空いてるか?

 

 

ええ、

空いてますよ。

 

 

絶対に、予定空けとけよ!

俺にもよくわからないんだが、

例のお見合いの件、

 

 

先方が、

ご家族全員で、

わざわざ日本から お前に会いに来られるらしい。

 

 

 

 

 

えっ?

 

 

 

 

 

 

いらっしゃる方は、

中埜又左エ門和英 さん 

ご一家だ 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっ??

 

 

 

 

 

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写真:

香港にいた頃には、一番右のビルに勤務していました。

香港で2番目に高いビルです。